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2016年10月21日(金)

“スマホ世代”の読書は

阿部
「来週27日からは、読書週間です。
『読書の秋』、和久田さんは読書していますか?」

和久田
「私、ふだんからカバンの中に文庫本を入れて、小説を読んでいますよ。」

阿部
「そういう人もいると思いますが、実は文化庁の調査では、日本人のおよそ2人に1人が1か月に1冊も本を読んでいないんです。」

和久田
「その要因に、スマートフォンなど情報端末の普及があります。
スマホを使いこなす若い世代と読書について取材しました。」

“スマホ世代” 読書は…

都内の私立大学です。
スマホ世代の大学3~4年生に集まってもらいました。



 

「最近、本を読む時間が少なくなった?」
 

大学生
「読書というよりも、ネットで情報収集できるので、そちらに頼ってしまうほうが多い。」

大学生
「インターネットで調べてから興味のあるものを読むようにしている。
たくさん読んでいるというのではなくて、絞って読んでいる。」

 

学生に聞いていくと、情報を仕入れる手段にはスマートフォンが便利で、本は後回しになっている実態が分かりました。
大学の中には、そうした効率を優先する若者の現状を懸念する声が高まっています。

明治大学でアジア史が専門の、鳥居高(とりい・たかし)教授です。
読書は時間がかかり、一見むだに思えるかもしれないが、ものの見方や考え方を知る上で欠かせないといいます。



 

明治大学 商学部 鳥居高教授
「いちばん身近な新しい情報や知識、いま自分はこれが知りたいというものを、一直線でスマートフォンではいくことができる。
本というのは選択肢を増やす、非常に有効。
時間はかかるけれども有効な手段。
いろんなものに触れてほしい。」

鳥居教授は、学生たちが本に興味を持つきっかけ作りに努めています。

この日、紹介したのは、16世紀に来日したポルトガル人宣教師のルイス・フロイスが書いた本。
本には、織田信長の記述に加えて、当時の日本人の暮らしや食事が細かく書かれています。
鳥居教授は、本でしか得られない知識の幅の広がりがあることを語りました。
 

明治大学 商学部 鳥居高教授
「16世紀の日本人はこういうふうに暮らしていたのか、あるいは16世紀の仏教とキリスト教の関係とか、いろいろな意味で広がりがでるので、ぜひこういうのは図書館に行かないと読めない。
ネットでは全文は読めない。」

大学生
「自分は絶体経験できない過去のことを、昔の人の目線であってもそういうのを知れるというのは、ちょっと興味が湧きました。」

社員に読書週間を 企業の取り組み

本を読む環境を整えて、社員に読書を促す会社も現れています。
60人が働く調味料メーカーです。




社長の西村圭司(にしむら・けいじ)さん。
社員に本を読んでもらうことで、ものの考え方を身につけてもらおうと考えました。

調味料メーカー 西村圭司社長
「ここは社員が自由に本を借りていける場所。
仕事帰りによく本を選んで、みんな帰っている。」

社内の至る所に、本棚を設置。
食品関係の本やビジネス書に加え、小説やマンガなど、蔵書は500冊を超えます。 

調味料メーカー 西村圭司社長
「これが『読んだらスグ書く』レポート。」



 

さらに、本の感想などを書いて提出する仕組みも考えました。
1冊につき1,000円の「読書手当」が支給されます。

営業部に勤める、入社5年目、長岡恵莉(ながおか・えり)さんです。
会社に入るまでは読書と無縁の生活でした。



 

長岡恵莉さん
「すごい会社に入ってしまったなと思って。
しんどかった。」


 

1年目は7冊。
翌年は19冊。
次第に、いろいろなことを知りたいという欲求が芽生えていきました。

長岡さん、仕事の帰りに本屋に立ち寄るのが楽しみになりました。




 

長岡恵莉さん
「(現在は)戦争ものに興味があるので。
学生のころには想像していなかった、いまの姿だと思う。」

今、長岡さんは、本から得た知識をまとめて同僚に役立ててもらおうとしています。

旬の食材や食文化などをまとめた冊子。
営業担当が取引先との商談に使うようになっています。

長岡恵莉さん
「これがあるから営業に行きやすいと言ってくれて、すごくありがたいと思う。」



 

調味料メーカー 西村圭司社長
「読書するようになって、社員の底力が上がったと思う。
たくさん本を読むことによって、ちょっと自信がついた顔に変わってきた。
本を読むことで、非常にアクティブ(活動的)になったのではないかと思う。」