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2017年2月26日(日)

さいたまでヨーロッパ野菜!

牛田
「今回の旬・体感、テーマは、日本では、なかなか手に入らないヨーロッパ生まれの野菜たちです。
こちらに用意しました。
カラフルな野菜。
 

変わった形のものもありますけれども、中でも、こちらのにんじん。
とても甘みが強くて、おいしいんです。



 

その隣にありますのが、カリフラワーの仲間のロマネスコという野菜です。



 

そして、こちらは、カーリーケールといいまして、ケールの仲間なんです。
全然クセがなくて、サラダなどでおいしく食べられます。
これは、すべて、さいたま市内で作られたものなんです。

 

作っているのは、『さいたまヨーロッパ野菜研究会』のみなさんです。
通称“ヨロ研”と呼ばれています。
市内の若手農家やレストランなどが協力して、本場の新鮮な野菜を提供しようと、4年前に発足しました。
今では、首都圏の1,000軒以上のレストランに出荷されるまでに拡大しています。
今、注目を集めるヨーロッパ野菜の生産者を訪ねました。」

さいたま“ヨロ研”発 ヨーロッパ野菜!

都心から車でおよそ1時間。
田園地帯が広がる、さいたま市・岩槻区です。

小澤祥記さん(おざわ・よしのり)、38歳。
ヨロ研の生産者グループのリーダーです。

牛田
「今何を育てているんですか?」

 

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「カーボロネロという野菜。」

牛田
「結構、厚みがしっかり。」

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「触った感じは、日本のキャベツとは全然違う。」

日本のキャベツのように丸まらず、葉っぱが縮れているのが特徴です。
収穫は1枚1枚、外側の葉をむいて行います。

牛田
「珍しく、うまく収穫できました。」



 

こちらの畑で作られていたのは、地中海沿岸が原産の野菜、ゴルゴ。
ビーツの仲間です。
特徴はというと…。

寒さでゆっくり成長する冬、渦巻き模様が最もくっきり出るそうです。

牛田
「しっかり固い。
甘い、甘い。」

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「不安ですね。
切るまで渦が出るかわからない。」

日本とは気候や風土が異なる、ヨーロッパの野菜。
栽培には、さまざまな工夫があります。

冬は、湿度の高い地中海沿岸。
畑には、ビニールをはって、土の湿気を保ちます。



 

さらに、ハウスのネットは二重です。

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「ビニールでトンネルして、中に薄布をかけて、寒さから。」

牛田
「二重に守られて。」
 

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「過保護な。
もみ殻をかけることで、土の乾きを防止する。」


 

栽培を始めて4年。
今も試行錯誤を繰り返しながら、野菜を育てています。

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「栽培指南みたいなものがないので、教本みたいなのが。
自分で勉強したり、似た作物の栽培方法を学んで、取り入れたりしています。」

小澤さんの家は、江戸時代から300年以上続く農家です。
大学を卒業後、都内で建設関係の仕事をしてきた小澤さん。

8年前、父・茂さんが、がんを患ったことをきっかけに、農家をつぐことを決意しました。
年々、周囲の農家が少なくなっていく中、付加価値の高い農業を目指して、ヨーロッパ野菜の栽培に乗り出したのです。
ところが、ネギひと筋で家族を養ってきた茂さんの反応は、意外なものでした。

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「“こんなもの売れないからやめておけ”。
“こんなの市場に持って行っても売れない”。」

ヨーロッパ野菜を作り始めた、その年に他界。
できた野菜を食べてもらう願いはかないませんでした。

牛田
「頑張っている姿を(見てほしかった)?」

“ヨロ研”生産者リーダー 小澤祥記さん
「(父は)頑張ってるって認めない。
今もたぶん認めてない。
1年目の野菜はひどくて見せられない。」

 

週に3回、ヨロ研メンバーは作った野菜を持ち寄り、共同で出荷作業を行っています。
手探りで始めたヨーロッパ野菜作り。
支えてくれたのは、同世代の農家たちでした。
仲間うちで栽培方法の研究を重ね、情報を共有してきました。

牛田
「それは何ですか?」

ヨロ研メンバー
「“カラフルほうれん草”みたいな。
初めて農家って楽しいんだなって、(野菜を)作る楽しみができましたね。」

 

牛田
「活気がありますか?」

ヨロ研メンバー
「みんな協力してやっているから、仲よいし、みんな言いたいこと言い合っているから、仕事の関係でもうまくいっている。」

そして去年(2016年)4月、農業法人を立ち上げるまでになったのです。
最近、ヨロ研に新しく加わったメンバーがいます。

金子悦久さん、34歳です。




 

妻のいず美さんと共に、連日畑に出ています。
しかし、あのカーボロネロの黒キャベツは…。



 

金子悦久さん
「ヒヨドリに食べられた。」



 

畑に植えた9割が、鳥に食べられてしまいました。

セイヨウネギのリーキ。
こちらも成長不足で売り物にはなりませんでした。

牛田
「出荷はできるんですか?」

金子悦久さん
「これはまだ出荷できないですね。
自信を持って今の時期、収穫を目指して、計画立てて育てたんですけど、やっぱり難しい。」

新しい野菜作りに挑戦する夫を、妻のいず美さんが支えます。

食卓には、出荷できないセイヨウネギでつくったバターソテーやグラタンが並びます。

牛田
「奥さん料理上手ですね。
ふだん“おいしい”って言ってます?」

金子悦久さん
「毎日言ってます。」

妻 いず美さん
「たまに。」

金子悦久さん
「ひとりでは(農作業)できない時もあるので、ほとんど2人でひとり。
本当にありがたい。」

メンバーたちは、新たな販路拡大にも乗り出しています。

この日、出向いたのは、県内のソバ屋さんたちが集まるイベント。
自分の野菜は持ち込めなかった金子さん。
それでもPR役をかって出ます。

金子悦久さん
「チーマディラーパと品種がちょっと違う、フリアリエッリという品種。
ニンニクとオリーブオイルと黒こしょうで炒めると非常においしい。」
 

 

会場では、先輩たちの野菜で作った天ぷらが大好評。




 

「(そばに)天ぷらっていうのはつきものなので、取り上げやすいと思いますよね。」

「甘い、おいしい。」


 

予想以上の評価に、金子さんも期待がふくらみました。

金子悦久さん
「ことしはダメでも来年があるので、来年のために、できることをやろうと思っています。」


 

さいたまヨーロッパ野菜。
新しい農業に挑む若手生産者たちの思いを乗せて、今日も街へと運ばれます。
 

近田
「本当にいろんな種類があるんですね。
1つも見事に知らなかったです。」

牛田
「すごく、おいしかったです。
さいたまヨーロッパ野菜研究会は先日、外食業界の発展に貢献した人や団体を選ぶ『外食アワード2016』で、特別賞を受賞しました。
今後、ますます注目です。」

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