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2018年1月28日(日)

旬体感 あきらめない心が育てる ばんぺいゆ

千葉
「今回の旬体感は、この大きなフルーツ。」




二宮
「あれ、どっちが千葉さんでした?」

千葉
「え?そこですか!

こちらが、その『晩白柚(ばんぺいゆ)』です。
世界一重いかんきつ類として、ギネスブックにも登録されているんですよ。
ちょっと持ってみてください。」

小郷
「ずっしりきますね、重たい。」

千葉
「大きいものだと重さ4キロほどあるんそうなんですよね。
こちらの『ばんぺいゆ』なんですけど、熊本県の八代市で9割以上が生産されています。
なぜ、八代に深く根づいたのか。
そこには、地元の人たちの『あきらめない心』がありました。」

“世界一大きいかんきつ” 熊本 八代 ばんぺいゆ

熊本県南部の八代市。
南西からの風が吹き込む温暖な地域です。

千葉
「風が吹くと、あたり一面、甘酸っぱい香りが広がってくる。
こんにちは。

これがばんぺいゆ?
大きいですね!」




これが、ばんぺいゆの木です。
1つの木に大きな実が30個から40個ぶら下がっています。

千葉
「木も丈夫じゃないと。」

岡田行枝さん
「しなやか、ほかのかんきつに比べて。」

ばんぺいゆ農家の岡田茂さんと、





行枝さんです。
夫婦で毎年1万個のばんぺいゆを作っています。
収穫は12月から1月までで、今がまさに旬です。

小郷
「重いから収穫も大変ですよね。」

千葉
「片手で支えるのが大変ですし、また、収穫したものを運ぶのも一苦労です。」

どんな味がするのか、いただいてみました。

千葉
「あ、いい香り〜。」

包丁を入れると甘酸っぱい香りが漂ってきました。
香りが強いことも、ばんぺいゆの特徴の1つです。

包丁で切り目を入れて、あとは手で皮をむいていきます。





千葉
「大きい。
いただきます。」



岡田茂さん
「どうですか?
おいしいですか?」

千葉
「サクサク。
果汁がじわって出てきて、おいしい。」

岡田行枝さん
「食感がいい。」

二宮
「甘さはどうなんですか?」

千葉
「レモンのような色なので一見酸っぱそうにも見えるんですけれども、結構甘いんですよね。
グレープフルーツよりも甘みを感じました。」

岡田行枝さん
「糖度も11度くらいある。
ちょっと酸味もあるが、糖度はある。
みかん並みに。」

主に贈答品として出荷される、ばんぺいゆ。
大きければ大きいほど、その価値も上がります。

こちらの選果場では、機械を使って、ばんぺいゆを大きさによって5つにランク分けしています。
進むにつれて、だんだん穴が大きくなって選別されていく仕組みです。
徐々にふるいにかけられているみたいな感じです。

色や傷がないかなど、見た目の美しさは手作業でチェック。
さらに細かくランク分けしていきます。




そして、こちらが最高ランクのばんぺいゆ。
23センチ以上ありました。

ランクが下のものと比べると、見た目、全然違いますよね。

小郷
「艶やかさが全く違いますね。」

この日、選果された3,600個のうち、最高ランクのものは、なんと7個しかありませんでした。
店頭では、通常サイズの3倍の1個3,000円ほどにもなるそうです。

岡田茂さん
「大きいものを作ろう、あいつの大きい、どうやって育てているのか。
競って2L(以上)を目指している。」

ばんぺいゆが八代の特産品として作られるようになったのは、昭和40年ごろ。
当時生産が盛んだったコメやイグサの需要が落ち込み、マレー半島原産のばんぺいゆに白羽の矢が立ちました。
病気に弱く、多くの地域で根づかなかった、ばんぺいゆ。
しかし、八代の人たちは研究会を結成し、新たな生産法を確立していきました。
その1つが交配です。

ザボンの花粉を受粉させると、病気になりにくく、実も大きくなることを発見。




さらに、収穫した実をあたたかい環境で3週間ほど寝かせる「追熟(ついじゅく)」をすると、酸味が抜け、色づきがよくなることも分かりました。
農家が知恵を出し合い、あきらめずに作り続けることで、ばんぺいゆは八代を代表する特産品となったのです。

岡田行枝さん
「近所の方に教えてもらったり、誰かが先に教わってきているので、それを地域で教えてもらって実践する。
そういう気持ちが受け継がれている。」

復興を支える力に 熊本 八代 ばんぺいゆ

そんなばんぺいゆは、2年前の熊本地震の際にも大きな力となりました。

600年以上の歴史を持つ、地元の日奈久温泉。
ここも大きな被害を受けました。

松本美佐緒さん
「昔からの建物が多い。
少しの揺れでも影響は大きかった。」




温泉街にある旅館のおかみ、松本美佐緒さんです。
地震の風評被害で温泉街の観光客は一時、半分以下に激減したといいます。
廃業する旅館もありました。



そんな時支えてくれたのは、地元の名物をと18年前に始めた、ばんぺいゆ風呂でした。
ばんぺいゆ風呂目当ての常連客が地震後まもなく戻ってきて、観光客の数は、すぐに回復に転じたといいます。

「毎年この時期には来る。」

「すばらしい、においも。」

ばんぺいゆは、地震からの復興をあきらめない支えにもなっているんです。

松本美佐緒さん
「ばんぺいゆ風呂に入りたくて来たという方もいる。
八代に行ったら、ばんぺいゆを使ったこういうものがあると根づいてきている。
八代にとっては欠かせないもの。」

八代では、今、ばんぺいゆをさらに地元を支える大きな力にしようとしています。
地元の農家の女性たちがばんぺいゆを使い、ケーキやジュースなど、新たな特産品作りを始めました。

千葉
「すべてばんぺいゆが入っている。
こんなに、あの大きな果実がいろんなものに変身しましたね。
いただきます。
広がってきた。
さっぱりしている。
おいしい。」

岡田行枝さん
「八代にしかない、ここにしかないという誇りがあるからがんばっている。
もっと輪を広げて、八代のみんなでばんぺいゆを広めていきたい。」

あきらめない心で八代に根づいた、ばんぺいゆ。
地域の人たちとともに、より大きく育ち続けています。

小郷
「あきらめずに育て続けてきたことで、この地震の時の支えにもなったんですね。」

千葉
「そうなんですよね。
熊本地震で被害を受けた日奈久温泉なんですけれども、ばんぺいゆ風呂をきっかけに、もう一度温泉街を盛り上げていこうという機運が高まっていました。
何より、ほかの地域にはない“売り”があることが、前向きな気持ちにもつながっているんだと実感しました。」

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