2014年11月14日

清流の恵み


こんにちは、土日キャスターの和久田麻由子です。
先日、「旬体感」の取材で、静岡県河津町を訪ねました!
春になると両岸に“河津桜”が咲くことで有名な、清流・河津川。



川底の岩までくっきりと見えるほど、きれいな水が流れています!
山々に囲まれていますが、ここからわずか4キロほど下れば海に出ます。



この“海に近い清流”でとれるのが・・・


 
河津町特産の「モクズガニ」です!10月から12月にかけて、漁は最盛期を迎えます。
甲羅の大きさは、およそ7~8センチ。はさみの部分には、
フサフサの茶色の毛が生えています。
この毛が水中の“藻”のように見えることから名付けられたそうです。

秋になると親ガニは産卵のために海に下り、生まれたカニは川を遡上して、
数年かけて清流の中で育ちます。
“海に近い清流”がある場所でないと、モクズガニは現れないのです!


 
漁に使うのは、このかご。「もじり」と呼ばれるものです。
中央に“魚のアラ”をつるし、夕方、川の中に仕掛けます。
すると、魚のにおいにつられたカニが、
夜のあいだに網のすき間から中に入るという仕組みです!
翌朝早くに、かごを引き上げます。
多い時には、30匹以上のカニが入るとのこと!


 
漁を教えてくださったのは、河津川のすぐそばでペンションを営む
堤國仁(つつみ・くにひと)さん。
堤さんをはじめ、河津町のみなさんは、
子どものころから川で遊びながら、モクズガニをとっていたそうです。
漁を行っているのも専門の漁師ではなく、
堤さんのように民宿や料理店などを経営する方、
川の近所にお住まいの一般の方ばかり!
サラリーマンや農家の方が、早朝、仕事の前にかごを引き上げる姿も見られるそうです。
地域の日常に溶け込んだ、とても身近な食材なのです!


 
また、モクズガニは市場に出荷できるほどの量はとれないため、
ほとんどが地元の民宿や家庭で消費されています。
まさに地元だけの“地産地消”の味です!!

そんな貴重なモクズガニの味わい方は、シンプルな塩ゆでと味噌汁です。
ゆでると甲羅がぱっと赤くなります。
やわらかく甘みのある身に、たっぷり詰まった濃厚なミソ!コクがあり、なめらかでした。

そして、地元に伝わる味噌汁は“ズガニ汁”と呼ばれ、作り方も独特です。
生のカニを殻ごとすりつぶし、味噌と昆布だしと合わせてこした汁を、とろ火にかけると・・・
鍋のふちからフワフワっと徐々に固まっていき、
“フワフワの具”と“澄んだスープ”に分かれていくのです!
カニのうまみと香りがギュッと凝縮された、濃厚な味噌汁でした。

この“ふるさとの味”を末永く受け継いでいくために、
堤さんも所属する地元の漁協では、
漁のかごは「一人3つまで」とルールを定めたり、稚ガニの放流を行ったりして、
川の恵みを大切に守っていらっしゃいます。
一時、漁獲量が落ち込んだ時期もありましたが、
いまでは少しずつカニの数が増えてきているそうです。
堤さんは、「河津にはズガニが欠かせない。古くからの友達みたいなものだね。」と、
顔をほころばせながらお話しくださいました。

モクズガニは、河津町の食文化に欠かせない、地域の暮らしに溶け込んだ旬の食材でした。
河津町のみなさん、どうもありがとうございました♪

投稿時間:19:00 |  カテゴリ:キャスター | 固定リンク

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