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2017年9月12日(火)

ご存知ですか? 「かかりつけ薬剤師」

森田
「今日(12日)のテーマは、『薬』です。」

いまや、コンビニの数よりも多いという調剤薬局。
その数なんと、5万7,000軒です。
ところで皆さん、どこでお薬もらってますか?

「医療機関から近いところ。」

「だいたい医療機関は行くところが決まっているので、(薬局は)その近く。」

森田
「という街の声ですが、お2人はどこで薬をもらっていますか?」

和久田
「医療機関の近く。」

高瀬
「そうですよね。」

森田
「そういう方が多いと思うんですが、今、こうした制度があるんです。
『かかりつけ薬剤師』。」

和久田
「かかりつけのお医者さんではなくて、薬剤師さん?」

森田
「そうなんです。
この制度は去年(2016年)の4月から新たに国が始めた制度なんです。
大きな目的は医療費削減です。
担当の薬剤師を1人に決めることで、複数の医療機関から処方される薬の重複を防ぐなど、薬を適性に管理しようというものです。
また、私たち一人一人の健康管理のために、薬剤師の力を発揮してもらおうというねらいもあります。
具体的にどんなことをしてくれるのか、調べてきました。」

薬を「一元」管理してもらえる

訪ねたのは、東京・渋谷区にある調剤薬局です。

森田
「こちらに、かかりつけ薬剤師の方がいると伺ったんですけど。」

かかりつけ薬剤師の矢野文恵(やの・ふみえ)さんです。

「かかりつけ薬剤師は、普通の薬剤師と何がどう違う?」

かかりつけ薬剤師 矢野文恵さん
「患者に対して、さまざまな薬を、責任を持って管理させていただく。」

通常、医療機関で処方箋をもらうと、その近くの薬局で薬を出してもらうことが多いと思いますが、

そうした処方箋を同じ薬剤師さんに渡して薬を出してもらうことで、その人がどんな薬を飲んでいるかなどを管理してもらうもの。
同じ効能の薬が重複して処方されることなどを防ぐねらいがあります。

医療機関と薬局が離れている場合、処方箋をFAXすれば事前に用意してくれます。
携帯で処方箋を撮影して送っても対応してくれるところもあります。

高瀬
「でも、その薬がかかりつけ薬剤師さんのところに無い場合もありますよね?」

森田
「近所のこじんまりとした薬局だと、いろんな種類の薬が手に入るかどうかが不安になったりしますが、この点はどうですか?」

矢野文恵さん
「その薬局が責任を持って探すとか、取り寄せるとか、あるいは持っている薬局を探すとか。」

森田
「近くの薬局さんどうしで薬を融通し合って?」

矢野文恵さん
「それもあります。」

直接相談できる

でも、今さまざまな薬局で処方された薬の履歴をまとめておく「お薬手帳」もありますよね。
これとの違いはどこなんでしょうか?

矢野文恵さん
「気軽に相談出来るということではないでしょうか。
処方箋がなくても、何かご心配なことがあれば気軽に立ち寄って、何でも相談してくれれば。」

いちばんの違いは、直接相談に乗ってくれること。
そのため、週に32時間以上勤務しているなどの条件に加え、日本薬剤師研修センターなどが行う、コミュニケーションなどの研修を受けた人がかかりつけ薬剤師に認定されるんです。

