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2016年4月2日(土)

核セキュリティーサミット テロ組織 核物資の入手阻止を合意

近田
「アメリカのワシントンで開かれていた、核セキュリティーサミットは、合意文書「コミュニケ」を採択し、閉幕しました。」

上條
「過激派組織IS=イスラミックステートなどのテロ組織が、核物質を入手するのを阻止するため、国際社会が協力して取り組む必要性を強調しています。」

“テロ組織 核物質の入手阻止” 核セキュリティーサミットで合意

アメリカ オバマ大統領
「誰もが平和で安全な世界を願っている。
(過激派組織)ISとの戦いは困難だが、われわれは勝利へ向かっている。」

 

50か国あまりの首脳らが参加して、ワシントンで開かれた核セキュリティーサミットは、合意文書となる「コミュニケ」を採択し、閉幕しました。
「コミュニケ」では、過激派組織ISなどのテロ組織を念頭に「国家でない者が核物質などを入手するのを阻止するために取り組むとともに、核物質を使ったテロへの対策で情報の共有など、国際社会が協力する必要性を強調する」としています。
そして、「核セキュリティーを継続的に強化していくために行動計画を作り、実施していくことを決めた」として、各国が、これまでの成果を、今後の取り組みの指針として生かしていくことで合意したとしています。

コミュニケの発表に先立ち行われたワーキングランチで、安倍総理大臣は「日本では、今年(2016年)5月に伊勢志摩サミットを開催する。テロ対策強化は、日本にとって喫緊の課題であり、核テロを含むテロの未然防止に、万全を期していく決意だ」と述べました。

核セキュリティーサミット 日本の成果は

近田
「では、現地で取材している、政治部の西井記者に聞きます。
今回のサミット、安倍総理大臣にとって、どんな成果を得られたのでしょうか?」

西井健介記者(政治部)
「自らが議長を務める、来月(5月)の伊勢志摩サミットに向けて、国際社会が直面する課題をめぐり、各国の首脳と認識の共有が進んだことです。
安倍総理大臣は、核セキュリティーサミットの場だけではなく、昨日(1日)行われた、日米韓3カ国の首脳会談でも、北朝鮮が挑発行動を繰り返していることや、過激派組織IS=イスラミックステートのテロ事件を取り上げ、緊密な連携を呼びかけました。
一方、G7、主要7カ国のメンバーである、アメリカやカナダとの首脳会談では、新興国経済の減速が明確になる中で、世界経済の持続的な成長に向けて、協調して取り組んでいくことを確認しました。
安倍総理大臣としては、北朝鮮の核やミサイルの開発や、頻発するテロ事件に歯止めをかけるのに必要な国際的な包囲網を築くとともに、世界経済をけん引するためのG7の協調体制を確立したい考えです。
伊勢志摩サミットに向けて、引き続き、各国に連携を働きかけていくことにしています。」
 

近田
「核セキュリティーサミットを提唱したのは、アメリカのオバマ大統領。
就任した直後から、核兵器のない世界を目指すと呼びかけてきました。」

上條
「そのオバマ大統領の任期は、来年(2017年)1月まで。 核セキュリティーサミットは、4回目の今回が最後になります。」

“最後のサミット” オバマ大統領は

「核兵器のない社会を追求する。」




 

7年前、就任直後にこう演説した、オバマ大統領。

そのオバマ大統領の呼びかけで、核セキュリティーサミットは2010年から開かれてきました。
しかし、北朝鮮は、核実験や弾道ミサイルの発射などを繰り返します。
さらに先月(3月)、ベルギーで起きた連続テロ事件では、容疑者らが原子力発電所を狙っていた可能性があると報じられるなど、核の脅威は、むしろ高まっています。
来年1月に任期を終える、オバマ大統領。
今回は、自らが提唱した、サミットの締めくくりとして、将来にわたって、核によるテロを防ぐ明確な道筋を示し、歴史に残る成果としたいとのぞみました。

アメリカ オバマ大統領
「各国が連携した核の管理体制が必要だ。
そして我々は、うまくやってきた。」

核セキュリティーサミット 北朝鮮の核問題は

近田
「では続いて、ワシントン支局の広内記者に聞きます。
オバマ大統領の思いとは別に、核の脅威は高まっています。
特に日本でも関心の高い、北朝鮮の核問題について、オバマ大統領はどう受け止めているのでしょうか?」

広内仁記者(ワシントン支局)
「オバマ大統領も北朝鮮の問題については、深刻に受け止めています。
と言いますのも、イランの核開発問題で最終合意に達したオバマ大統領にとって、残る課題は北朝鮮だからです。
アメリカ政府は今年に入り、北朝鮮が核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返していることを受けて、危機感を強めています。
核セキュリティーサミットに合わせても、北朝鮮が、さらなる挑発行為に踏み切ることを警戒していました。
中でも、最も懸念しているのが、北朝鮮が核兵器の小型化に成功し、アメリカ本土を射程に入れる、大陸間弾道ミサイルに搭載する能力を持つことです。
そのため、オバマ大統領としては、日本や韓国、さらには中国と協力して、北朝鮮に厳格な制裁措置を講じ、圧力をかけ続ける考えで、核開発を放棄させたい考えです。」

核セキュリティーサミット テロ・IS対策の道筋は

上條
「そして、今回のサミットでは、対テロや対過激派組織ISも議題となりましたよね?」

広内記者
「ベルギーで、連続テロ事件が起きたことを踏まえ、オバマ大統領がサミットの締めくくりの会合で、最も時間を割いて話し合ったのが、ISへの対策でした。
ベルギーの事件では、容疑者らが、原子力発電所でのテロや、放射性物質の入手を狙っていた可能性があると報じられていて、ISのようなテロ組織が、核物質を手に入れる可能性が現実味を帯びています。
それだけに、オバマ大統領も核物質がテロリストの手に渡れば、『リンゴ1個分程度のプルトニウムでも、何十万もの罪のない人が殺害されかねない』と述べ、危機感をあらわにしました。
核セキュリティーサミットでは、そうした事態を阻止するため、国際社会で結束して、ISの壊滅を目指す方針を確認しました。
ただ、ISの壊滅に向けた、具体的な道筋は見えていません。
核兵器のない世界を目指すオバマ大統領ですが、道半ばのまま、サミットを終えることになります。」

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