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2017年11月4日(土)

トランプ大統領 来日へ

小郷
「いよいよ明日(5日)に迫りました。
大統領就任後、初めて日本を訪問するアメリカのトランプ大統領。
日本に先だって訪れるハワイに向け、ワシントンを出発しました。」


二宮
「中国や韓国なども歴訪し、北朝鮮への対応や貿易の問題などを協議します。」

トランプ大統領 あす来日 アジア歴訪に向け出発

ワシントンを出発する前、トランプ大統領は。

*アメリカ トランプ大統領
「(今回の歴訪が)楽しみだ。
貿易や北朝鮮について話し合う。
大成功をおさめるだろう。」

大統領専用機「エアフォース・ワン」に乗り込み、ハワイへ向けて飛び立ちました。
ハワイでは、アジア地域を担当するアメリカ太平洋軍から報告を受けます。
そして明日、日本を訪れて安倍総理大臣とゴルフで交流を深め、明後日(6日)には日米首脳会談を行い、北朝鮮への対応などについて話し合うものと見られます。
北朝鮮への対応についてトランプ大統領は、アメリカのフォックステレビの番組「The INGRAHAM ANGLE」のインタビューに応じ、次のように述べました。

アメリカ トランプ大統領
「日本は北朝鮮と距離がとても近く、懸念を抱くのは当然だ。
中国などの国々に北朝鮮との関係を放置すれば、日本との間で大きな問題になると伝える。」

訪日を前に日本では、トランプ政権の一翼を担う、この人の動静に注目が集まっています。

トランプ氏の長女で、大統領補佐官を務めるイバンカさんです。
昨日(3日)は、都内で開かれた国際会議で講演。

イバンカ氏
「父の大統領選のあと、自分の事業をやめて政権に入った。
それは女性が活躍できる社会を実現させるためだ。」

そして、昨夜は都内の日本旅館で、安倍総理大臣と夕食をともにしました。

自身のSNSに投稿した写真には、日本の伝統的な舞いを鑑賞している様子や、花束を贈られた様子などが写されています。
「安倍総理大臣の温かいおもてなしに加え、先日迎えた誕生日を祝っていただき、感謝いたします」とコメントしました。
初めてのアジア歴訪で5か国を訪れるトランプ大統領。
最初の訪問国が日本です。
日本では、首脳会談のほか、天皇皇后両陛下との会見や、北朝鮮による拉致被害者の家族との面会も行うことにしています。

トランプ大統領 あす来日 街の人は

二宮
「このトランプ大統領の日本訪問をどう受けとめているのか、都内で聞きました。」

「いまの硬直した世の中を打開してくれるかもしれないと期待を持っている。」

「大統領というよりビジネスマンのイメージが強い。
会社に例えると、自分の会社だけもうけるやり方を、アメリカという国でやっている気がする。
世界の視点だと、役に立っているとは思えない。」

北朝鮮問題についても。

「彼のツイーとだけで、戦争が始まるのではと心配している。」

「北朝鮮に対しての圧力は、日本は全然、力がないから。
そのことに関してはアメリカ頼り。
とても頼もしいとは思う。」

「あまり挑発しない方がいいが、確かに北朝鮮は悪いと思うので、平和的に話し合いで解決してほしいというのが一番。」

トランプ大統領 あす来日 アジア歴訪の狙いは

二宮
「ここからはホワイトハウス担当の広内記者に聞きます。」

小郷
「トランプ大統領は、日本、韓国、中国など、アジア5か国を訪れますが、今回の歴訪の狙いはどこにあるのでしょうか?」

広内仁記者(ワシントン支局)
「北朝鮮への対応と、貿易の問題、これが2大テーマです。
あるトランプ政権の当局者は、北朝鮮への対応については、『日本とは結束、韓国には教育、中国には要求』と話していました。」

