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2017年4月19日(水)

ピカピカの1年生 勉強するのは…?

高瀬
「4月に入り、大きなランドセルを背負った新1年生の初々しい姿を目にする方も多いのではないでしょうか?
小学校に入学する前に揃えていたものといえば、その『ランドセル』と『学習机』ですよね。
懐かしいですね、自分の城を持ったような気持ちになったことを覚えています。
ただ、この学習机の売り上げが減少しているんです。
少子化の影響だけというわけではありません。

小学校に入学する時に学習机を購入する割合年々減っていて、今では2人に1人以下になっています。
では、子どもたちはどうやって勉強しているのでしょうか?」

ピカピカの1年生 勉強するのは…?

リポート:中川早織(報道局)

今月(4月)、小学校に入学したばかりの女の子。
勉強道具を広げるのは、学習机ではありません。
家族が食事をするキッチンのカウンターです。

北田真理さん
「トンボの赤ちゃんは?」

「ヤゴ。」

母親の北田真理さんは、大学の講師としてフルタイムで働いています。
子どもとの時間は限られているため、リビングの一角で勉強させることにしたのです。
壁に貼れるホワイトボードも準備。

北田真理さん
「『う』って書いてみて。
これから習うと思うけど、点が先だと思う。」

「書き順、違ってもいいでしょう。」

北田真理さん
「書き順は守らなきゃだめだよ。」

北田真理さん
「働いている親にとっては時間がないので、夕方の6時から7時半までの時間を、家事・食事の支度をしながら子どもとコミュニケーションが取れる。
リビング学習は効率的だと思う。」

今、リビングで学習するという家庭が増えています。
新1年生の親に聞いてみると…。

母親
「リビングでしています。
まだ1年生で親が見ないといけないことも多いので。」

母親
「上の子も5年生ですが最初から(学習机を)買っていないですし、この子もお兄ちゃんの横で一緒に勉強しているので。
もうずっと買わないかもしれないです。」

大手教育研究所が調査したところ、小学4年生で9割近く、中学2年生でも6割以上がリビングで学習。

背景には、共働き家庭の増加に加え、親子の関係が密になっていることがあると専門家は分析しています。

ベネッセ教育総合研究所 邵勤風室長
「保護者の子どもの教育に対する関心が高まって全体の関わりも増えている。
できれば子どもが勉強をどういうふうにやっているのかとか、自分が見えるところで把握したいということもある。」

温度計に万年カレンダー 学習机 懐かしの歴史

学習机が登場したのは今からおよそ60年前、高度経済成長期でした。
住宅の欧米化が進み、子ども専用の部屋ができ、そこに学習用の机を置くようになったのです。
こちらは、1962年に登場した初代の学習机です。

オフィス用の机を、高さが調節できるようにして子ども向けに売り出しました。
その後、学習机は新入学のお祝いに欠かせないものとして定着。




1970年代には、棚やラックにさまざまな機能が付いた「デラックス机」が主流に。
「温度計」、「万年カレンダー」に電動鉛筆削り用のコンセントまで。
各メーカーはこうした付属品を競って取り付けました。
その後80年代になると、子どもの好きなキャラクターをあしらったものが人気に。
さらに、90年代後半には、パソコンに対応したものも!

しかしリビング学習の広がりで、こうした学習机の売り上げが伸び悩んでいるんです。




 

イトーキ ホーム家具営業部 庄司善博さん
「購入率が減っていまして、いまは(新入学児童の)半分切るぐらいの数字になっている。
非常に厳しい状態ではある。」

“1年生になったら” 憧れの学習机はいま…

こうした中、今、机メーカーが力を入れているのがリビングにも置ける学習机です。

こちらは奥行きが45センチと従来のものより狭く、場所を取りません。





こちらの机は家事の合間に親が机の横に座り、勉強を教えられるスペースを設けました。
一方、学習机を買わない人向けには、まずは学用品が収まるラックを買ってもらい、必要になってから机や引き出し棚を買い足しできるという「バラ売り」作戦もあります。

学習机 おしゃれにコンパクトに

リビング用の学習机を利用している、吉野則子さんのお宅です。

余分なものが一切ないシンプルな学習机。
テーブルやテレビ台など、ほかの家具と同じ色合いや材質でリビングの一部として溶け込むようできています。
小学3年生の長女・弘子ちゃんです。
学校から帰ると、算数の勉強を始めました。
則子さんと1歳の息子と一緒に、目の届く中で勉強を見てあげられます。

長女 弘子ちゃん
「21?」

吉野則子さん
「正解!」

「どういうところがいい?」

長女 弘子ちゃん
「お母さんにすぐ聞けること。」

則子さんにとって、勉強の合間に学校の様子を聞けることもメリットです。

吉野則子さん
「きょう学校どうだった?」

長女 弘子ちゃん
「楽しかったよ。」

吉野則子さん
「3年生になって友達できた?」

長女 弘子ちゃん
「うん。」

吉野則子さん
「よかったね。」

吉野則子さん
「本を読む時間も、勉強する時間も一緒に過ごす。
同じ時間を共有することで、本当に活発に元気に育っていけばなと思います。」

広がるリビング学習 変わる学習机

高瀬
「学習机と共に自分は大きくなっていったんだなという気持ちになりましたね。」

中川早織記者(報道局)
「私もここまで変わっているとは驚きでした。
実際に学習机のフェアへ取材に行ったのですが、今の机メーカーの主流というのが、リビングにも置けるコンパクトでシンプルな机なんです。
かつての付属品がたくさんついた豪華な机は見られませんでした。」

和久田
「一方で、子どもたちにとっては、リビングで学習することで成績アップにつながるなんてことはあるんでしょうか?」

中川記者
「専門家に聞いてみると、『リビング学習そのもので学力が向上するのではなく、そこで親が子どもと会話をして状況を把握したり、勉強を教えたりすることが、結果的に学力向上につながることもあるのではないか』と話していました。

また、親の立場からすると、子どもも携帯やスマートフォンを持つようになり、個室に入ってしまうと、友人関係や学校での様子がわかりにくいという不安もあります。
リビングに机があれば、自然と子どもの様子がわかるという安心感もあるのではないかと感じました。」

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