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2017年3月17日(金)

広がる仮想通貨 そのメリットは

レストランで、ほおばるピザ。
そして、すし屋のマグロ。
支払っているのは、実は現金ではなく、すべて仮想のお金なんです。
今、急速に広がる「仮想通貨」。
今日(17日)はその最前線に迫ります。
 

阿部
「ここからは、経済部の山田記者とともにお伝えします。
『仮想通貨』ですが、スマートフォンやカードでよく使われている『電子マネー』と、どう違うんでしょうか?」

山田裕規記者(経済部)
「おなじみの『電子マネー』は、現金をチャージして使いますよね。
本当のお金を、そのまま電子化しているんです。
一方、仮想通貨は通常の通貨とは別のものです。


スマホを通じて、円などの現金と交換して手に入れるんですが、人気があったりなかったりで価値が上下します。
その価値を認め合った人たちの間でネット上でやり取りされ、本当のお金のように扱われているものなんです。」

和久田
「これが、どうして広がっているんでしょうか?」

山田記者
「ネット上の決済や、国際的な送金のニーズが高まっていることが背景にあります。

銀行などを通じて送金をすると、手数料や時間がかかりますが…。





仮想通貨ではインターネットを通じて、安く、早くできるということで利用者が増えているんです。





仮想通貨の代表格『ビットコイン』が使える店は、国内でおよそ6,000か所といわれています。
最近では、電気料金や不動産関係の支払いにも使えるようになり始めています。」

阿部
「利用が広がる仮想通貨。
どのように使われているのでしょうか。」

広がる仮想通貨 そのメリットは…

2年前から仮想通貨のビットコインを利用している、ライターの、かさはらよしこさんです。
スマホ1つで使える手軽さから、飲食店での支払いをはじめ、さまざまな場面で活用しています。

フリーライター かさはらよしこさん
「2万円とかは、アマゾンギフト券買うのに使った。」

この日は、海外に住む友人から受け取った商品の代金を支払うことにしました。

送金にかかった手数料は、92円。
このように、送金が安くできることが仮想通貨のメリットだといいます。

フリーライター かさはらよしこさん
「わりと気軽に送金できるかなと。
国際送金となると、銀行で送った場合は何千円とかになる。」

利用者が増えつづけるビットコイン。
誕生からわずか8年、市場規模は2兆円に達しているとされています。

ビットコイン以外の新たな仮想通貨も次々と誕生、競争が激化しています。

銀行までもが仮想通貨を開発

この状況に危機感を強めているのが、銀行です。
銀行を介さない取引が広がることで、存在を脅かされるからです。

そこで、国内最大手のこの銀行が取った戦略は、みずから仮想通貨を開発することでした。
1年後の実用化を目指しています。




この銀行の仮想通貨の最大の特徴は、常に1コインを1円に固定していることです。
送金や決済が、安く早くできる利点を残しつつ、利用者の安心感も得ようという狙いです。
仮想通貨の時代が迫る中、独自の通貨で顧客を囲い込み、生き残りを目指します。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ 村林聡執行役専務
「全部そっち(仮想通貨)に持って行かれる懸念がある。
われわれの信用を礎にして、デジタル通貨を出して社会の変革に歩調を合わせる。」

銀行までもが仮想通貨を開発

阿部
「メガバンクが仮想通貨の開発に乗り出すというのは、危機感があるということですね。」

山田記者
「銀行にとっては、仮想通貨にすると送金などで得られる手数料は減る形になりますが、コスト自体も減りますし、別の仮想通貨に取り引きを持っていかれるぐらいなら、自ら作って顧客を囲い込んでしまおうというわけなんです。」

和久田
「一方で、仮想通貨の特性を地域の活性化に生かそうという動きも出始めています。」

仮想通貨を地域活性に生かせ!

東京・赤坂にあるITベンチャー企業です。
地域への貢献を高めようと今取り組んでいるのが、地域版の「仮想通貨」の開発です。

これまで、社員はコンビニや大手外食チェーンなどを頻繁に利用していました。
そこで会社は。社員に福利厚生の一環として、使える地域を赤坂に限定した仮想通貨を配ります。
地元での消費を促すのが狙いです。


ITベンチャー企業 仲津正朗社長
「地元の加盟店でしか使えない電子通貨を入れること。
囲い込み効果が強化されて、地元の地域経済の活性化につながると。」


 

今月(3月)、地元の飲食店の協力を得て、仮想通貨の運用を始めました。
店側は、タブレット端末1つで支払いを受けられ、新たな顧客の獲得につながります。

店員
「タッチパネルで簡単なので、誰でも使える。
赤坂だけの通貨ということなので、ほかに行ってしまうお客さんも、こちらの商店街に来て頂けることによってドンドン盛り上がっていけるのかなと思う。」

仮想通貨で、低迷した地域経済を立て直そうという挑戦も始まっています。
福島県の会津若松市です。

中心部にある商店街の活気とともに住民のつながりも薄れ、深刻な課題となっています。
その対策として去年6月、地元の会津大学が企業や行政を巻き込んで、“会津版・仮想通貨”のプロジェクトチームを立ち上げました。



最大の特徴は、「雪かき」や「ゴミ拾い」といった地域に役立つ活動をした人に、仮想通貨を発行することです。
地域に貢献する活動を促し、地元の消費にも結びつけることで、住民のつながりが地域のにぎわいを取り戻そうという試みです。



プロジェクトチームは、地元のアニメイベントで実証実験を行いました。
地域との触れあいを促すため、来場者や地元の人が交流のあかしとしてスマホを近づけ合うと、それぞれに仮想通貨が発行されます。




獲得した通貨は、飲食の支払いや福引きなどに利用できます。
通貨を利用した人は500人を超え、大きな手応えを得ました。

来場者
「人とのつながりでお金が生まれるのは、おもしろい試みだと思う。」

プロジェクトチームでは、今後も実証実験を重ねて、地域やイベントを盛り上げる“会津版”仮想通貨の実用化を目指します。

会津大学 藤井靖史准教授
「地域に大事なものを価値としてポイントづけすることによって、それをみんなが大事にしたり、そういう活動を促したりできるのはいいなと。
ちゃんと効果が発揮される、証明できるというのが次のステップかなと思う。」

“仮想通貨”リスクも

阿部
「こうした、地域で使えるチケットのようなものは、以前からありましたよね?」

山田記者
「今回は、電子化し、仮想通貨として利便性をいかした新たな形のものなんです。
今、島根や岐阜でも導入を目指す動きがあるんです。」

和久田
「ただ、『仮想通貨』というと、日本の取引所で大量のビットコインが消えた事件もありましたよね。
不安に思う方もいるんじゃないでしょうか?」

山田記者
「意識しておかないといけないリスクですが、まず、ビットコインなど主な仮想通貨は価値が変動するということです。
そしてもう1つ、最近は仮想通貨の購入をめぐるトラブルが急増しているんです。
例えば、『ある仮想通貨を“確実に値上がりする”と言われて購入したが、あとになって換金に応じてもらえない』といったケースで、こうしたトラブルの相談は、国民生活センターによりますと今年度は700件近くに上っているということなんです。
仮想通貨は何にどう使うのか、十分な注意や検討が必要です。」

和久田
「そうした注意は必要ですが、これから仮想通貨の普及の流れは続きそうですね。」

山田記者
「日本では、この春には、利用者を保護するための新たな法律も施行され、今年は『仮想通貨元年』とも言われています。
新たな可能性とリスク、その両面で今後も目が離せないと思います。」

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