小郷
「結束、教育、そして要求、これはどういうことなんでしょうか?」

広内記者
「まず日本とは、北朝鮮への圧力で完全に一致した、いわば仲間として『結束』を確認すると。
続く韓国は、北朝鮮に対話や人道支援を提案するなど、アメリカと温度差もあるため、足並みを揃えるよう、少し『教育』が必要だと。
そして中国は、北朝鮮と結びつきが強い一方で、まだ圧力が十分ではないということで、さらなる協力を要求するということなんです。」

二宮
「それが北朝鮮への対応。
一方で貿易面ですが、トランプ大統領、ビジネスマンとしても成功した人物ですので、大胆に攻めてくることも十分に考えられますよね。」

広内記者
「そうですね。
トランプ大統領は、アメリカの国益を最優先にする自国第一主義を掲げていますので、露骨な主張を展開することも考えられます。
トランプ大統領は、今回のアジア歴訪は『アメリカの繁栄を取り戻すための働きかけの一環だ』と述べているほどなんです。
トランプ政権は今、アメリカの経済成長や雇用確保のために、自動車や農産物にとどまらず、エネルギーや武器の輸出拡大も狙っているんです。」

自国の利益を最優先 トランプ外交の実態は

リポート:油井秀樹(ワシントン支局)

7月に行われたポーランドとの首脳との会談。

アメリカ トランプ大統領
「アメリカは、エネルギー分野で大輸出国となりつつある。
15分もあれば、LNG(液化天然ガス)の輸出契約ができます。
いま、進めますか?」

国内の雇用の拡大を目指すトランプ大統領は、アメリカ産のエネルギーを、自ら積極的に外国に売り込んできました。

先月(10月)行われた、日本との経済対話でも、LNG=液化天然ガスの輸出拡大に向けた協力で合意しました。
トランプ政権と歩調を合わせるように、アメリカのLNG業界も輸出攻勢を強めています。

アジアへの輸出拡大を目指す、この企業。
日本が先月、アメリカのLNGをアジア諸国が受け入れるためにインフラを整備する計画を発表したことを歓迎。
輸出基地の拡大に乗り出しています。


シェニエール・エナジー社 アナトル・フェイギン副社長
「業界にとってトランプ政権のやり方は、とてもやりやすい。
アジアはLNG市場の大きな成長が見込める地域で、アメリカ政府と協力していきたい。」



エネルギーと並び、トランプ政権が輸出に力を入れているのが、アメリカの軍事兵器です。

大統領は、自国の軍事兵器の売り込みに積極的な姿勢を見せています。

アメリカ トランプ大統領
「クウェートの首長は、アメリカ製の戦闘機を早く売ってほしいと求めてきた。
喜んで売却すると、ここに発表したい。」



油井秀樹(ワシントン支局)
「アメリカの防衛産業が開いた展示会です。
海外への売り込みを目指す多くの企業が、最新の兵器や装備品を展示しています。」

会場には、600を超える防衛関連企業や団体が参加。
活況を呈していました。

これは、戦闘機に搭載し、相手の航空機を攻撃するミサイルです。
航空機やミサイル攻撃を探知するレーダーも展示されています。
会場には、アジアなどから防衛関係者が大勢訪れました。
アメリカの防衛産業は、北朝鮮の脅威が増す中、輸出拡大の好機と捉えています。

レイセオン社 ウィリアム・ブレア副社長
「アジアはとてつもなく有望な市場だ。
特に日本の北の地域で脅威が増していて、ミサイル防衛の装備の重要性が高まっている。」



こちらは、北朝鮮の弾道ミサイルに備えて、新型の迎撃ミサイルシステムを開発している企業のブースです。

新型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」です。
1機あたり、およそ800億円。
日本が現在、地上に配備している迎撃ミサイルよりも広い範囲で防衛できます。
日本政府も、すでに導入する方針を示しています。

ロッキード・マーチン社 ハワード・ブロムバーグ副社長
「今やミサイル防衛システムを購入する70%近くが海外の顧客だ。
(安全保障上は)いまは厳しい時だが、顧客にミサイル防衛兵器を提案できる絶好の機会でもある。」



