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2018年6月4日(月)

いまなぜ「定年後」が気になるのか

和久田
「廣田アナウンサーとお伝えします。」

廣田
「おはようございます。
50歳を過ぎて、私も、私の同級生・同世代の人も、もう気になり始めている、この話題です。」

『定年後』は発行部数25万部 続編も大ヒット

廣田
「若いころは、本屋で次どんな本読もうってワクワクしたもんです。
年を取ると、こんなジャンルに引き寄せられます。
定年。」

今、定年後をどう生きるか、ヒントを示す“定年本”が急速に売り上げを伸ばしています。
その名もズバリ『定年後』は、発行部数25万部。
先月発売された続編は、わずか1週間で4万部の増刷という大ヒット。

小説「終わった人」は映画化

「専務、お疲れ様でした。」

さらに、ブームの先駆けとなった小説は、映画にまでなり、今週末から公開されます。

定年後の生き方。
皆さん、どう考えていますか??

50歳 男性
「(身近な)友達も先が見えてきている。
(定年後)どうしようって思う。」

49歳 女性
「夫がずっと家にいると思うと、ぞっとする。」

長い老後への不安が広がっている

廣田
「労働や雇用が専門の、法政大学 諏訪康雄名誉教授によると、この“定年本”ブームの背景には、平均寿命がのび『人生100年時代』とも言われるようになる一方で、『年金はもらえるのか?医療費の負担が今後増えるのではないか?』といった、長い老後への不安も広がっていることから、『何かヒントを得たい』という人が増えている、ということなんです。
定年間際の人だけでなく、若い世代も増えているそうなんです。」

高瀬
「私もずっと考えてます。
定年後は、例えば山にこもって仏像を彫ったりできないものか、と調べてみたり…。
現実的なお金のことなども気になりますから、考えていかないといけないなと思っています。」

廣田
「そこで、今日は、こちら。
定年本ブームの先駆けとなった小説を原作に、今週末に公開される映画『終わった人』。
そのメガホンを取った中田秀夫監督と、主演の舘ひろしさんに、定年後どう生きるべきか、ヒントを聞いてきました。」

定年を迎えたサラリーマン 人生の再挑戦…

映画「終わった人」。
舘ひろしさん演じる主人公・壮介は、大手銀行で出世コースから外れ、定年を迎えたサラリーマン。

壮介
「来週あたり、温泉でもどうだ?」

千草
「無理よ。
いきなり休めないもの。」

家に居場所もなくなり、周りから“終わった人”と扱われます。
それでも一念発起し、第二の人生を歩み始めていきます。

千草
「今すぐ出てって。」

しかし、次々と降りかかる災難。
壮介は人生の再挑戦に、もがいていきます。
そんな姿に中高年へのエールが込められた物語です。

「恋をするのもいいんじゃないでしょうか」

主人公を演じた舘ひろしさん。
御年68歳とは思えない“ダンディーさ”です。

定年後を生きるヒントを聞いてみると、「さすが 舘ひろしさん!」という答えが返ってきました。

舘ひろしさん
「とにかく何かやってみることですね。
恋をするのもいいんじゃないでしょうか(笑)。」

廣田
「かっこいいなあ。
恋をするのもいいんじゃないでしょうかって、普通、なかなかですよ。」

舘ひろしさん
「密かに恋をすればいいじゃないですか。」

廣田
「自分の心の中で。」

舘ひろしさん
「いろんなところで。
恋をしていないと。」

「定年なんてただの通過点」

若い頃から、数々のドラマで活躍。
今も、全く「終わる感じ」はしない、舘さん。
今回の映画で、何度も披露するのが「定年を迎えたエリートの情けない姿」。

「これまでのイメージとはちょっと違う姿を、笑いながら見てもらい、前に進むきっかけにして欲しい」と演じたそうです。

舘ひろしさん
「男はバカですね。
定年なんてただの通過点だっていうふうに見て頂けると嬉しい。
人生は終わらないっていう、そういう映画だと解釈しています。」

人生イコール仕事ではない

和久田
「人生イコール仕事ではないですもんね。」

廣田
「仕事以外の人生も長さはありますからね。」

高瀬
「和久田さん、男だけじゃないですよ。
これからは、働く女性が定年後、というのも同じことですよね。」

廣田
「そうですね。
舘さんに言われると、なるほどと思うこともあるんですけれども、中田秀夫監督にも話を聞いてきました。
現在56歳、同世代の友人や定年を迎えた先輩などにも取材したということなので、非常によいアドバイスをくれました。」

【ヒント1】少しずつ街へ出る

今回の原作に一目惚れして、映画化を実現したという監督。
定年後、「終わらない」ためのヒントは、「少しずつ街へ出ること」だといいます。

中田秀夫監督
「実はこの主人公は外へ出かけて、もう3日目くらいから忙しくなってんですよね。
町へ出ようじゃないけども、好奇心を持って新しい出会いを拒まず、新しい人間関係でちゃんと化学反応を起こせる。
やわらかい、しなやかな感性を持っているっていうことが大切。」

【ヒント2】思い出と戦わない

監督が考える「終わらない」ためのヒント。
もうひとつは、「思い出と戦わないこと」です。
この「思い出と戦わないこと」、原作からそのまま使われたセリフです。
再就職先で失敗した主人公が失意の中、ふるさとを訪ねたシーンで同級生が語りかけます。

「思い出と戦っても勝てねぇんだぞ。
大事なのはそっからどうやって生きるかだべ。」

中田秀夫監督
「自分が最も強かった“栄光の時代”と、今の自分を比べてもそれは勝てない。
あの時は良かったということしか思わなくなる。
『今の自分が出来ることは何か』っていうことを、真摯に考えたほうがいい。
いかに楽しく、豊かに暇つぶしするかっていうことなんだと思います。」

笑いながら、心に余裕を持って、いい歳の取り方を

和久田
「確かに楽しく前を向いていてくれていると、周りの家族も安心ですよね。」

高瀬
「だんだん昔を思い出すことも増えて来ましたよ。」

廣田
「今回取材をしていて、『まだまだ若いもんには負けないぞ!』という気持ちもあるんですが、そうじゃなくて、自分の昔の失敗とか、若い人の失敗を笑いながら見てあげて、心に余裕を持って、品のいい歳の取り方をしたいと思いました。」

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