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2017年4月3日(月)

いま注目! “雇われない働き方”

高瀬
「今日(3日)は、最近注目されている、ある働き方について、お伝えしていきます。
こちらの『フリーランス』。
特定の企業などから“雇われないで働くこと”を指します。
先週、発表された最新の推計では、国内でフリーランスとして働く人は、副業を含めて1,122万人、過去最多となりました。

フリーランスといいますと、『カメラマン』や『プログラマー』など、一部の専門性の高い仕事が思い浮かぶかと思いますが、最近は『営業』や『企画』、さらには『家事の代行』まで、その仕事のすそ野が広がっているんです。

 

アルバイトと何が違うのかということなんですが、企業との雇用契約というのはありません。
働く時間や働く場所は多くの場合、指定がなく、自由。
報酬は、日給や時給ではなく、請け負った仕事ごとに、成果に対して支払われるのが基本でして、高収入をあげる人もいます。
急速に広がるフリーランスの実態を取材しました。」

広がる「フリーランス」 収入アップ!すきま時間活用も

リポート:影圭太記者(報道局)

影圭太記者(報道局)
「東京都内のイベントに集まった300人。
『フリーランス』として働く人たちです。」


 

先週、人材の仲介サイトを運営する企業が開いた授賞式。
表彰されたのは、この1年、フリーランスとして活躍した人たちです。

その1人、札幌市のウェブデザイナー、日景(ひかげ)ひとみさんです。




 

日景さんの仕事は、企業のホームページやロゴをデザインすること。
東京のデザイン会社に10年勤めた後、フリーランスとなり、3年前、札幌に移住しました。
高いスキルと丁寧な仕事ぶりが評価され、月に40件を超える仕事が舞い込みます。
会社時代と比べ、仕事の時間は大幅に減りましたが、収入は1.5倍に増えました。
自分の腕1つで、稼げる今の暮らしに満足しています。

フリーランスとして働く 日景ひとみさん
「プライベートと仕事の時間の裁量権が自分にある。
自分で選んで、納得して行動できると、フリーランスになって強く実感した。」

 

フリーランスとして働く人たちのすそ野は広がりを見せています。

愛知県に住む、29歳の女性です。
メーカーの営業の仕事をしていましたが、結婚を機に退職。
今は子どもの世話をしながら、空き時間を使って、在宅で働いています。


 

仕事探しに使うのは、フリーランス向けの仲介サイトです。
「社内のWEBシステムの改修」の報酬は、最大10万円。
「学校や寮の献立作り」は、最大20万円。
「花見の場所取り」は、最大で1万円。
140の分野で、数万件の仕事が掲載されています。

「価格や時間、納期が(条件に)あいそうなら応募する。」

この日、請け負ったのは、ある企業の営業用の資料作り。
特別な知識や技能が無くてもできる仕事です。

「先ほどお送りいただいたSNSのサービス資料を見ているんですけど。」

疑問点は、電話で確認しながら進めます。


 

ある1週間のスケジュールです。
オレンジ色の部分がフリーランスとして働いた時間。
育児や家事のすきまの時間を使って、月に20件ほどの仕事を請け負い、毎月10万円以上の収入を得ています。

「(育児と)両立できる働き方がないか、ずっと探していた。
子どもの顔見ながら仕事もできてっていうのは安心。」

広がる「フリーランス」 活用する企業は

フリーランスの存在は、企業にもメリットをもたらしています。

170人が働く、ITベンチャー企業です。
サイトの運営などを手がける部署では、かつて長時間労働が日常化して、高い離職率に悩んできました。
そこで2年前、業務を全面的に見直しました。

 

「顧客訪問」や「新規事業の開発」など、顧客と直接関わる専門性の高い業務を残し、それ以外の「資料作り」や「リサーチ」などの補助的な業務はすべて、フリーランスへ委託することにしたのです。
例えば、以前は社員が残業して作成していた営業用の資料。

今では、社員は資料に載せたい内容を簡単なメモにまとめるだけです。




 

フリーランスの人が、このメモを元にレイアウトを整え、内容が一目で分かる資料を完成させます。
フリーランスの活用から2年。
この部署の社員の残業はほぼ無くなりました。
一方で、売り上げは5倍近くも伸びました。
 

ガイアックス 管大輔事業部長
「社員にコアの業務を集中させて、それ以外をプロに依頼する形の方が、結果的に事業も伸びたり、社員の満足度も上がる事例がもっと出てくる。」

 

私たちの社会に、急速に普及するフリーランス。
しかし、落とし穴もあります。

フリーランスの実態を把握しようと国が開いた有識者会議。
副業として、フリーランスの仕事を始めた女性が、かつての苦い経験を話しました。

「月8日の休みをほとんどあてて仕事したが、月の収入3,000円程度。
これでは生活の糧にはならない。」

女性が担当したのは、カード会社のデータ入力。
雇用契約がないフリーランスには最低賃金が適用されず、作業が長引くと時間当たりの報酬が低くなってしまうのです。

今年(2017年)、フリーランスの人たちが設立した協会には、全国からさまざまな不安の声が相次いで寄せられています。
「発注先から報酬が支払われない」、「社会的信用が低いため、ローンが組みにくい」。
フリーランスのすそ野が広がる中、今後、協会では、国に労働環境の整備を働きかけることにしています。

フリーランス協会 代表理事 平田麻莉さん
「フリーになりたい方は確実に増えているし、可能な社会になっているので、実態にあわせて、不必要な不利益や不公平がないようにしたい。」

「フリーランス」 今後も増える?

和久田
「取材にあたった報道局の影記者とお伝えします。
インターネットで手軽に仕事を選んで、収入を得られる。
このフリーランス、今後も広がっていきそうですね。」

影圭太記者(報道局)
「自分のペースで、より自由に働いていきたいという働き手側と、人件費やコストをなるべく抑えたいという企業の思惑が重なって、増えていっているという面があります。
日本国内で1,100万人を超えたという推計が出ましたが、これは働く人の6人に1人にあたる数です。
アメリカではもっと拡大していまして、すでに5,500万人、働く人の3人に1人にあたる数まで増えたという推計も出ています。
業種もさまざまなものに広がっていまして、日本でも今後、さらに広がっていくというふうに予想されているんです。」

「フリーランス」 可能性とリスク

高瀬
「VTRにもありましたけれども、ひと口にフリーランスと言っても、うまくいっている人、それから、なかなかうまくいかない人が出てきそうですね。」

影記者
「特別な能力・スキルを持った人の中には、年収1,000万円を超えるような人も出ていまして、能力次第で収入を上げていけるというメリットもあります。
ただ、その反面、スキル不足などもあって、期待していたほどの収入を得られずに、生活に支障が出始めているという人も出ています。
職種のすそ野が広がって、ある意味で多くの人が気軽に参入できるようになっていることもあって、後になってリスクに気付いたという人も少なくないと思います。
フリーランスという働き方が急速に広がる中で、こうした人たちの労働環境をどう整備していくのかというのは、国も課題の1つに位置づけています。
今後、法制度のあり方も含めて、検討が始まることになっています。」

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