というわけで、私も早速相談。
実は私、医療機関で処方された薬や市販薬をいつも持ち歩いています。
のどの炎症を抑える薬や胃薬など、ついつい増えてしまいました。

和久田
「この数!すごい量ですよね。」

森田
「ニュース番組を担当しているので、急に高熱が出たらどうしようと心配性で。
以前もらった解熱鎮痛剤を持っているんです。」

数えてみたら、解熱鎮痛剤だけでも4、5種類。

矢野文恵さん
「これとこれだと全く同じ成分。
容量が増えてしまうので、必ずどっちか。」

ほかにも手持ちの薬を細かく見てもらったところ…。

森田
「半分に減りました~。」

和久田
「ずいぶん減りましたね!
整理できてよかったですね。」

24時間相談できる

かかりつけ薬剤師になってもらうには、同意書を交わします。
相談料として、3割負担の保険に入っている人の場合、1回につき、60円~100円がかかります。

そして、なんと時間外でも相談できるんです。

森田
「夜中に熱が出たとき、手持ちである、どの薬を飲んだらいいのか相談できる?」

矢野文恵さん
「はい、できます。
24時間、緊急時対応するようになっております。
お電話くださればお答えします。」

森田
「伺えば伺うほど、かかりつけ薬剤師を持とうかなという気持ちになりました。」

在宅医療を支援してもらえる

かかりつけ薬剤師のメリットは、それだけではありません。

東京・浅草で薬局を営む、宮原富士子(みやはら・ふじこ)さんです。
かかりつけ薬剤師として、地域に住むおよそ150人の薬や健康を管理しています。

「処方箋をもらって、(薬局に)置いてきてしまう。
そうすると宮原先生が夕方に届けてくれる。」

この日向かったのは、薬局の近くにあるマンション。
車いすで生活する女性に、医師から処方された薬を届けに来たのです。
在宅医療を支えるのも、かかりつけ薬剤師の役割です。

薬を届けるついでに、体調なども聞き出します。

「順調に治りつつあると(医療機関の)先生が言ってくれたので。」

かかりつけ薬剤師 宮原富士子さん
「よかったよね。」

「だいぶ苦しんだので。」

宮原富士子さん
「顔も明るくなった、元気になってうれしい。」

「薬を渡すだけじゃなく、状態を見てくれるのがすごく安心だし、心強いと思う。」

医療の「窓口」になってもらえる

さらに、自分が具合が悪くなったとき、どの医療機関に行けばいいか迷うこともありますよね。
そんなときこそ、かかりつけ薬剤師。
医療機関にいくべきかどうか、行くならどの医療機関を受診すればいいのか教えてくれます。

こちらの女性は、長い間、ほてりやひどい汗などの症状に悩んでいました。
宮原さんは、体の不調はホルモンバランスの乱れによるものではないかと疑い、更年期外来のある医療機関を紹介しました。

「いろんな症状が出たらどうしようって、今までの不安がなくなって。」

宮原富士子さん
「無くなったの?落ち着いた?」

宮原富士子さん
「専門的な知識を常に磨いていて、わかりやすく説明できる医療者でありたい。
(地域住民が)健やかに暮らしていける支え手でありたい。」

あなたの健康を管理 “かかりつけ薬剤師”

高瀬
「『医療者』とおっしゃってましたが、これほど私たちの医療に積極的に関わってくれるというところが、すごく新しい感じがするんですが、普通の薬剤師さんとはそこが違うということですか?」

森田
「はい、いくつか条件があります。

薬剤師としての経験が3年以上あり、同じ薬局に半年以上、週32時間以上勤務している人。
さらに、コミュニケーションなどの特別な研修を受講した人などの条件があり、クリアしたした人が、『かかりつけ薬剤師』として患者と契約を結ぶことができます。
そして今、全国の調剤薬局で導入が進んでいて、大手ドラッグストアでも置くところがでてきています。
地域の薬剤師会に問い合わせると、どの薬局にいるか教えてくれます。」

和久田
「これがスタートしてもうすぐ1年半ということですが、まだ正直あまりなじみがないような気がしますよね。」

森田
「そうですよね、実は私も今回まで知らなかったんです。

厚生労働省も来月(10月)17日からを『薬と健康の週間』として、全国の薬局でイベントを行ったり、PRを強化していくということです。
また、こんなものもあります。

『節薬バッグ』。
東京・墨田区の薬剤師会が作って、今週から地域の人たちに配布しています。
これに、自宅にある薬を入れて、薬局に持ってきてもらおうというものです。
手持ちの薬の整理してもらうのをきっかけに、健康に関する相談も受け付け、地域の薬剤師と関わるきっかけにしてほしいとしています。」

和久田
「まずは薬局に行ってみる、ということですね。」

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