地域の緊張もアメリカの利益につなげる、トランプ外交。
アメリカの利益を追及していく姿勢を見せています。

北朝鮮への対応 軍事攻撃の可能性は

小郷
「今のこの状況も利益につなげる、相当なやり手ですよね。
日本は、トランプ大統領にうまく乗せられているように見えましたけれども、そのアメリカは北朝鮮にどう対応していこうとしているのでしょうか?」

広内記者
「圧力を最大限まで高めることで北朝鮮を追い込んで、交渉のテーブルに引きずり出そうと狙っています。
現在、西太平洋地域に空母を3隻派遣しているのもその一環で、軍事的な圧力も強めて、北朝鮮に挑発行為をやめるよう迫っているんです。
しかし、専門家や外交関係者の間では、外交的、経済的、軍事的な、いずれの『圧力』も失敗に終わった場合には、北朝鮮に対する軍事攻撃もあり得るという見方も出ています。」

アメリカ進歩センター ブライアン・ハーディング氏
「(軍事攻撃は)トランプ大統領のアドバイザーたちによって真剣に検討されている。
大規模な攻撃ではないが、限定的な攻撃を検討していると思う。
しかし、それはあまりにもリスクが高すぎる。」


広内記者
「しかし、やはりアメリカが軍事攻撃に踏み切れば、北朝鮮の反撃で韓国や日本では多大な犠牲が出るとみられますので、現実的ではないというのが、ワシントンでは大勢です。」

二宮
「軍事攻撃が現実的ではないとすれば、ほかにどういった道が考えられるんでしょうか?」

広内記者
「これは、このまま核・ミサイル開発が進めば、北朝鮮を核保有国として認めざるを得ないという、いわば好まざる選択肢も現実味を帯びてくると指摘する専門家もいるんです。
しかし、そうした事態を避けるためにも、やはり鍵を握るのが中国です。
北朝鮮が数か月後にもアメリカ本土に到達する核ミサイルを獲得する可能性もあるとされ、残された時間が限られる中で、中国の習近平国家主席との会談で、どこまで協力を引き出せるかが、今回の歴訪の焦点の1つになります。」

貿易問題 日本への対応は

小郷
「かなり複雑な話し合いがもたれることになりそうですよね。
一方、貿易の問題では、日本に対して具体的な要求があるのかというところですが、内政で思うように成果を挙げられない中、支持者をつなぎ止めるためにも貿易に活路を見いだしたい思惑もあるのではないでしょうか?」

広内記者
「そうだと思います。
先月の日米経済対話では、ペンス副大統領が日米の貿易交渉に強い関心を示したということで、トランプ大統領も言及する可能性があります。
アメリカの自動車や農業団体などからは輸出拡大に期待する声が根強いんです。」

二宮
「そうすると、首脳レベルでかなり突っ込んだやり取りになることも予想されると。」

広内記者
「そうなんですけれども、ただ、トランプ政権は、メキシコやカナダとNAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を進めるなど、優先課題も抱えているんです。
このため、日本との貿易交渉にすぐに取り組める状況にはないという見方が大勢です。」

小郷
「安倍総理大臣とトランプ大統領、2人、仲が良いというふうに言われていますけれども、そうした個人的な関係も影響するものなんでしょうか?」

広内記者
「そうかもしれません。
関係者によりますと、トランプ大統領は、安倍総理大臣を国連総会の際もゴルフに誘ったほか、昼食会では、横に座るよう求めたということで、その関係は他国と比べても、特に良好だともされているんです。
こうしたこともあって、北朝鮮に対して日米が結束することが優先される中、トランプ大統領が2国間の貿易交渉について突っ込んだ要求をすることはないのではないかという見方もあるんです。
ただ、トランプ大統領、予測不能とも言われていますので、その出方に注目したいと思います。」