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2016年4月11日(月)

『さくら5つの物語』 見上げる桜 その先には…

和久田
「今日(11日)から『さくら5つの物語』と題して、各地の桜をめぐる物語をお伝えしていきます。」

阿部
「桜の花といいますと、出会いや別れ、さまざまな人生の節目を彩ってくれますよね。」

和久田
「そうですね。 今日の舞台は、兵庫県姫路市です。 見上げる桜に、人々はどんな気持ちを重ねるのか見つめました。」

“踏切待ちの桜” 見上げる先には…

リポート:宮田峻伍(NHK神戸)

通学や出勤。
急ぐ人たちが、出来れば避けたい踏切待ち。

しかし、4月。
ここでは、踏切待ちの45秒が、贅沢な時間に変わります。
線路の先に連なるのは、80本以上に及ぶ、ソメイヨシノ。
地域の人たちが、30年ほど前に植えたものです。
門出や別れ。
足を止める人々は、それぞれの人生の節目を桜の花に重ねます。
保育園の入園式を終えて、桜を見に来た親子。

「子どもも、どんどん大きくなって、そのうち子どもと一緒に、ここでお酒を飲めたら。」



 

一人暮らしをしている、社会人2年生。
遠く離れた、ふるさとに似た、この景色に励まされました。

「すごくきれいだなと思って、(電車を)降りてきてしまった。
故郷を思い出した感じで、よかった。」



 

結婚して、この町に嫁いできた、90歳のおばあさん。
人生の節目を、この桜並木とともに重ねてきました。

「ことしも桜見られてうれしい。
私は、しぼんじゃう方だから悲しいけど。
でもいいよね、今まで生きてきたんだから。」


 

春休み、学校に向かう高校生に出会いました。
柴田明穂(しばた・あきほ)さん。
この春、三年生になります。


 

柴田明穂さん
「めっちゃ、きれいですね。
桜がきれいだから、それを見て学校に行けるし、帰るときも見て、気分が明るくなる。」

 

柴田さんにとって、4月は大事な月です。
部活では、月末にある定期演奏会に向けて、練習が大詰め。
そして、もうひとつ。
悩み続けてきたことに、結論を出さなくてはなりません。
卒業後の進路です。
就職か、専門学校に進学するか、迷い続けて来ました。

お菓子作りをするパティシエになりたいと、専門学校への進学を考えている柴田さん。
しかし多くの友達が就職を希望する中、親にお金を出してもらいながら、専門学校に通い、パティシエの厳しい修行を全うできるのか、不安を抱えています。
 

柴田明穂さん
「やりたいことをするか、就職(するか)。
そろそろ決めないといけないと思っているけど。」


 

始業式には、進路の希望を伝えなくてはなりません。

春休みが終わりに近づいていたこの日、桜の花は満開を迎えようとしていました。
この春、どんな道を選び、来年(2017年)どんな自分が桜を眺めることになるのか。
踏切で足を止めた柴田さん。

柴田明穂さん
「日にあたっている桜、きれい。
こっちも明るくなるし、咲いてるだけで力になる。
それだけで気持ちが変わる。」

始業式の朝。
進路希望を伝える日です。
将来を決める、大切な節目。
柴田さんの結論は、夢であるパティシエになるため、専門学校への進学を先生に相談することでした。
 

柴田明穂さん
「最後の一年だから、進路を決めなければ
ならないけれど、楽しむところは楽しんで、自分が楽しめる、絶対やめない方に行きたい。」



 

桜の花に背中を押され、新たな一歩を踏み出す春です。

 

阿部
「この桜並木道、桜が応援してくれる、未来に続く道のようにも見えてきますよね。」

和久田
「桜の下で決意した気持ちを、いつまでも持ち続けてほしいですね。」

 

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