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2017年10月21日(土)

異例の再戦 挑戦の日々に密着

北野
「こちら、ボクシングの村田諒太選手。
昨日(20日)世界タイトルマッチの調印式に臨みました。」



二宮
「いよいよ明日(22日)“因縁”の相手との対戦があるんですよね。」

北野
「5月の世界戦で一度は敗れたエンダム選手と、異例の早さで再戦します。
大きな注目が集まる中、かつてない重圧と闘いながら世界王座を目指す日々を追いました。」

ボクシング村田諒太 “因縁”の世界戦へ

「チャンピオン頑張れ。
ベルト欲しいんでしょ。」

プロボクサー・村田諒太選手、31歳。
再戦が決まってからの2か月、かつてないほど自分を追い込んできました。

プロボクサー 村田諒太選手
「“完全決着”という形で試合を決着つけたい。」





5月、初めて挑んだ、世界タイトルマッチ。
当時世界ランキング1位のアッサン・エンダム選手を相手に序盤から攻め続けます。
第4ラウンド。
得意の右ストレートでダウンを奪います。
しかし、ふらつきながらもパンチを出し続けて粘るエンダム選手を倒しきることができません。
決着は判定に…。
まさかの敗戦。
パンチの数では、エンダム選手が上回っていたのです。
その後、試合の判定は大きな波紋を呼び、異例の再戦が決定しました。

プロボクサー 村田諒太選手
「形として得られなかったベルトがここになくて、それに対する悔しさがふつふつとこみ上げている。
だからこそモチベーションとして、ベルトを絶対に取りたい。」

相手を倒して完全に決着をつける。
そのために、前に出る自らのボクシングを磨き上げることにしました。

「いいブロックだ。
プレッシャーかけていこう。」





そのスタイルの生命線は、パンチを打つ前、鉄壁のブロックにあります。
前回のエンダム戦。
村田選手は600発を超えるパンチをことごとくブロック。
そこから前に出て相手を追いつめていきました。
私たちは、最新の動作解析装置で、村田選手のブロックを分析することにしました。
明らかになったのは、驚異的な反応速度。

相手がパンチを繰り出すとほぼ同時にブロックを開始。
反応にかかった時間は、平均で0.04秒でした。
日本ランキング上位の選手でも0.1秒以上。
村田選手は、半分以下の時間で反応し、瞬時に攻撃に転じていることが分かったのです。

理化学研究所 情報基盤センター長 姫野龍太郎さん
「他の人が普通に反応すると0.15秒、0.12秒かかっているところ、0.1秒を切る。
これはすごいと思いました。
ブロックが完璧なので、いつでも攻撃に転じられる。
つまり、攻防一体になっている。」

攻防一体のスタイルを築き上げてきた村田選手。
しかし、試合まで1か月を切った頃、その持ち味が影を潜めていました。

「早く戻して、ガード。」

ブロックでパンチを防げず、前に出ることができません。
思うように体が動かず、スパーリングを途中で打ち切ることもありました。
村田選手は心が乱れていました。

プロボクサー 村田諒太選手
「全然、集中できていない。」

「(気持ちが)ざわざわしている気がする。」

プロボクサー 村田諒太選手
「ざわざわしています。
過敏です、反応が。
何事に対しても。」

「次こそは村田が勝つだろう」という世間の評価。
絶対に負けられない重圧と、村田選手は戦っていたのです。

プロボクサー 村田諒太選手
「村田諒太のプロボクサー人生を、自分の手で踏みにじってしまう、ジ エンドにしてしまう怖さはあります。
アイデンティティーの喪失というやつです。
エンダムと戦っているんじゃなくて、自分とシャドーボクシングをしている。」

押しつぶされそうな重圧。
そんな時、手にするのが、哲学や心理学の本です。

オーストリアの心理学者、フランクルの本の一節。

“人生に、意味を問うてはいけない。
人生からの問いかけに、どう答えるかが大切なのだ。”

今、目の前にあることに全力で取り組めというメッセージです。

プロボクサー 村田諒太選手
「自分の人生に負けるの嫌じゃないですか。
自分の選んだ道である、この道。
絶対嫌ですよ。
負けたくなくてやってきているのに、そんなの絶対嫌だ、俺。」

重圧と正面から向き合おうとする村田選手。
次第に調子を上げ、前に出る本来の姿を取り戻していきました。

そして、昨日の調印式。
強い覚悟を胸に決戦に臨みます。

プロボクサー 村田諒太選手
「プレッシャーはあります。
プレッシャーは、引き連れて戦うのがボクサーだと思っている。
プレッシャーを持ったまま、戦うだけです。」



二宮
「勝手になんですけれども、前の試合を見て、悔しい思いを自分も持ったので、期待が高まっている部分はありますけれども、同じ相手に2回負けられないというプレッシャーは大きいでしょうね。」

北野
「期待のプレッシャー、そして2度負けられないプレッシャー、本当に大きいと思うんですよね。
そもそもミドル級というのは、海外の選手層が厚いために、日本選手に世界戦のチャンスというのが何回も回ってくることがなかなかないんですよね。」

小郷
「まさに、背水の陣で臨むという感じなんですね。」

北野
「だからこそ、完全決着を期待したいですね。
村田選手、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得しています。
世界王者になって、アマチュアとプロの両方で頂点に立てば、日本選手初の快挙となります。」

小郷
「頑張ってほしいですね。」

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