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2018年6月30日(土)

どう見る? “北朝鮮の日常”

小郷
「北朝鮮の非核化や、拉致問題などの解決が急がれる中、こうした問題に少しでも関心を持ってもらおうと、今日(30日)から、ある映画が公開されます。」

新井
「『ワンダーランド北朝鮮』。
北朝鮮での人々の暮らしぶりを描いた映画ですが、北朝鮮当局の検閲を受けて製作されました。」

小郷
「一昨日(28日)、公開に先立って試写会が行われました。
人々は、この映画をどう受け止めたのでしょうか。」

“北朝鮮の日常”描く映画 あなたはどう見る?

福岡市内で開かれた試写会。
映画配給会社が企画し、およそ30人が集まりました。

「ぜひもう1つの北朝鮮を目撃して、感じていただきたいなと。」

映画『ワンダーランド北朝鮮』より

監督
“私は行き先も撮る人物も決められません。
地元の協力者に従うだけです。
北朝鮮の生活実態に迫ることができるでしょうか。”

映画を製作した、韓国出身のチョ・ソンヒョン監督。
北朝鮮当局の厳しい監視の中、描こうとしたのは、北朝鮮の人々の日常の暮らしです。

プールではしゃぐ若者。
農作業にいそしむ女性たち。
そして、幼稚園でお遊戯をする子どもたち。
一見すると、私たちの暮らしとそう変わらない生活ぶりが映し出されています。
その一方で、人々がキム体制を厚く支持する様子も出てきます。

映像は、北朝鮮の人々の、ありのままの姿なのか。
それとも、当局の意向が反映された見せかけなのか。
そんな作品の中で、本音を語っているのではないかと思わせる場面も登場します。
縫製工場で働くこちらの女性。
うれしそうに、将来の夢を語ります。

女性
“今までにない独創的な服を作り、人々が着てくれるのを見たら喜びを感じます。
それが、かなえたいことです。”

試写会に参加した人々は、北朝鮮に対してどう思っていたのでしょうか。
試写会の前に参加者に聞いた、「北朝鮮のイメージ」です。
「ミサイル問題」や「貧しさ」など、そのほとんどが否定的なものでした。

試写会に参加した、真次弘子さんです。
独裁政権の強硬な姿勢が連日報じられる中、北朝鮮の国民全体に恐ろしいイメージを持つようになったといいます。

真次弘子さん
「怖いというイメージが一番強い。
何を食べているかもわからないし、何の作物を作っているかもわからない。
ちょっとしか知らないから、残りが想像で、また怖く肥大していると思う。」

北朝鮮が今年(2018年)に入って見せた姿勢が気になり、映画に関心を持った人もいます。
巴山剛さんです。

国際社会から孤立を深めていくと思っていた北朝鮮。
その北朝鮮が、対話路線に転じたのです。
韓国やアメリカとの首脳会談に臨んだキム委員長が見せた、この表情が忘れられないといいます。

巴山剛さん
「他国の首脳と会った時、笑顔でコミュニケーションを取ろうという姿が、今までのイメージとあまりに違ったので、ギャップがあったように見えた。」

映画が映し出した、北朝鮮。
2人はどう受け止めたのでしょうか。

真次弘子さん
「全然思っていたのと違う人たちが出てきた感じ。
お化粧しているんだな、水着は好きなものを着ていいんだな、とか。
ミサイルも、国民がみんなで『撃とう』と撃ってるわけじゃない(と思った)。」

ほかの参加者と意見を交わした巴山さん。
北朝鮮をめぐる問題についても、見方が変わっていくのではないかと感じていました。

巴山剛さん
「この映画を見たあと、例えば拉致問題を話す時、景色も変わらないし、いわゆる普通の部分が多い国が、なぜ拉致問題をやったのか背景を知りたくなると思う。
ストーリーにまで思いをはせられる、背景を考えるきっかけになると思う。」

配給会社ユナイテッドピープル 関根健次代表
「初めて見た北朝鮮の人たちの素顔に対して、興味深く見てくれた人も多かったし、一方で、見たものをこのまま信じていいんだろうかという人もいた。
いろんな反応があったと思うが、この映画をきっかけに、いま(北朝鮮は)どうなっているんだろう、どうなるのかなと、それくらいのきっかけになってくれたら。」



小郷
「この映画は、北朝鮮当局の検閲を受けて作られたということですので、どこまでが真実の姿なのか、受け止めが難しい気もしますよね。」

新井
「描かれているのは北朝鮮の一部なのかもしれませんが、こうした映画を通して、関心を持つ上で、1つの材料になるかもしれませんね。」

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