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2017年4月24日(月)

国会をもっと身近に! イメージUP作戦

和久田
「今日(24日)は、みんなが知っているけど、ちょっととっつきづらい『あの場所』についてです。」


 

「●●のイメージは?」

「一般の庶民からは遠い。」

「ネガティブなイメージ。」

それは、「国会」です。
今の憲法のもとで初めて国会が開かれてから、今年(2017年)でちょうど70年。
歴史ある本会議場も、自由に見学できるのですが。

「国会に行ってみたい?」

「一回も行ったことない。」

「自分で進んでは行かない。」

 

多くの人が遠い存在と感じている国会。
もっと身近なものにしようと、「イメージアップ作戦」が進んでいるんです。 

和久田
「国会議事堂の正面に来ました。
きちんと見学するのは、小学校の社会科見学以来かもしれません。
こうしてみると大きいですね。」

実は、憲法記念日の来月(5月)3日と翌日の4日は、普段の見学では見られない特別な場所が公開されます。
一足早く案内してもらいました。
まずは、こちらの部屋。

和久田
「思ったよりぎゅっとコンパクト。」

予算委員会など、重要な審議をする第一委員室。
最近では、篭池氏の証人喚問もこの場所で行われました。

和久田
「質問者と答弁者の席は、こんなに近いんですね。」
 

発言席と答弁席の距離は1メートルほど。

衆議院警務部 衛視長 井出憲治さん
「実際に答弁者と質問者が同時に立つことはないんですが、部屋自体が狭いので、近くにあります。」

 

続いては、高さ65メートルもある中央塔を真下から見ることができる「中央広間」。
こちらも特別公開です。
広間には4つの台座があり、歴史に名を残す政治家の銅像を間近に見ることができます。

自由民権運動を起こした板垣退助。
そして、初代総理大臣の伊藤博文と大隈重信。

和久田
「ひとつだけ台座が空いているのは、どうしてですか?」

 

衆議院警務部 衛視長 井出憲治さん
「諸説がありまして、“政治は未完成である”ことの象徴であったり、“後世の政治家の目標”として空けてあります。」


 

和久田
「あの台座は、ずっと空いたままなんですか?」

衆議院警務部 衛視長 井出憲治さん
「台座が埋まるときがありまして、国会の開会式の日に、大きな松の盆栽が置かれます。
これには、ここに偉大な政治家が立つのを待つ=松という意味合いが含まれているということです。」
 

高瀬
「国会中継などで一時は、ほぼ毎日のように私も通っていたんですけど、やっぱり何度行っても緊張感がありますよね、あそこは。
ただ、その国会が遠い存在になってしまっているというのは、残念なことですよね。」

和久田
「そこで、動き始めたのが国会の職員たちです。
国会は、ほかの省庁から独立した存在で、職員は独自に採用され、国会一筋で働くんです。
この職員たちが国会のことをもっと知ってもらおうと、情報発信を始めています。」

“動画で国会をPRせよ!” 職員たちの挑戦

まるで映画のような迫力のある動画。
これらの動画は、様々な部署の職員が自分たちで作ったものなんです。

こちらは、会議録を作成する記録部が作った動画。
独特な記号を用いる速記の技術を紹介しています。



 

情報発信の旗振り役は、この人。
衆議院の事務総長、向大野新治(むこおおの・しんじ)さん。
議長のそばで議会の進行を補佐する、事務方のトップです。
大学卒業後、衆議院の事務局に就職し、36年間、国会一筋に生きてきた向大野さん。
先輩から「国会職員は裏方に徹しろ」と教えられてきました。
しかし、事務総長に就任して3年。
国民との距離がだんだん遠くなっていると感じ、危機感を抱くようになりました。

