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2016年4月1日(金)

“エープリルフール” 驚き ユーモアに新たな可能性を

阿部
「今日、4月1日はエープリルフールでもあります。
うそをついてもいい日とされていますよね。」

和久田
「今、さまざまな企業や団体が、この日だからこそ表現できる驚きやユーモアに注目しています。
エープリルフールに新たな可能性を見いだそうとする取り組みを取材しました。」

企業・団体が知恵競う エープリルフール

日産自動車が今日、発表した動画です。

“ここで臨時ニュースです。
ニッサンとニッシンが造った飛行物体が先ほど、ニッセンに不時着しました。




東京・新宿にある日清食品本社を離陸後…。





ニッセン物流センターに不時着しました。”




 

この、うそのニュース。
日産と日清食品、ニッセンの3社が、「社名が似ている」というだけで、エープリルフールに合わせて制作しました。




この動画を制作した、広報担当の小川正太郎(おがわ・しょうたろう)さんです。
若い世代でクルマに乗らないという人にも、エープリルフールで親しみを持ってもらおうと考えました。




去年(2015年)の4月1日、ツイッターを通じて、“社名を『日産』から通販会社の『ニッセン』に変更”という、うそを投稿したところ…。





ツイートを見た人から「思わずほほえんだ」「大人のおふざけ大好き」など、好意的な反応が寄せられました。

日産自動車 広報担当 小川正太郎さん
「おかげさまで史上最高数のリツイート。」


 

その数は、新車の発表をつぶやいた時の10倍以上。
社内では、予算をかけずにアピールできたと評価されました。



 

日産自動車 広報担当 小川正太郎さん
「副社長の目にも届いたらしく、『いいぞ、もっとやれ』と。」



 

今年(2016年)は「日清食品」も加え、より手の込んだ動画を作ることにしました。

さらに、エープリルフール当日にはイベントを企画。




 

日産自動車 広報担当 小川正太郎さん
「本当にできちゃいましたね。」

架空のカップやきそば、「日産焼きそば・USO(ウソ)」を実際に作ったり…。





3社のコラボTシャツを作ったりと、さまざまな仕掛けを用意しました。




 

日産自動車 広報担当 小川正太郎さん
「“この1日のためにバカなことをする会社、嫌いじゃないね”と思っていただける。
ふだん私どもがリーチ(接触)できないようなお客さまにも日産を知っていただく、親しみを持っていただけるかなと期待しています。」

 

うそを発信することで、堅いイメージを変えようとする団体もあります。
公益財団法人の日本自然保護協会です。
65年に渡り、自然環境の調査を行ってきました。


 

日本自然保護協会 岩橋大悟さん
「堅くて難しいことしていて、取っつきにくいなと思われる。」



 

活動は主に寄付や会費などで成り立っていて、より多くの人に存在を知ってもらおうと、エープリルフールを活用することにしました。

“新種、発見!”




 

職員たちはひと月かけて議論し、「てんぐのような大型動物を発見した」といううそをホームページで発表することにしました。

日本自然保護協会 岩橋大悟さん
「もっと、より多くの人に自然の大切さとか、私たち日本自然保護協会のことを知ってもらうためには、もう少しはっちゃけ(ふざけ)ないといけないんじゃないか。
こういうのをきっかけにしてというのも、大事な活動なんじゃないか。」

担当者
「こんな感じにしたいなと思っておりまして。」

考えたうそを、理事長に報告。


 

担当者
「こちらに理事長の(顔写真を)。」

理事長
「お!ちょっと、そういう感じですか。」

 

担当者
「大丈夫ですか?よかった!」

多くの企業や団体は、エープリルフールをコミュニケーションのきっかけとして見ていると、専門家は指摘します。


 

企業広報が専門 東洋大学 井上邦夫教授
「普通(企業や団体は)うそつけないわけですから、おおっぴらに堂々とうそがつける日というのは年に一度しかない。
楽しい、ユーモアのセンスにあふれた、人間味を感じてもらえるメッセージが、企業のコミュニケーションの展開としては非常に重要なことだと思います。」
 

エープリルフールを人材育成につなげようとする会社もあります。
横浜市内にあるこの企業、ウェブサイトの制作を手がけています。
顧客からは、ほかにはないデザインや仕掛けが求められます。



会社では、多くの人に楽しんでもらえる面白いうそを考えることが、社員の想像力を高めることになると考えています。

カヤック 企画部 氏田雄介さん
「“トランプ”氏に対抗して、“ウノ”氏が出馬しましたとか。」

カヤック 企画部 氏田雄介さん
「『およげ!たいやきくん』の化石がみつかる。」

4年前からは4月1日に限って、こんな採用を始めました。

カヤック 企画部 氏田雄介さん
「エントリーシートの内容を、全て経歴詐称で送っていただいて、その詐称のしかたというか、うそがおもしろい人を面接に呼びますという採用。」


 

この試験で採用された、小坂祐貴(こさか・ゆうき)さんです。

カヤック 企画部 小坂祐貴さん
「“僕はお茶漬けです”みたいな。」



 

応募の際、自分は「お茶漬け」だとキャラクターを設定。
小坂さんは「通常の緑茶では無く、紅茶をかけると新しい可能性が開けた」というストーリーも示しました。

カヤック 企画部 小坂祐貴さん
「ノリで応募して、そうしたら(採用試験を)通って。」

こうした取り組みを通じて、発想の豊かな人材を育てようとしています。

カヤック 企画部 氏田雄介さん
「多様性があるような会社がいいと思うので、その分、入り口も、いろんな入り口、いろんな色を持った入り口を用意するのが会社の多様性につながる。」


 

カヤック 企画部 小坂祐貴さん
「異分子としての個性が受け入れてもらえる。
採用が変だったので、会社でも好きに働けているのは良かった。」

「内定、本当だと思いました?」

カヤック 企画部 小坂祐貴さん
「それもやっぱり、そういうウソなのかなって。」



 

和久田
「うそを大まじめに議論する姿がおもしろかったですが、それだけ関心を持ってもらう効果に、企業や団体は期待しているんですね。」

阿部
「もちろん、人を本当にだましたり、災害や人命に関わるようなうそは許されません。
今日は、ユーモアあふれる楽しいうそ、創造力を高めるうそ、そんなうそをきっかけに新たな発見や出会いがあったらいいですよね。」

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