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コラム02:伊東敏恵のちょっとひと詠み
(顔写真)伊東敏恵
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コラム03:青山祐子のすべりこみセーフ
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第49回 :2008.3.19

遅ればせながら、“雛祭り”を堪能してきました。広島県福山市鞆の浦。潮待ち風待ちの港として栄え、古い町並みが今も残るこの地域では、毎年2月から3月、各家庭に代々伝わるひな人形を、店先や家の軒先に飾って、観光客に見てもらうイベントを行っています。商家に大切に受け継がれてきた江戸時代の豪華な七段飾りや、押し絵雛、明治時代の御殿飾り、立雛、流し雛……どの人形の顔も、娘の成長や子孫繁栄の願いが込められてきたのが手に取るように分かる程、いきいきとした表情でした。天気も、平井さんの予報通りの暖かさ、まさに春を満喫した週末でした。
この春、「ニュースウオッチ9」は、ようやく丸2年が経った事になります。新しいニュース番組として立ち上げから関わり、私自身も試行錯誤しながら皆様にニュースをお伝えしてきましたが、3月末で卒業し、4月から「ニュースウオッチ9〜第2期〜」がスタートします。2年間、本当にありがとうございます。そして、引き続き、番組を宜しくお願いしますネ!
最後の写真は、街で見かけたしだれ桜です。下から見上げると、つぼみの存在感も増してきました。枝の向こうには、春のおぼろ月……皆様にとって、よい桜を眺められる“いい春”であります事を、心から願いながら!

(第49回写真)
「 細き枝が 日に日に潤う しだれ桜は たおやかに春の その時を待つ  」
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第48回 :2008.2.21

二月、私は毎年必ず、初任地の岡山へ向かいます。心から敬愛し、でも一度も会えなかった岡山県出身の詩人、永瀬清子さんの命日に、朗読会が催されるからです。
入局して初めて取材・制作した30分番組で取り上げたのが永瀬さんだった事が縁で、今年も12回目を迎える会へ…出身地の熊山町(現・赤磐市)の会場には、400人を越える人々が集まっていました。
永瀬さんは明治39年生まれ、大正、昭和、平成の4つの時代を生き、結婚し子育てや家事をしながら、そして仕事の農業をしながら、力強く且つみずみずしい詩を、“ちゃぶ台”で書いていた詩人です。まだ女性がはっきり物を言う事が難しかった当時から自分の思いをはっきり言葉にし、80歳を過ぎてミセス現代詩女流賞や地球賞を受賞、89歳で亡くなるまでペンを握り続けました。
毎年、朗読会では、永瀬さんのファンである谷川俊太郎さんや新川和江さん、ねじめ正一さん、沢田知可子さんなどゲストも招いていますが、会を重ねる度に、地元の人達が詩を朗読したり、永瀬さんが作詞した校歌を地域の人達が合唱したりと、“地元参加型”になっているのが嬉しい限りです。
今年は、私も10編の詩を朗読しましたが、何より心打たれたのは、朗読会の前半、県内の小中学生から詩を募集し、優れた作品に贈られる「永瀬清子賞」の発表の時でした。小学生低学年の子供達が、400人もの観客を前にそれはそれは堂々と自分の詩を朗読したのです!
永瀬さんはこう書き遺しています。「書かなければわからない 自分の言葉は。それが書く値打ちがあるかどうか 書いてはじめて自分の背中に気がつき あなうら(足の裏の事)に気がつく」と。その永瀬さんの精神をしっかりと受け継いでいた小さな詩人達に、励まされた一日でした。
写真は、帰りの新幹線で、後ろ髪引かれながら岡山駅方向を車窓越しにパチリ。

(第47回写真)
「 名を呼ばれた 子等の俊敏な「ハイ」の返事は 皆の心を 清く漉しゆく  」
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第47回 :2008.1.21

先日、2つ下の弟の結婚式に出席するため、奈良に行ってきました。
久々に家族・親戚一同が和気あいあいと大集合!皆様の祝福を受けながら、高砂席に座る弟は、しばらく合わない内にとてもまぶしく頼もしく見え、姉としてほっと一安心でした。

式の翌日、奈良は時折みぞれ交じりの天気でしたが、せっかくなので小学生以来久しぶりに奈良・東大寺へ足を運びました。荘厳で巨大な仏像に圧倒されながら、大仏殿の中を回っていると、見つけました、あの柱の穴!大仏の鼻の穴と同じ大きさで、くぐると御利益があるとやら言われている穴!
思い返せば、小さい頃に来た時は、弟と妹は平気でくぐる事ができたのですが、私は閉所恐怖症なのでくぐれなかったのです……。だから今回こそ、と思っていたのですが、こんなに小さい穴でしたっけ!?絶対無理な大きさで、あきらめました。
でも、それもそのはずですよね。穴をするっとくぐり抜けていた幼い幼い弟が、気がつけば新しい自分の家族を作ろうという年齢になったのですから。

