これまでの放送

2016年4月9日(土)

飲酒による事故 防ぐために

近田
「入学シーズンを迎えまして、大学では、新入生の歓迎会が開かれている時期です。
楽しい歓迎会。
何かと、お酒を飲む機会も増えるかと思いますけれども、一方で、未成年者による飲酒や、お酒を強要する『一気飲み』などの行為による事故やトラブルは後を絶ちません。」

小郷
「NPO法人『アルコール薬物問題全国市民協会』によりますと、この10年間で、飲みすぎによる急性アルコール中毒や、飲酒後の事故によって、全国で、少なくとも33人の学生が亡くなっています。」

近田
「こうした悲惨な事故を防ごうと、大学の現場では、さまざまな取り組みが行われています。」

飲酒のトラブルを防ぐ 大学では

今週火曜日、早稲田大学のスキーサークルが開いた新入生歓迎会。
やってきたところは…。



 

ケーキやゼリーなど、30種類以上のスイーツを扱う店。
飲み物も…。



 

「オレンジジュースです。」

「アイスティーです。」

このサークルでは、これまで歓迎会を居酒屋で開いてきました。
しかし、新入生たちの間で、酔って話をする上級生の評判が悪かったため、今年(2016年)は改めることにしたのです。
 

新入生
「(酔った)先輩のノリに合わせたりするのが難しいので、(お酒がないほうが)気軽に来られるという感じ。」

新入生
「酔ってないときは、先輩が丁寧に、サークルの1年間の行事とか、じっくり聞けるので良い。」

この日、集まった新入生は、予想を大きく越える12人。
こうした「脱アルコール」の歓迎会を開く学生サークルは広がっています。

サークルの代表 大学3年生
「今まで、お酒がある場での歓迎会しかやってこなかった。
最近、それだと、あまりうまくいかないことが多くて、(新入生は)お酒については警戒というか、気をつけて、サークルとか回っているんじゃないか。」
 

行き過ぎた飲酒がもとで起きる事故を防ごうと、特に神経をつかっているのが大学側です。

「これは、飲酒に関する誓約書。」

早稲田大学では、学生や教職員に対して、未成年に飲酒させたり、飲酒の強要をしたりしないことを書いた誓約書に署名してもらっています。


 

さらに、新入生の保護者宛てに手紙を送り、飲酒による事故を防ぐ取り組みへの協力を求めています。



 

早稲田大学 齋藤泰治学生部長
「社会から注意をもらう場合もあるし、保護者が心配する場合もある。
未成年に、お酒を飲ませないとか、飲みすぎないように、お互いに注意していこうと。
そういう雰囲気を作っていきたい。」

“適量のお酒をじっくり楽しむ”

こうした中、お酒を製造・販売するメーカーの中には、学生など若い人たちに、適量のお酒をじっくり楽しもうと提案するところも現れています。

洋酒メーカー 広報担当 水林ジュリアさん
「飲酒の強要や、一部が一気飲みを始めて、嫌な気持ちになったとか。
そういった方々が、いいお酒に対して、興味を無くしていくのが最も怖い。」

 

お酒を上手に飲むマナーを覚えてもらおうと、学生たちと一緒に、新たな宴会コースを開発しています。

学生
「飲むと、みんなで(お酒を飲む)コールで盛り上がる。
それで楽しいみたいな雰囲気が当たり前になっている。」

学生
「“このお酒には、このごちそうが合う”みたいなのが、わかれば、大学生としては、すごくありがたい。」
 

そのコースのひとつが、こちら。
料金は、およそ3,000円。
学生が利用することの多い「飲み放題」と同じ金額ですが、お酒は、2杯まで。
お酒のコストを抑えた分、より高価な料理をじっくり味わってもらおうというねらいです。

メーカーからの提案を受けて、先月(3月)から宴会コースを設けた、イタリアンレストランです。
都内の大学に通う学生がやってきました。
いずれも成人の4人、普段は、飲み放題の店を利用しています。
まずは、店員が今回のコース料理に合うお酒を紹介。
 

店員
「最初のおすすめは、スパークリング(白ワイン)です。」

学生
「いいんじゃない。
これ、お願いします。」
 

1杯目は、よく冷えた白ワイン。
このワインと相性がよい料理が…。



 

サーモンと野菜のサラダ。
そして、黒こしょう風味の砂肝のコンフィ。
さらに、牛の胃袋の煮込み、トリッパが運ばれてくると。
今度は、赤ワイン。
すかさず、店長がレクチャーします。
 

店長
「癖のあるもの、そういったものだと赤ワインに合って。
ニンニクを、きつめに漬けているので、そのトマトソースが赤ワインに合う料理。」

 

この日、学生たちは料理に合ったお酒の種類や特徴があることを実感しました。

学生
「(この料理は)さっきの白ワインより、絶対、赤のほうがいい。」

学生
「量がなくても、この飲み方ならすごい楽しいです。」
 

洋酒メーカーの呼びかけに応じ、こうしたコースを設けた飲食店は、都内で13軒。
メーカーでは、協力する店をさらに増やしたいとしています。

洋酒メーカー 広報担当 水林ジュリアさん
「おいしい食事を味わって、それに合うお酒を、どうして合うのか、わかったうえで楽しむことによって、適量を大切に味わうという文化が浸透すると思うし、気付いたら、一気コールをしなくても、楽しい会が開催できていたとなるのでは。」

 

小郷
「こうした、アルコール抜きの歓迎会は、多くの大学で広まっているということなんです。
また、大学の運動部の中には、未成年の学生に腕章をつけてもらうことで、先輩たちがお酒を飲ませないよう徹底しているところもあるそうです。」

近田
「未成年者の飲酒はもちろん法律違反ですし、いわゆる『一気飲み』ですとか、お酒の強要は命に関わる危険があります。
お酒は楽しく、節度を持っていただきたいですね。」