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2018年1月6日(土)

新春インタビュー 82歳のプログラマー 若宮正子さん

小郷
「新春インタビュー。
けさは、世界の注目を集めている、こちらの女性です。」

82歳で、現役のプログラマーとして活躍する、若宮正子さん。


若宮さんが開発したのは、iPhoneのアプリ「hinadan」。
ひな人形を正しい位置に並べるシンプルなゲームです。
去年(2017年)2月に配信され、お年寄りでも楽しめるユニークなアプリとして、6万を超えるダウンロード数を記録しました。

アップル社 ティム・クックCEO
「若宮正子さんは82歳。
彼女は日本人で、ことし初めてアプリを発表した。」




6月には、世界のアプリ開発者が集うイベントに招待され、アップル社のティム・クックCEOにも認められました。

アップル社 ティム・クックCEO
「私はあなたから大きな刺激をもらいました。」

若宮正子さん
「ここに呼んでいただいたのが夢みたいな気持ちです。」

80代にして、新たな世界を切り開いた若宮さんに、人生を楽しむ秘けつを伺いました。

82歳のプログラマー 若宮正子さん

小郷
「2017年は、ほんと目まぐるしい年だったと思うんですけれども、若宮さんにとってどんな1年でしたか?」

若宮正子さん
「いや、大変な1年だったんですよ。
(去年の)お正月におみくじをいただいて見たら、末吉って書いてあるんですね。
だから、あまり大きな期待はしてなかったんですけど、そうしたら3月ぐらいからずっと何か次から次へと予期せざることが起こって、目まぐるしい年になりました。」

二宮
「振り返ってみれば、じゃあ、大吉ぐらいの?」

若宮正子さん
「そうですね。
超大吉じゃないかと思ってます。
82になって急にそんなことになっちゃうなんて。」

若宮さんがパソコンを始めたのは、大手銀行を退職した60歳の頃。
プログラミングを始めたのは、80歳を過ぎてからでした。
今では、楽器のアプリを使って、演奏まで楽しむようになりました。

二宮
「いろいろやる原動力っていうのは何なんですか?」

若宮正子さん
「上品に言うと好奇心に富んだっていうんですか、早く言えば物好きでおっちょこちょいですよね。
だから、なんか新しいものがあるとすぐ飛び付いちゃう方です。
慎重に考えないで買っちゃったりとか。」

二宮
「衝動的に。」

若宮正子さん
「そう。
だから、そのプロのプログラマーになるとか全然そういう、1つなんか作ってみようと思っただけで、そうしたらアプリ開発者って肩書きが付いたんでびっくりしたんです。」

そんな若宮さんの好奇心から、開発までこぎつけたのが、こちらのアプリ「hinadan」です。
開発にあたって重視したのが、シニアの視点だったといいます。

若宮正子さん
「スライドさせるとかスワイプとか、ああいうの駄目なんですよね。
実際にそういう例があって、それでなかなか電話かけても出ないから、“おじいちゃんどうかしちゃったんじゃないかしら”って。」

二宮
「ただ取れないだけなのに。」

若宮正子さん
「でも、これが対応できない。
そういうことはあまり若い方はご存じないんですね。
だから、私の作ったアプリも、そういうのを使わないで、上からトントンするのは比較的やりいいので、それだけ使うようなゲームにしました。」

年末も毎日のように予定が入り、忙しく過ごしていた若宮さん。

この日、向かったのは、総理大臣官邸です。
若宮さんは、政府の「人生100年時代構想会議」の有識者に選ばれ、定年退職後の学び直しなどを支援する政策づくりに携わっています。
若宮さんが大切にしていることは、知らない世界でも、自分で壁を作らないことだといいます。

若宮正子さん
「よく、なんか新しいことをやるとか、新しい時代に即応していく意欲がないっていうお話を伺うんですけど、“とりあえずやってみればいい”って思います。
駄目だったらやめる。
そこから何か芽が出ていくかもしれないし、出てきた芽を育てていけば、“何かをやるのに遅過ぎる年なんてないんじゃないか”と思うんです。」

そんな人生を送ってきた若宮さんが、今年(2018年)もまた新たな挑戦をします。
2月に、ニューヨークの国連本部でシニア世代を代表して、全編英語でスピーチすることになったのです。
テーマは、自分の体験に基づいたシニアのIT技術活用法。
より多くの人に、ITの世界を楽しんでもらう秘けつを伝えたいといいます。

若宮正子さん
「“もの忘れ対策”とか、そういうような実用面と、それから、やっぱり“シニアの居場所”というか、SNSを使った交流なんかも、自分自身もこういうふうにやって、たくさんのお友達ができて幸せだというようなことも、そういうようなことも語っていきたいと思ってます。
なんでみんな挫折しちゃうかっていうと、なんか買うと、まず最初に設定っていうのをやんなきゃいけない。
最初だけ誰かがやってあげれば、随分距離が縮まると思います。
例えばやりたいゲームがあれば、それのアイコンっていうんですか、『あれをここに置いとくからね、おばあちゃん』みたいな。
『使う時は、これをチョンと突けば始まるからね』って、そういうふうに下ごしらえをしといてあげれば、随分、楽に使えるんじゃないかと思います。」

最後に、今、もっとも関心があることについて聞くと…。

若宮正子さん
「やっぱり人工知能とか、ああいうののことをもっと知りたいです。
頭を使うような仕事も代わりにやってくれるようになりますよね。
そしたら、もっと働く時間が短くなって、その残った時間をどうするのかとか、いろいろなことを考えて、もう考え出したらきりがない。
私、これからは“リケ老”も増えなきゃいけないと思うんですよね。」

二宮
「リケ老。」

若宮正子さん
「リケ老。」

二宮
「理系…。」

若宮正子さん
「の老人。
ああ、そういう理科的な知識っていうのは、どんな職業をやるにしても必要なんじゃないかと思うんですね。
そういう新しい時代に即した勉強を、熟年っていうか、ある一定の年代になったらやっていくっていうのが必要じゃないかと思いまして、それをもって社会参加をして、それでまた社会が活性したらいいなと、そんなことを考えてます。」

小郷
「若宮さん、とにかく好奇心が大せいで、いくつになっても新たな挑戦を続けていて、第2の人生の方がより楽しいっておっしゃっていたのが、本当に印象的でしたね。
若宮さんを見ていると、自分次第でいくらでも世界の可能性って広がるんだなということを感じましたね。」

二宮
「本当にイキイキとされているのが伝わってきますし、何かをやろうとするときに、どうしてもちゃんとしなきゃいけないって、まず考えがちですけど、若宮さんとお話していると、『とにかくやってみる』っておっしゃいましたけど、そういう柔軟さとか、軽やかさ、やってみてダメならダメでしょうがないというところも、軽やかさがイキイキ生きていく秘けつなのかなっていうふうに思いましたね。
その若宮さんが開発したアプリ『hinadan』ですけれども、去年の暮れに英語版が配信されました。
今年は、アプリ開発以外にも、本を書いたり、海外旅行をしたり、いろんなことに挑戦していきたいと話していました。」

小郷
「明日(7日)は、いよいよ始まる大河ドラマ『西郷どん(せごどん)』で、主役の西郷隆盛を演じる、俳優、鈴木亮平さんです。」

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