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2016年8月24日(水)

夏点描 ラジオ体操 達人の夏

和久田
「昨日(23日)から各地の夏の表情をシリーズでお伝えしている『夏点描』。
今日(24日)のテーマは、夏の風物詩、ラジオ体操です。」


望月
「徳島市には、毎朝200人近い人たちが集まるラジオ体操の名所があります。
子どもからお年寄りまで毎朝休まず体操を続けるのは、健康づくりのためだけではないようです。
朝の風景に密着しました。」

“栄光の石垣”守る ラジオ体操の達人

リポート:安居智也(徳島局)

徳島市の中心部、木々に覆われた徳島中央公園です。





そびえ立つのは、昭和8年に設置された「ラジオ塔」と呼ばれる巨大なラジオ。

毎朝6時30分。
恒例のラジオ体操が始まります。
参加者はおよそ200人。
その視線の先には、高さ5メートルの石垣。


選び抜かれた指導者が見本を示す場所として、代々受け継がれてきました。
正確で無駄のないそのフォームを指針に、人々は体を動かします。




ひときわ美しいフォームでセンターを務めるのは、坂田福さん(74歳)です。
雨の日も風の日も、365日休むことなく手本となってきました。

「きれい。
(坂田さんは)きびきびしている。」

「ラジオ体操って、(動きの)決まりがあるんです。
そこをきちんと押さえていて感心する。」


坂田福さん
「肘がしっかり伸びているか、腕が肩より高く上がっていないか。
夏休みは特に子どもが来るので、できるだけ正しいやり方を心がけている。」

体操が終われば、一人一人にスタンプ。
石垣の上を守る者の務めです。




坂田さんは、市内のアパートで一人暮らしをしています。
40年以上トラックの運転手をしていた坂田さん。
人付き合いが苦手で、かつては人の輪に入ることを避けてきたといいます。

坂田福さん
「内気で、人と話すのがすごく嫌いだった。
お酒も1人で飲んでいた。」

その坂田さんが石垣に登ることになったのは、6年前。
退職後、健康作りにと毎日欠かさずラジオ体操に通っていたところ、引退する指導者から、後を継いでほしいと頼まれたのです。




坂田福さん
「ずっと断っていたが、拝むように涙を流しながら言われて、断りきれなくなって(石垣に)上がった。」




石垣の上に上がるには、ラジオ体操指導士の資格が求められます。

坂田福さん
「ラジオ体操第1は、いくつの運動でできていますか。
13の運動でできています。」

健康維持のために考えられたひとつひとつの動き。
腕の曲げ方や足の伸ばし方、さらに呼吸の回数まで決まっているのです。
みんなの健康作りを担う立場へ。
取り組む姿勢に、大きな変化が生まれました。

坂田さんは、毎朝5時過ぎに家を出ます。





ラジオ体操の前には、欠かさずトレーニング。





石垣の上では、手本として左右逆の動きをするため、ガラスに映る姿を綿密にチェックします。

坂田福さん
「なるべくいい体操をしたいから、1人でやっていればどうっていうことないけれど。」

朝6時過ぎ。
公園に人が集まり始めました。




毎朝顔を合わせる仲間同士。
いつしか、あいさつはハイタッチになりました。

かつては人づきあいが苦手だった坂田さんも、今では笑顔でハイタッチです。





そして、石垣の上へ。





きびきびと腕を上下に、そして水平に。
指先にまで神経を張りめぐらせます。

200人の仲間に向けた、石垣の上での体操。
今日も無事、勤め上げました。




坂田福さん
「ラジオ体操に“ありがとう”と言っても喜ぶかはわからないけれど、かけがえのないもの。
人のつながりは大事。
大切にこれからもしていきたいと思う。」


石垣を市民が囲むラジオ体操。
今日も徳島の一日が、ここから始まります。




和久田
「石垣に立つ誇らしさと、使命感まで伝わってきましたね。」

望月
「私もハイタッチしに行きたくなりました。
いい雰囲気でしたよね。
聞いたところ、みなさんは体操の後に一緒に散歩をしたり、桜の時期には石垣の周りで花見もされるそうです。
かけがえのない場所なんですね。」

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