これまでの放送

2017年8月22日(火)

夏休みの宿題は“笑顔”

高瀬
「全国各地の夏の表情を切り取る『夏点描』です。」

和久田
「今日(22日)は、東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市が舞台です。
主人公は、こちらのプロのマジシャンと小学6年生の女の子です。
被災地の人たちを笑顔にしようと頑張る、2人の夏を見つめました。」

被災地に笑顔を広めたい

リポート:福原健太郎(映像取材部)

震災後、7回目の夏を迎えた宮城県気仙沼市です。

「握手いいですか?」

「久しぶり!」

夏祭りの会場に姿を現した、大人からも子どもからも人気を集める、この男性。

プロのマジシャン、トリックマスター・ソラさんです。
震災直後から、被災地各地でショーを続け、その数は2,000回を超えています。
特徴は、見る人を笑顔にする、お客さんと一体となったステージ。

「楽しかった。」

「小さい子からお年寄りまで楽しめることはないので、すごくありがたい。」

トリックマスター・ソラさん
「元気になってほしいというのが心にあるので、みんなに笑顔を広めていきたい。」

ソラさんが初めて被災地を訪れたのは、震災から2か月後のことでした。

避難所などを周り、マジックを披露したソラさん。
津波で住む場所を失うなど、辛い状況にありながらも、多くの人たちが笑顔で喜んでくれました。
以来、6年余りにわたって、住んでいる千葉県から被災地に通い、ボランティアでショーを続けています。

トリックマスター・ソラさん
「震災後何年もたつ状況で、みなさんが努力している姿を感じることがたくさんある。
この先もずっと寄り添っていきたい。
寄り添っていくつもり。」

夏休みの宿題は“笑顔”

ソラさんには、一緒にショーに出演する愛弟子がいます。

小学6年生の村上凛(むらかみ・りん)さんです。
5歳の時、震災に遭い、津波の傷痕が残る気仙沼で育ちました。
そんな凛さんがソラさんと出会ったのは2年前。
マジックで町の人たちを一瞬で笑顔にするソラさんに憧れを抱くようになりました。
その後、何度もショーに通ううちに、ソラさんと顔なじみになり、マジックを教えてもらうようになったのです。

村上凛さん
「ソラさんみたいになりたい。」

今では、ショーに出るまでマジックが上達した凛さん。
しかし、ステージでは、どうしても顔がこわばってしまいます。

トリックマスター・ソラさん
「夏休みの宿題です。」

ソラさんは、凛さんに宿題を出しました。
それは、笑顔でマジックをすることです。

トリックマスター・ソラさん
「その笑いが必要。」

観客を笑顔にするためには、まず自分自身が笑顔になることが何よりも大切だと伝えました。

トリックマスター・ソラさん
「自分も楽しまなきゃいけない。
そしたら、みんなが何を返してくれるかわかる?」

村上凛さん
「拍手、笑顔。」

つらくても悲しくても 笑顔が一番大事

凛さんは、自宅で母親と練習を重ねました。
しかし、マジックを成功させることだけに気をとられ、なかなか笑顔が出ません。

凛さんの母親
「笑顔は?
それができればいいんだよね。
口角を上げて。」

夏休みの宿題を披露する、この日。
凛さんは、午前と午後2回のショーに出演します。

1回目のショー。
マジックは成功するものの、なかなか笑顔が出ません。
ショーの合間、ソラさんが緊張をほぐします。

トリックマスター・ソラさん
「笑顔を忘れていない?
目が笑っていないんだよな。」

村上凛さん
「目は笑えないです。」

トリックマスター・ソラさん
「いいね。
八重歯がかわいい。」

そして、午後のショー。

トリックマスター・ソラさん
「最高の笑顔を見せてくれる、かわいい子。」

凛さんが得意な、箱を使ったマジック。

村上凛さん
「2回目は笑顔の努力をしました。」

ようやく、笑顔が出ました。

トリックマスター・ソラさん
「皆さんに笑顔と、いい空間をプレゼントできる魔法使い。
どんな状況でも、つらくても悲しくても、笑顔が一番大事。」

被災地の人たちを笑顔に。
「魔法」をかける、ソラさんと凛さんです。
 

和久田
「喜んでもらうために真剣に頑張っている姿だけでも、周りの大人たちを笑顔にしてくれますから、それだけで十分なんですけれど、なんとか自信を持って頑張れるといいですね。」

高瀬
「なかなか簡単には笑えないですよね。
でも、ソラさんに、誰に向けてマジックをするのか、なんのためにするのかということを学んだ夏だったんだなというのは伝わってきましたね。」

和久田
「凛さんは今、小学6年生ですが、中学生になっても、ソラさんと一緒にショーに出演したいということです。」
 

<関連リンク>
■特集ダイジェスト
「ここで草を刈り続ける理由」
「瀬戸内フェリー名物おでん“最後の夏”」
「子どもたちがプレハブに集まる理由」
「都心の“青空将棋” ひと夏のふれあい」
「夏点描 まだ知らない絶景を求めて」

Page Top