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2017年4月22日(土)

外国人が家事代行!?背景に何が…

先月(3月)、フィリピンから日本にやってきた25人の女性たち。
この春から、日本企業で社員として働きます。


 

彼女たちの仕事は、掃除や料理などの家事代行サービスです。

「お掃除道具は、どこにございますか。」




 

小郷
「家事代行サービス、私も関心があるんですけれども、外国人の方がされているんですね。」

二宮
「これまで、日本人の配偶者を持つ外国人などに限られていた家事代行サービスなんですが、この春から、地域を限定して、多くの外国人に認められるようになりました。
東京都、神奈川県、大阪市の3つです。
大都市で始まった新たな制度。
背景には、家事代行サービスの利用者の急速な拡大がありました。」

広がる家事代行サービス 人気の秘密は…

都内に住む、木口さん家族です。
夫婦に子ども2人、4人で暮らしています。



 

妻の麻美子(まみこ)さん。
共働きの家庭で、家事を一手に担ってきました。
その麻美子さんに変化が生じたのは、今年(2017年)1月。
会社で責任ある仕事を任されるようになったのです。
家事が大きな負担になっています。

木口麻美子さん
「片付けを始めて、お風呂に入ってというと、大体(深夜)2時くらいになってしまう。
時間を本当に、時間が欲しいっていう、今状態なので。」

そこで利用を始めたのが、家事代行サービスです。
仕事で家を空けている午後、カギを預かるスタッフがやってきました。
依頼したのは、水回りやフローリングの掃除。
隅々まで、徹底的に掃除してくれます。
料金は、3時間でおよそ1万円。
依頼すれば、料理や洗濯、子どもの送り迎えなども行ってくれます。
仕事を終えた麻美子さんが帰宅しました。

木口麻美子さん
「きれいになっている。
触れるという感じのきれいさ。」


 

麻美子さんは月に2回、定期的に利用しています。

木口麻美子さん
「すごく気持ち的に助かる。
ホテルの部屋に入った瞬間の『わーっ』という。
自分ちじゃないみたいな感覚が、家で味わえる。」

麻美子さんが利用している、家事代行サービスの会社です。
共働き世帯の増加に伴って、利用件数は、この5年で3倍に増えています。
その一方で深刻なのが、人材不足です。
需要の急増に人手が追いつかず、今年はじめには、一部のサービスを中止せざるを得ない事態に陥りました。

ベアーズ 髙橋ゆき副社長
「働き手の確保と(サービスの)提供を受けたいと思っている人のバランスが、確実に釣り合いがとれなくなっていく危機を感じている。」

外国人が家事代行!? 研修に密着

解禁された、外国人による家事代行サービス。
人手不足の解消策として期待が高まっています。

いち早く動き始めたのは、人材派遣大手の「パソナ」です。
去年(2016年)、フィリピンで25人を採用。
3か月かけ、現地で日本式の家事の研修を行ってきました。
日本に来てからは、家庭での実践的な研修が始まっています。

この日、研修を受けたのは、来日したばかりのペセブレさんです。




 

日本に住んで15年以上というフィリピン人、パクランさんが指導に当たります。
フィリピンで学んだ通りに仕上げた、ペセブレさん。
そこに、パクランさんから指導が。

パクラン・マリア・クリスティナさん
「ちゃんと隅の方まで磨いて。」

細かいところまで、気を配るよう求められました。

パクラン・マリア・クリスティナさん
「ほとんどのお客さんは家に帰ってきて、まず、角がきれいになっているかを見ます。」


 

ペセブレ・クリスティーンさん
「(これまでも)角には気をつけていましたが、日本はとても細かいです。
日本式のやり方を覚えないといけません。」

ペセブレさんは今、同僚5人とシェアハウスで暮らしています。
会社が彼女たちのために用意したものです。

ペセブレ・クリスティーンさん
「ここが私の部屋です。」



 

外国人の受け入れにあたり、国は会社に厳しい基準を課しました。
賃金は、日本人と同じ水準を求めています。
外国人を安い賃金で、劣悪な環境のもと働かせることがないようにするためです。

ペセブレ・クリスティーンさん
「『キッチン』は日本語で?」

ペセブレさんの同僚
「台所!」

 

一方で、今回の制度では、滞在できる期間は3年に限られています。
日本で働き続けたいと思っても、3年後には帰国しなければなりません。

ペセブレ・クリスティーンさん
「日本語を理解したり、勉強するのは大変ですが、日本での生活は楽しいです。
できればもっと長く働ければいいと思っています。」

外国人が家事代行!? 背景に何が…

小郷
「すごくしっかりと研修されていて、安心して頼めそうでしたけれども、せっかく身に付けた技術も3年たったら帰ってしまわないといけないと思うと、ちょっともったいない気もしますよね。」

二宮
「取材にあたった経済部の吉武記者です。
その3年という期限を設けた理由というのは、どういったところにあるんですか?」

吉武洋輔記者(経済部)
「今回の取り組みは、あくまで地域や期間を限定する『特区』という位置づけですので、まずは3年だけにしたということです。
日本では、外国人労働者の受け入れに対しては、依然として慎重な意見も根強いため、滞在できる期間を限定したという事情があるんです。」

小郷
「このサービス、働きたいけど、家事や子育てでなかなか大変という女性にとっては、外に出て働くきっかけにもなりそうですよね。」

吉武記者
「そうなんです。
政府の狙いも、そこにあります。
今、日本は人手不足が深刻なので、そこに女性の社会進出を促そうというわけなんです。
ただ、産業界からは、それでもまだ人材は足りないとして、外国人労働者をもっと受け入れるべきではないかという声もあるんです。
このため政府は、外国人が働ける分野をもう少し広げられないかとか、滞在できる期間を長くできないかという検討をしているんです。
その試金石としても、今回の家事代行サービスがどれだけ受け入れられていくかという点は注目されると思います。」

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