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2018年6月29日(金)

ロシアに木造住宅!日本メーカーの挑戦

高瀬
「今回のサッカーワールドカップで日本代表のキャンプ地となっているのが、ロシアのカザニです。」

和久田
「実はいま、ここで日本人による、もうひとつの熱い戦いが始まっているんです。」

ロシアに大きなビジネスチャンス

ロシア中部の都市、カザニ。
人口120万人。
近年、IT産業の集積が進むなど、経済発展がめざましいロシア有数の都市です。


その郊外に、今月オープンしたのが…。
日本の木造住宅のモデルハウスです。

一目見ようと、多くの人が訪れました。

見学者
「何もかも気に入ったよ!」

作ったのは、東京の大手住宅メーカー。
ロシアに大きなビジネスチャンスを見いだしていると言います。

飯田グループホールディングス 兼井雅史副社長
「一戸建ての家がほしいというニーズが限りなくある。
潜在的な可能性が果てしなく広がっている。」

広い戸建て住宅の需要が高まるカザニ

ロシアの都市部では、多くの人々が、ソビエト時代から続くコンクリート製の集合住宅に暮らしています。
ミハイル・セルゲイビッチさん、31歳です。
去年子どもが産まれ、郊外への引っ越しを考えています。
今の住まいは、50平米の1DK。
ロシアでは家族が暮らす一般的な広さです。

ミハイルさん
「1日も早くもっと広い家に引っ越したいです。」

カザニでは今、経済成長にともない、若い世代の間で広い戸建て住宅の需要が急速に高まっているのです。

国も、住宅購入の助成金を出すなど、支援策を次々と打ち出しています。

ロシア・タタルスタン共和国 投資庁 タリヤ・ミヌリナ長官
「国民が幸せな生活を送るために、快適な住居が必要だと考えています。」

煉瓦造りの家の1.5倍の暖かさ

こうした状況に、商機を見いだした日本の住宅メーカー。
オープンから3日間で120組もの見学者を迎えました。
しかし、多くの人から、木造に対する不安の声もあがりました。

見学者
「ひとつ質問ですが、この家は冬は寒くないんですか?」

ロシアの冬は、マイナス30度にもなります。
担当者は、木は熱を逃がしにくいこと、また、断熱材を木製パネルの間に加え、外壁側にもう1枚追加したことをアピールしました。

住宅メーカー担当者
「一般的なロシアの家の煉瓦造りの壁の、1.5倍の暖かさを担保できます。」

見学者
「(木の家は)暖かくて快適です。
日本の技術はすばらしいですね。」

“地産地消”で価格のハードルを乗をクリア

しかし、ロシアで木造住宅を販売する上で最も高いハードルとなったのは「価格」でした。
材料を日本から運び、日本人が建設した住宅の価格は、およそ1,400万円。

一方、ロシアで次々売り出されているレンガ造りの家は、内装費を含めても600万円ほどです。
その価格に近づけるために取り組んだのが、住宅の地産地消です。
木材は、現地に豊富にある森林で調達。
建材への加工も、現地の企業で行うことにしました。

住宅メーカー担当者
「この柱が緩くなると、この垂直がゆがむから、きつめにしてほしい。」

許される誤差は、0.5ミリ以下。
細やかな指導で、日本と同じレベルの加工を実現しました。

そして、大工職人も現地で確保しようと、日本式の技術を教え込んできました。
こうした努力が実り、1,000万円を切る販売価格の住宅が完成しました。

木造住宅のすばらしさを広めたい

引っ越しを検討していたミハイルさん一家。
およそ140平米の広さや、木造ならではの断熱性が気に入り、購入を決めました。

ミハイルさんの妻 ディアーナさん
「生活動線もよく考えられていて、とても使いやすいわ。」

メーカーでは、今後、量産態勢を作って、さらなる値下げを実現し、ロシアで木造住宅の市場を確立したいと考えています。

ロシア事業 責任者 大河龍也さん
「ロシアにはこんなに木があるのに、木造住宅が建てられていないところを変えていきたい。
いろんな方に、木造住宅の良さ、すばらしさを理解してもらいたい。」

日本の健闘を期待したい

和久田
「この熱意とアピールポイント、伝わって欲しいですよね。
この木造住宅、今月から販売が始まったのですが、すでに3件、契約が成立して、問い合わせも多く来ているということです。」

高瀬
「カザニには、ドイツやスウェーデンなど、ヨーロッパの木造住宅も進出しているということですが、ワールドカップ同様、日本の健闘を期待したいですね。」

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