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2017年5月20日(土)

“小中学生15人に1人!?”解明進む発達障害

小郷
「小中学生の15人に1人に、その可能性があるといわれるのが、発達障害です。
脳の発達が多くの人と異なることから、コミュニケーションが苦手だったり、落ち着きがなかったりなどと、周囲に受け止められることも少なくありません。」

二宮
「最新の研究から、発達障害の人の視覚や聴覚について、中には独特の感覚があるということが分かってきました。」

“小中学生の15人に1人” 解明すすむ発達障害

発達障害の人たちの視覚を研究する、大阪大学などの研究グループです。
発達障害の人たち22人に協力をあおぎ、日常風景の見え方の再現に取り組んでいます。

情報通信研究機構 長井志江主任研究員
「ご自身の過去の体験に一番近い強さになるよう、スライドバーを調節してください。」

「粒子はもっと小さいんですけど。」

1人1人によって、見え方が異なる風景。
わずかな光りでもまぶしく見える人。
動くものを見ると、光りの粒がちらついたり、色が失われたように感じたり、という人もいました。

「色とりどりの(光の粒子が)見えていて、暗い部屋で。
“何だろう、これは”って、ずっと子どもの時から思っていて、親とかに言っても“気のせいだよ”って、言われたり。」


 

証言をもとに、その見え方を再現したシミュレーターです。
発達障害の子どもを持つ親や、教師たちが体験しました。
昼間の商店街。


 

シミュレーターに映し出されたのは、明るいところが、よりまぶしく見える映像です。
歩いている人は、ぼやけて見えにくくなっていました。

発達障害の子を持つ親
「もしかしたら、こういうふうに見えているかもしれない。
ヒントをもらえたかなと。」


 

特別支援学校の教師
「突発的に行動をとるのが、こういう状況だからなんだと、かいま見ることができたかな。」


 

研究の中心となっている、長井志江(ながい・ゆきえ)さんです。
研究を通して、発達障害の人の支援につなげたいと考えています。

情報通信研究機構 長井志江主任研究員
「困りごとが理解できないと、どう支援をしたらいいのか分からない。
どう接していくべきか、考えるきっかけになればいい。」

海外では、発達障害の人たちが暮らしやすい環境を整えようという取り組みも始まっています。

こちらのショッピングモールでは、毎週土曜日の午前中に1時間、店内の照明や音楽を消して静かな環境を作っています。
「クワイエットアワー」と呼ばれています。
視覚や聴覚などが過敏な発達障害の人たちに配慮する取り組み。
今、イギリス各地に広がっています。

ショッピングモールのマネージャー
「本当にちょっとしたことで、買い物が大きく変わります。」



 

発達障害の子を持つ親
「今はリラックスして買い物できます。
これなら、いろんな商品を見にいけます。」


 

アメリカでは、発達障害の人を積極的に雇用しようという動きが広がっています。

ソフトウェアの開発を手がけるIT企業です。
4年前から、正社員として発達障害の人の採用を開始しました。
人と話すことが苦手な一方、根気がある人には、大量のメールに対応する仕事を。
集中力が続かないものの、ユニークな発想力を持つ人には新規事業のアイデアを発案する仕事を。
適材適所の採用を進めたことで現在、9か国のオフィスで116人が働いています。
給与は一般の社員と同じ水準です。

SAP社 最高執行責任者
「慈善事業ではありません。
彼らには独創的な発想や技術があります。」


 

この会社で3年前から働く、パトリックさん、31歳です。
対人関係を築くのが苦手な自閉スペクトラム症で、この会社に就職するまで、5年間にわたり、職探しを続けてきました。

パトリックさん
「なんとか就職したいと、何百もの会社に履歴書を送りました。
何がいけないのか、どうすればよいのか、両親に嘆きました。」

今、パトリックさんは、技術者たちのスケジュールを細かく管理する仕事を担っています。
1つ1つのことが気になり、こだわりすぎる面もあるパトリックさん。
会社は、その個性を前向きに捉えました。

上司
「彼の注意力を評価しましたが、見事に証明してくれました。」



 

短所と思っていたことが、強みだったと気づいたパトリックさん。
天職にめぐりあえたと感じています。

パトリックさん
「いまの仕事には満足しています。
正しい職業を選べました。
すばらしい仲間と一緒に、毎日仕事ができるのですから。」


 

二宮
「どう捉えるかで、こだわりすぎるところを、細かいところまで注意できる強み、力だと言われることで前向きにもなりますし、パトリックさんも仕事に対して誇りを持っているように感じましたね。」

小郷
「私自身も、まだまだ分かっていないことがたくさんあるんですけれども、周囲の人が少しでも理解が進めば、発達障害の人が暮らしやすくなりますよね。」

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