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2017年11月9日(木)

米エネルギー産業最前線 ~シェールガス~

経済ニュースをサクサク 深く、「おはBiz」のコーナーです。今、アメリカで注目されているシェールガス。従来のガス田より深いシェール層と呼ばれる地層にある天然ガスで、近年の技術革新で取り出せるようになりました。開発の現場を取材しました。
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「Eyes on」は、関口解説委員によるアメリカからのリポートです。

9日と10日は、アメリカのエネルギー産業の最前線を伝えます。9日はシェールガスです。従来のガス田より深い、シェール層という地層にある天然ガスで、近年の技術革新で取り出せるようになりました。東京ガスが2017年、現地企業に出資して開発に乗り出しています。現場を取材しました。

シェールガス最前線 日本企業が参入 その現場は

アメリカのヒューストンから車で4時間。東京ガスが参加している「東テキサス鉱区」です。面積は、東京23区より広い660平方キロメートルあります。




ガスの「掘削リグ」は高さ30メートル。現地に駐在する東京ガスの方の案内で、リグの作業台に上らせてもらいました。





関口解説委員
「ここからは実際に掘っているところが見えます。上にあるのはドリルに回転力を与えている装置です。ドリルが地中に入っていって、地下3,000メートルまで掘っています」



掘削現場をこれほど間近で見る機会はめったにありません。私も初めて見ました。パイプを継ぎ足しながら掘り進んでいきます。制御室では、オペレーターが1人ですべて操作します。




まず垂直に3,000メートル掘り、シェール層に達すると、水平に向きを変えてさらに3,000メートル掘り進みます。

合弁相手CCI社 ダグラス・デフィリッピ副社長
「1、2年前は1つの井戸を掘るのに45日から60日かかっていたが、今は30日から35日だ。操業までの期間を短縮すれば、コストを抑えられる」

ただし、掘るだけではガスは出てきません。まず火薬で岩盤に穴を開け、そこに超高圧の水と砂を注入して亀裂をつくります。この「水圧破砕」で地層に閉じ込められていたガスを取り出します。砂を使うのは、ごくわずかなひび割れに砂の粒を入れることで、隙間を保つためです。こうした技術が、シェールガスの生産を可能にしました。


関口解説委員
「シェールガスを取り出すために『水圧破砕』をやっている現場です。3つの塔が見えますが、1つ1つが井戸になっていて、水と細かい砂を混ぜたものを圧力をかけて注入します。それによって岩を割って、中にあるシェールガスを取り出します」


ただ、新しい技術なだけに、地下水など環境への影響を懸念する声もあります。会社では、国や州の環境基準に沿って操業しているといいます。

シェールガスの開発そのものに東京ガスが参加するのは、初めてです。そのねらいを聞きました。

東京ガス原料部 清木隆利さん
「米国という新しい供給拠点ができるということで、エネルギーセキュリティーの観点から言えば、安定供給が飛躍的に高まる」

シェールガス最前線 日本企業が参入 ねらいは?

実は、このガス自体を日本にもってくるわけではありません。これはアメリカ国内向けに「ヘンリーハブ」という国内価格で売ります。一方、東京ガスはアメリカ東海岸でLNGの輸出拠点も建設中で、こちらで同じ国内価格でガスを買い、それを液化して日本に持ってくる予定です。
従来の調達先は中東やアジアでしたが、こちらの天然ガス価格は原油に連動しています。それより値動きが少ないアメリカの国内価格でガスを買えば、価格面でも安定した調達になります。

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