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2016年8月27日(土)

夏点描 夏限定 町の手作りお化け屋敷

小郷
「各地の夏の表情をシリーズでお伝えしている『夏点描』。
今日(27日)の舞台は、過疎の町で夏限定で行われる、お化け屋敷です。」

 

近田
「若者たちによる、手作りのお化け屋敷。
そこに込められた思いを見つめました。」

真夏の2日間限定 ふるさとのお化け屋敷

リポート:岩男健太郎(NHK鹿児島)

響きわたる、子どもたちの悲鳴。
夏の2日間だけお目見えする、お化け屋敷です。



 

鹿児島県の南大隅町です。
10年前、1万人近くいた町の人口は、現在7,800人。
過疎化とともに少子化が進み、ここ数年、小中学校の廃校が相次いでいます。

この町に、夏の風物詩を作りたい。
若者たちが集まり、廃校を利用して、去年(2015年)から始めたのが、お化け屋敷です。
メンバーは、保育士や町役場の職員など、18人。
ほとんどが、20代前半です。
仕事の合間に準備を進めてきました。
 

リーダーの大竹野佑介(おおたけの・ゆうすけ)さん、28歳です。
町の社会福祉協議会で働く、大竹野さん。
過疎化の進む町でも、子どもたちに夏の思い出を作りたいと考えました。


 

大竹野佑介さん
「人が減少していくのは、どうしようもないところはあるが、南大隅町良かったよねと、若い世代にも思ってもらい、帰ってこようかなという思いになってもらえたらいい。」

 

この日、お化け屋敷の準備が進む学校に、1人の少年の姿がありました。

鞍掛瑛太(くらかけ・えいた)くん、小学2年生です。
去年は、お化け屋敷に参加できませんでした。



 

「おばけ好き?」

鞍掛瑛太くん
「いや、そんなには。」

「怖いんじゃない?」

鞍掛瑛太くん
「いや、そんなには。」

母親のよつこさんです。
ふだん、怖がりの息子が関心を持ったお化け屋敷。
よい夏の思い出になってくれればと考えています。


 

母親 鞍掛よつこさん
「親にかじりついてでも、最後まで行って、ああどうだったっていうのを、本人が感じ取ってくれれば。」


 

3か月前から始まった廃校でのお化け屋敷作りは仕上げに入っていました。

がいこつは、理科室の骨格標本。




 

血染めのシーツに覆われたベッドは、保健室の備品です。
教室に潜む、ゾンビの動きも練習を繰り返します。



 

いよいよ本番です。
2日間の催しに、180人が集まりました。
子どもたちは、1階の事務室をスタートし、2階の音楽室を目指します。

教室に突如現れたゾンビ。
子どもたちも大興奮です。



 

こちらの教室。
子どもたちを脅かしていたのは、大竹野さんです。



 

瑛太くんもお父さんと一緒にやってきました。
初めてのお化け屋敷に挑戦です。

スタートから10分。
泣きながらも、ゴールすることができました。



 

父親 鉄雄さん
「ちょっと強くなったかもしれない。
またもう一回行ってみる?」


 

それでも、少し男らしい顔つきになっていました。

鞍掛瑛太くん
「怖かった。」

「どこが怖かった?」

鞍掛瑛太くん
「ぜんぶ。」

大竹野佑介さん
「何年先も“行っておもしろかった”“怖かったね”と、話題が出るようなおばけ屋敷になればと。
“キャー”って言って叫びながら、印象が残った夏になってくれたんじゃないかな。」

町の廃校で、2日間だけ行われた、お化け屋敷。
忘れられない、ふるさとの思い出ができた夏です。

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