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2016年7月2日(土)

SNSに潜む“つながるリスク”

近田
「皆さんも利用されているのではないでしょうか。」

3人に1人以上が利用している、フェイスブックやツイッターなどのSNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス。
多くの人とつながり、コミュニケーションを便利にしてくれる一方で、そのリスクも指摘されています。

小郷
「SNSは、不特定の人々と気軽に交流を楽しめるネット上のサービスです。
今年(2016年)5月、このSNSを通じて、ある事件が起きました。
女子大学生がファンの男に刺された事件です。
女子大学生は、SNS上で男とみられる人物から執ような書き込みを受けていました。」

近田
「NHKが、インターネットでSNSについてアンケートを行ったところ、こちら『詐欺』や『ストーカー』、そして『個人情報の流出』といった深刻な被害にあったという人も少なくありませんでした。
便利なSNSに潜むリスク。
アンケートに回答してくださったひとりを取材しました。」

SNSに潜む “つながるリスク”

リポート:藤原和樹(おはよう日本)

都内の高校に通う女性です。
SNSを利用し始めた中学生の時、あるメッセージが送られてきたといいます。


 

内容はひたすら「会いたい」と繰り返すもの。
送り主の男性の名前に心当たりはありませんでした。



 

「知らないのに何回も送ってくるから、怖い、気持ち悪い。」




 

メッセージの内容は次第にエスカレート。
そればかりか、利用する電車や駅まで把握されるようになりました。
原因は、誤って自分の連絡先をSNSに書き込んでしまったことでした。
執ように続く男性からのメッセージに、女性は携帯を買い替えざるを得ませんでした。

「SNSは分かっているようで、分かっていないことの方が多いから、気をつけるところは、ちゃんと気をつけなきゃなって思います。」

こうしたSNSをめぐるトラブルは、年々増え続けています。

ネット上のトラブルに関する相談を受けている「全国webカウンセリング協議会」です。
SNSに関する相談は、年間7,800件あまりに上ります。


 

代表の安川雅史さんは、子どもたちを対象にSNSの利用についての講演を行っています。

全国webカウンセリング協議会 安川雅史理事長
「信頼できる人とつながっていけばいいでしょう。」

SNSで友達を増やそうと、多くの子どもたちが個人情報を安易に公開してしまうことに問題があると感じています。

全国webカウンセリング協議会 安川雅史理事長
「書き込む内容、載せる動画、すべてに責任を持たなければならない。
これを載せることによって、誰も不快な思いをしないかな、私の身が危険になることはないかと、まずは考えましょうねと。」

 

SNSのリスクをどう避けるのか。
千葉県では、全国に先駆け、5年前からSNSの監視に取り組んでいます。

専門の職員2人が、県内の小中高の学校名をSNS上で検索。
生徒たちを危険にさらす投稿がされていないか、監視を続けています。
この日、見つけたのは、個人が特定できるQRコード。


 

職員
「公開するのは問題があるかなと。」



 

このままでは、ネット上の不特定多数に個人情報が流出する危険性があります。

高校性がたばこを手にする画像も見つかりました。

職員
「悪いことをやっている自分がかっこいいという気持ちがあるのではないか。」

喫煙しているかどうか、画像からは分かりませんでしたが、脅迫されるなどのトラブルにつながりかねません。
対応を協議した結果、どちらのケースもすぐに学校に連絡し、生徒を指導してもらうことにしました。

千葉県 子ども・若者育成支援 室長 澤田浩さん
「人を介して公開されてしまう危険性とか、ルールがあるということ、くり返し伝えていく、理解してもらう、それが大事かなと思います。」

 

SNSのリスクを避けるため、家族に協力を呼びかけている自治体もあります。
千葉県の柏市では、今年4月から民間企業が開発したソフトを試験的に導入しました。

 

希望する親子に、専用のソフトを配布。
ソフトは、SNSのすべての書き込みの中から、犯罪やいじめにつながる用語を抽出。
文脈から判断し、危険があれば親に警告を送ります。

 

このサービスを利用している大島さん親子です。




 

母親の祥子さんの携帯から見られるソフトの警告を知らせる画面です。
「帰れ」という悪口が疑われる言葉が表示されました。
このケースは単なる入力の間違いでしたが、祥子さんは警告のたび、娘と会話をすることで、SNSへの不安が減ったと感じています。
 

大島祥子さん
「情報をもらうことによって、こういった生活をしているのかな、こういう友達と仲がいいのかなって、分かっている。
助かっている。」

 

柏市では今後、利用者からアンケート調査を行い、ソフトの効果を検証することにしています。

柏市 少年補導センター 指導主事 麻生徹さん
「見えないところで突発的にトラブルが起きる可能性がありますので、正しく使って、便利で役立つものとして使ってほしい。」

SNSのリスク 対策は?

小郷
「かつては、見回りと言うと、生徒指導の先生が駅や繁華街などで行うというものでしたけれども、今はインターネット上でも行われる時代なんですね。」

近田
「ネット上の見回りが必要な時代なんですね。
取材にあたった藤原ディレクターとお伝えします。
SNSを監視する、あるいはソフトを導入するといった対策をお伝えしましたけれども、実際どれくらいの効果があがっているのでしょうか?」

藤原ディレクター
「千葉県のSNSの監視では、問題のある投稿を年間6,000件あまり見つけていて、トラブルを未然に防ぐなど、一定の効果があると話しています。
ただ、担当者によると、問題のある投稿は際限なく見つかるということで、追いつかないというのが実態のようです。」

小郷
「そうした中で、私たちはどういう対策をしていったらいいんでしょうか?」

藤原ディレクター
「VTRにも登場したwebカウンセリング協議会の安川さんは、SNSを始める前に、使う時間や場所を決めるなど、親子でルールを決めておくことが大切だと話していました。
危険があるからSNSを一切使わないというのではなく、SNSの便利さを活用するためにも、どのような危険があるのかをしっかり心にとめておく必要があると感じました。」

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