バルーンサーカス団のいす、マックがいました。
マックはかわいそうに憶病で泣き虫でした。
だのに、人がたくさんのイスをつみかさねた上にのる芸のときに、いつも一番上の段になるのです。
マックはいつも夜にしくしく泣いていました。
すると隣で寝ていたイスのマーチが言いました。
「ぼくが今度から一番上になってあげる。だから、二番目がんばって」
「マーチいいの?」
マックはびっくりしました。マーチは勇敢なので、いつでも一番上でした。
次の日、サーカスをやることになりました。
マックもマーチも、とても頑張りました。
そして最後に太った団長さんと太った手品師がマックとマーチの上に座りました。
マックはもうイスの底が破けそうでした。さすがのマーチも汗をかいていました。
それで二人はイスのみんなに、この事を話してみんなでくすくす笑いました。