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2017年8月14日(月)

「奇跡」の古民家カフェ

三條
「先月(7月)の九州北部豪雨で大きな被害を受けた、大分県日田市。
山あいにある、およそ100世帯の鈴連町(すずれまち)は大規模な土砂崩れに襲われ、多くの家屋が損壊や浸水の被害を受けました。
その中で、奇跡的に難を逃れた1軒の建物があります。」
 

和久田
「それが、こちらです。
地域の住民たち自らの手で作り上げた『古民家カフェ』です。
実は、先月7日にオープンするはずでしたが、その直前に豪雨災害が起きたのです。
このカフェを復興のシンボルにしたいという住民たちの思いを取材しました。」

古民家カフェを復興のシンボルに

築83年の古民家。
柱や梁はそのままに、居間を改装して20席のカフェにしました。



 

昔ながらのかまどを移築して、地元でとれた米を炊き、厚揚げを使った郷土料理と、地元の新鮮な野菜をふんだんに盛り込んだ、ヘルシーな定食を提供します。
町の住民たちがいつでも集える場所にしようと、手作りで準備してきました。

きっかけは、5年前に鈴連町を襲った「九州北部豪雨」です。
この時も河川が氾濫して、橋が流失。
土砂崩れに民家が飲まれるなど、大きな被害を出しました。


 

そうした中、地域全体が手を携えて復興していこうと立ち上がったのが、住民グループ「すずれ元気村」です。



 

グループの代表、石井幹夫さんです。
自然豊かな環境にひかれて、10年前に福岡県から移住。
災害に襲われた第2のふるさとを支えたいと考えました。

すずれ元気村 代表 石井幹夫さん
「(みんな)非常に、不安の中で過ごしていたので、なんとかここで住民の人たちと一緒に元気になろうと。
バラバラになりそうなのをつなぎ止めたいと。」

地域の住民がいつでも集まって、楽しく過ごせる拠点を作りたい。
2年をかけて取り組んだのが、「古民家カフェ」でした。
ところが…。


 

オープンを翌日に控えた、先月6日。
再び町を土砂が襲いました。
被害は、5年前をはるかに上回る深刻なものでした。
石井さんの自宅にも大量の土砂が流れ込み、住むことが出来なくなりました。
しかしカフェは、目の前まで土砂が迫りながら、ほとんど被害を受けませんでした。

すずれ元気村 代表 石井幹夫さん
「ここのガラスが1枚割れただけ。
(被害が少なく)もう涙が出ました。
奇跡だと。」

 

先月30日。
石井さんの呼びかけで、豪雨の後初めて、運営メンバーが集まりました。
13人いるメンバーのうち5人は、自宅が全半壊。
仕事を失った人もいます。

すずれ元気村 代表 石井幹夫さん
「これから先、どうしていくか、方向性を少しずつ見つけていきたい。
きょうは屈託のない意見を、ぜひよろしくお願いします。」

メンバーからは、先行きが見えないことに、不安の声が上がりました。

「いま、それどころじゃないという気持ちもある。
全然、心の準備ができとらん。」

「ふるさとが変わってしもうた。
でも出て行くというと、さみしいし、ここが好きやから帰ってきますけど。」
 

それでも、カフェを大切に思う気持ちは変わっていませんでした。

「みんなで頑張って立ち上げたから、なんとかしたいなと。」

「継続していけば、また前みたいになるんだろうから。
規模を縮小してでも続けるということが大事じゃないかと思います。」

 

「やめてしもうたら、無くなってしまいますから。
まだみんな希望を捨てていないということ。
古民家カフェも残ったし、いつかは復活しよう。」

3日後。
自分にできることから始めようと、石井さんは畑に向かいました。
カフェのオープンに向けて栽培していたブルーベリー。
豪雨から手入れを出来ずにいましたが、きれいな実をつけていました。

すずれ元気村 代表 石井幹夫さん
「けっこう、よくできていると思います。
ジャムとかデザートで出せるように、加工したいと思います。」

カフェをオープンできる日まで、ブルーベリーは冷凍庫で保管します。

すずれ元気村 代表 石井幹夫さん
「ここが無事に残ったということは、ここを拠点に、何か活動しろというメッセージだと思うので、みんなが集えるように、復興の拠点になるように、なんとかこの光を灯し続けたい、正直、そう思っています。」

復興への“希望” 古民家カフェ

三條
「5年前に一度大きな被害を受けて、そして今回と。
一度だけでなく、二度も自分を鼓舞するというのは、肉体的にも精神的にも相当なエネルギーが必要になると思うんですよね。
それだけに、VTRで住民の方、カフェのことを『光』と表現していましたけれども、その『光』がともることを期待したいですね。
鈴連町は、少しずつ復興への歩みを始めています。
先週には、土砂崩れで寸断されていた県道に仮設道路が設置されまして、1か月ぶりに対面通行が可能になりました。」

和久田
「古民家カフェを運営するメンバーは、まずは生活の再建を進めた上で、再びオープンできるよう準備をしていきたいと話しています。」

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