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2017年11月7日(火)

神戸製鋼所のデータ改ざん 社内で何が?

経済ニュースをサクサク 深く、「おはBiz」のコーナーです。神戸製鋼所のデータ改ざん問題。NHKの取材で、現場の従業員だけでなく役員までもが黙認をしていたことも分かっています。
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神戸製鋼所 データ改ざん 社内で何が?

「Eyes on」は、神戸製鋼所のデータ改ざん問題についてです。

神戸製鋼所は早ければ今週中にも、社内調査をもとに原因と再発防止策について公表することにしています。
問題となったアルミ製品などが、どんなところに使われたかを見てみましょう。ジュースのアルミ缶やエアコン、車に新幹線、H2Aロケットまで。国内外およそ500社にまで拡大しています。

あらゆる分野という感じがします。ところで、改ざんがあった現場では、検査はどのように行われていたのでしょうか?

本物の検査証明書を使って説明します。神戸製鋼所の栃木県の真岡製造所で、実際に発行されたアルミ製品の検査証明書です。NHKが独自に入手しました。この証明書が改ざんされたものかどうかは分かりません。
赤い枠で囲った部分を見てください。例えば、「引っ張り強度」が175必要なところに、「この製品は205あります、十分強度があります」ということを証明して、はんこを押しています。

データの改ざんでは、実際は強度が足りないのに足りているように書き換えて、はんこを押したことになりますね。

会社は、納期や生産目標達成に対するプレッシャーが厳しかったと説明をしていましたが、さらに取材を進めると、社員の意識や構造的な問題が浮かび上がってきました。
その一つが、「トクサイの拡大解釈」です。「トクサイ」とは「特別採用」の略で、メーカーではよく使われます。製品の性能が顧客の求める仕様から少し外れていた場合でも、顧客の了承を得たうえで、問題がなければ出荷します。“アウトレット”のようなものだと理解してもらえればいいかと思います。
ところが、だんだん解釈が緩んでいって、顧客の了承を得ないでデータを改ざんしたものを出荷してしまった。こういうケースもあったといいます。

さらに、「品質保証部門の社内における位置」が問題です。先ほどの検査証明書では、はんこのそばに「品質保証室長」と書いてあります。メーカーには品質保証の部門があり、厳しく品質をチェックする役割ですが、問題となった「アルミ・銅部門」では、工場長の下に品質保証室長が置かれていました。

ということは、問題を見つけても、いわば“そんたく”してしまって、なかなか本音が言えなくなるのではないでしょうか。

そういう懸念がありますね。品質をチェックする組織は本来は本社部門の中にあって、工場の外からチェックするべきですが、「アルミ・銅部門」では長年、工場ごとに置かれていたために、チェックが効きにくい構造になっていたと言えます。
さらにNHKの取材では、今回のデータ改ざんは、現場の従業員だけでなく、役員までもが黙認をしていたことも分かっています。

技術力がいくら高くても、会社のガバナンスの力が規格外では、厳しいグローバル競争の入り口にも立てないと思います。抜本的な改革が急がれます。

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