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2020年6月30日(火)

どうつくる“感染症BCP”

「クリーンルーム」を持つ精密部品メーカー。感染者が出ても事業を続けるための対策とは?

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新型コロナウイルスに従業員が感染した場合、どう事業を継続していけばいいのか。特に人手が少ない中小企業にとっては、深刻な問題です。そうした中、感染症を考慮したBCP(=事業継続計画)の策定を模索する動きが出ています。

換気しない“工場の心臓部” 「ウイルス発生したら出にくい」

【報告:NHK名古屋 篠田彩記者】
名古屋市の精密部品メーカー「高砂電気工業」。医療器具に使うバルブなど1万点余りを製造しています。社長の浅井直也さんはこれまで10年以上にわたり、地震などの自然災害に備えてBCPの策定に取り組んできました。しかし新型コロナウイルスで、感染症もBCPの重要な要素だと考えるようになりました。

この会社では、最大のリスクは「クリーンルーム」にあります。密閉した空間で部品の組み立てや検品を行う場所で、高い品質が求められる医療分野の部品の製造に欠かせない、いわば“工場の心臓部”。40人ほどが密集して作業しています。

この部屋では、製品にちりやほこりがつかないよう換気は行わず、代わりに室内の空気を何度もろ過して循環させています。浅井さんは「ほこりが入らないようなクリーン環境を保つ、イコール、中でウイルスが発生してしまった時に逆に出にくい。換気のできない部屋の中にかなりの人数が入って、集約型で作業をしているから、危険度は高い。3密の典型みたいな部屋だから」とリスクを説明しました。

万一に備え「仮設ブース」も

会社では急きょ、対策を検討。まず、2つあるクリーンルームに出入りする社員を分けることにしました。

さらに、「平時は開発などに使われている、特殊用途に時々使っている」スペースを、万が一、感染者が出た場合、仮設の「クリーンブース」として活用します。浅井さんは「もし感染者が出た場合はここをフルに生産に活用しようと考えている」と話し、リスクを分散する考えです。

浅井さんは「設備自体は何もダメージを受けていないが人間がやられる、あるいはウイルスがついて目に見えないけれども設備が使えなくなる。これはわれわれとして、今後どう取り組んでいくか、まだまだ課題」とし、「これを乗り越えた時にはより頑強な、安全性の高い事業継続計画(=BCP)ができると思う」と話しています。

専門家が助言する3つの対策とは?

これは災害と違って、また難しいですね。設備は無事でも人がやられる可能性があるんですね。それから災害の場合は、被害のなかった地域がダメージを受けた地域をカバーするという考え方がありますが、新型コロナウイルスの場合、感染が広範囲に拡大すると、そうしたやり方が難しくなるかもしれませんね。

新しいリスクだと捉えたほうがいいですね。企業の災害対策に詳しい名古屋大学の西川智教授は、3つの対策をあげています。1つ目は「一人二役の準備を」。特に中小企業では、いざとなれば従業員が複数の作業ができるよう、ふだんから訓練をしておくことが大事だということです。

2つ目は「工程を分ける」。工程を前と後ろに分けて交代制をとり、仮に感染者が出ても製造ラインがすべて止まってしまうことを防ぐということです。

そして3つ目は「ある程度の在庫を持つ」。バッファーだと考えて、製品の在庫を一定程度持っておくということです。コロナ時代は、効率重視の考え方をある程度変えていく必要があるのかもしれません。

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