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2017年7月25日(火)

布に織り込まれた太陽電池

経済ニュースをサクサク 深く、「おはBiz」のコーナーです。今日は、太陽電池の新技術についてです。
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「Eyes on」は、太陽電池の新技術ですね。

新しい技術の登場で、ユニークな使い方ができそうだというのですが、どのようなものなのでしょうか。

太陽電池に新技術

【報告 NHK京都 岩本直樹記者】

ビーズのような小さなこちらの粒。
直径2ミリにも満たない球状の物体の正体は、太陽電池です。
あらゆる角度から光を取り込むことができ、1年間の発電量を試算して比較すると、パネル状の1.5倍に上るといいます。
この太陽電池を製造した京都市のメーカーです。
サイズも小さく、さまざまなデザインの製品にも活用できるとして開発を続けてきました。

スフェラーパワー 中田仗祐代表取締役会長
「光はどの方向からも来るから球面にして、できるだけ外部の光を吸収できるようにしたほうがいい。接続がフレキシブル、直並列自由、形が曲げられる、デザイン性がいい」



会社ではさまざまな可能性を感じつつも、実際どのような用途に使えるのか、考えあぐねていました。
そこに、繊維産業が盛んな福井県の職員が着目しました。
小さな太陽電池を地元産業の織物と結びつけ、新たな製品を開発しようというのです。

福井県工業技術センター 増田敦士主任研究員
「発電できるものの中では、かなり効率のいいものですので、うまくいけばどんどん身近になる可能性のある材料かなと期待しています」




開発に携わったのは、福井県勝山市の創業120年余りの繊維メーカー。
ここで、小さな太陽電池を繊維の中に織り込むことに取り組みました。
耐熱性の糸の周りに銅線を巻きつけて、太陽電池から電気を流す構造を作り出しました。
この技術を使って、縦およそ50センチ、横およそ1メートルの布が出来上がりました。

そして、1か月後の北海道上砂川町。
布が使われていたのはテントでした。
消防団の演習でお披露目されたのです。
テントの屋根には太陽電池が縫い込まれています。
災害時に電源をとることができます。
この日はあいにくの雨でしたが、事前に蓄電池にためた電気で、会場の放送設備の電源を賄うことができました。

上砂川町 奥山光一町長
「万が一の災害のとき、特に停電とか起きたときに、この太陽光、再生可能エネルギーで必要な電源をとるということで、防災用のテントということを目的に導入しました」

スフェラーパワー 中田仗祐代表取締役会長
「実際に現場で見てもらえる形になったので、大変感慨無量な面があります。今までになかった太陽電池の用途を開くということで期待しています」

曲げられるし、持ち運びが簡単なのがよさそうですね。例えば冬場、暖かくなるようダウンジャケットに縫い付けたり、いろいろアイデアがありそうですね。

ただ、残念ながら今、太陽光発電そのものは大きな曲がり角を迎えています。国が、太陽光発電の買い取り価格を引き下げた結果、こちらのグラフのように、太陽光パネルの国内出荷量は減ってきているんですね。

リポートにあったような新しい技術で用途が広がって、コストが下がることが今後の普及の鍵を握るように思います。

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