衆議院 事務局 向大野新治事務総長
「(国民にとって国会は)遠い国の話みたいになっている。
そうじゃなくて、あなたの身近に国会はある。」

去年(2016年)6月、向大野さんはユーチューブに「事務局チャンネル」を立ち上げ各部署に、仕事ぶりを紹介する動画を作るよう呼びかけました。
国会の警備を担う衛視たち。

動画制作の責任者に抜てきされたのが、寺原正将(てらはら・まさゆき)さんです。
24時間、国会を守る衛視は1日2交代の厳しい勤務。
動画作りは、その合間を縫って行います。

衆議院警務部 衛視副長 寺原正将さん
「最初は不安があった。
やるからには、何かいい物を作り上げたい。」

ビデオを撮るのが趣味で、同僚の結婚式があると、よく動画を作成していた寺原さん。
この日狙うのは、週に一度の朝礼の様子。
衛視の仕事は時間厳守。

撮り直しはできないため、事前に入念なリハーサルを行います。
午前9時、衛視たちが集まってきました。
数少ないチャンス。
屋上からも狙います。
朝礼は5分あまりで終了。
 

「いい映像は撮れた?」

衆議院警務部 衛視副長 寺原正将さん
「撮れました。
上はどうでした?」

「きょうは天気よかったしバッチリ。」
 

他にも厳しい訓練や警備の様子など、様々な場面を撮りためてきました。

最も力をいれたのは、編集作業。
多くの人に見てもらうため、さまざまな会社のPRビデオを見て研究を重ねました。


 

半年かけて作り上げた動画がこちら。
衛視の多岐にわたる業務を、時間の経過に沿って描いていきます。

衆議院警務部 衛視副長 寺原正将さん
「私たちの仕事は、いろいろな種類の仕事がありまして、小さい子どもでも分かってもらえるように(作った)。
そういったところが伝わればと。」

外国人もウエルカム! 国会イメージUP作戦

さらに衆議院では、外国人向けの参観ツアーも始めました。
東京オリンピックの開催を控え、外国人の見学希望者が増えると考えたからです。

ガイドは、海外の要人を案内していたOBが担当。




 

将来の英語ガイドを目指し、研修中なのが、衛視の飯味広秋(いいみ・ひろあき)さん。
適切な言い回しを学びとろうと必死です。
これまで、ほとんど英語が話せなかった飯味さん。
国会前を警備中、外国人に質問されることが増え、英語力の必要性を痛感するようになったといいます。

衆議院警務部 衛視班長 飯味広秋さん
「この言い回しは、相手に失礼ではないかと気にしてしまう。
頑張っていこうと思っています。」

いよいよ飯味さんの出番。
この日は10人ほどの外国人が集まりました。

衆議院警務部 衛視班長 飯味広秋さん
「こちらは天皇陛下の部屋。
“御休所”です。
天井は“折上格天井”と呼ばれています。
二条城と同じ様式です。」
 

ポーランド人 参加者
「二条城と同じなの?」

衆議院警務部 衛視班長 飯味広秋さん
「そうです。
天井が同じです。」

衆議院では今後、英語以外の言語でも対応できる体制を作りたいと考えています。

ポーランド人 参観者
「すばらしい体験ができました。」

スウェーデン人 参観者
「ガイドに直接質問できるのは、とても良いシステムだと思います。」

国会をもっと身近に! イメージUP作戦

今の憲法のもと、歩み始めて70年目を迎える国会。
職員たちが自ら動き出すことで、少しずつイメージを変えようという努力が続いています。

衆議院 事務局 向大野新治事務総長
「憲法70年の式典もありますから、ああいうものもユーチューブに入れて、みなさんにどんどん発信して、国会に対する理解を深めてもらいたい。」


 

高瀬
「PR動画の衛視編、ちょっとかっこよすぎて、おもしろかったですね。」

和久田
「本当に完成度がすごかったですね。
事務総長の向大野さんは、動画や見学をきっかけに国会に興味を持つことで、そこで行われている議論そのものにも、ぜひ関心を持ってもらいたいと話していました。」