帰りの新幹線、改めて、過ぎた時の流れをしみじみ心に刻みながら、戻ってきました。

(第47回写真)
「 弟が 妻となる女性(ひと)に添える手は 知らぬ間(ま)に隆々(りゅうりゅう) 逞しき  」
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第46回 :2007.12.24

2007年が終わろうとしています。今年も様々なニュースがありました。激動の国政に食や年金をめぐる不信、都市との格差による地方の悲鳴、省トップ次官の金銭感覚の麻痺した癒着、平穏な暮らしを脅かした数々の銃撃事件……。来年はいいニュースが多い年である事を願わずにはいられません。

今回の写真は、以前、山口県長門市で見かけた風景です。街中の路地に面したある一軒の家の壁板にタイルが貼られ、そこに金子みすずの詩「明るいほうへ」が書かれていたのです。金子みすずはここ長門出身の詩人で、「若き童謡詩人の巨星」と賞賛されながらも、昭和5年、26歳の若さでこの世を去りました。この作品、よく見ると、それぞれ一枚一枚のタイルに、地元の子供達の将来の夢や希望…「大きくなったら宇宙飛行士になりたい」とか「受験に合格しますように」という願いも書かれていました!
この詩は、「明るいほうへ 明るいほうへ…」と始まり、「…一分でも広く日のさすほうに」と締めくくられています。来年は、少しでも明るいニュースが増えますよう、そして皆様にとってもよい一年でありますように。

(第46回写真)
「 寒暁(かんぎょう)を 打ち破り 街を和ませる 冬の日射しは たくましき  」
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第45回 :2007.11.14

先日、アフガニスタンにある小中学校を支援するグループの報告会に行ってきました。
このグループは、以前ブラジルからの中継でご一緒したフォト・ジャーナリストの長倉洋海さんが立ち上げたもので、3年前から、アフガニスタン北部パンシール県の山間の学校への支援活動を行っています。標高3000mの渓谷にあるため復興と支援の手が届きにくい地域で、学校には当初、窓ガラスも扉もありませんでした。そこにグループが教材や文具を送ったり、今では、教師の育成もサポートしています。この日は、6月に現地を訪ねた長倉さんによる写真のスライドショーがあり、現状が報告されました。日本から届いたバッグを背負い、岩だらけの通学路を走っていく子供達のいきいきした表情。大切に教科書を使っている様子。そして何より嬉しかったのは、支援している学校が、パンシール県で一番になった事!「活動を長く続ければ、子供達が喜ぶ顔だけではなく、成長の過程を知る事もできて励まされる」と話す会場の人の声が印象的でした。
写真は、展示されていた現地の子供達の絵です。最初子供達は、お絵かきが何かさえ分からず、日本から送られてきた絵本を真似ただけの単調な絵しか描かなかったそうです。それが、今描かれた絵はご覧の通り。鮮やかな色が、そして夢が溢れていました。
夜、報告会から戻る途中、仲の良さそうな2人の子供が、私を追い抜いて行きました。親友同士か、あるいは兄弟か。世界の全ての子供達が月の光に優しく包まれる日を願って。

(第45回写真)
「 子供らの 帰路 守りおる 月光(つきひかり)  」
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第44回 :2007.10.16

新米が美味しい季節になりましたね。鍋の蓋を開けた瞬間にキラキラ輝くお米と対面する時の幸せは格別です。
番組では10月半ば、米農家が危機に直面している現状について放送しました。余り続ける米、下がり続ける価格、そして、何より大きいのが日本人の米離れ……。米の産地は非常に厳しい状況にあります。
日本人がお米を食べる量は昭和40年代に比べると半減したそうです。確かに、今は食事スタイルが広がり、美味しいものが溢れています。消費者からすると、価格は下がり、色々な輸入米から好みの味を選べる時代ですが、それだけでいいのか、すまされるのか。お米は日本の主食というだけではなく、日本の暦も季節の行事も、もともとは稲作の文化から生まれたものです。実りを実感する季節、日本の主食・米についてちょっと箸をとめて考えてみては。
2夜連続で放送したNHKスペシャル「ライスショック」で、ナレーションを担当しました。米の問題について考えるきっかけになればと願います。
先日、久々に故郷に帰ると多くの田んぼが、耕作放棄地になっていました。

※NHKスペシャル「ライスショック」は、10月16日(火)、17日(水)の深夜24:20から再放送されます。

(第44回写真)
「 秋の日射しを いっぱいほおばり新米が 光の粒子となる台所  」
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第43回 :2007.9.19

番組で「病院で、元患者の方が患者の相談窓口のスタッフとして活躍している」という医療現場の新たな取り組みを放送しました。同じ体験をした人だからこそ患者さんの気持ちに寄り添える事は確かです。病院という、ともすれば閉鎖的になりがちな空間に、様々な立場の人が連携をとりながら関われば、病院内も“いい風”が吹くと思います。
先月の夏休み中、“いい風”が吹いている病院を訪ね、朗読ボランティアコンサートをしてきました。この病院では、院内にいる患者さんのために、月に一度、昼休みを開放し、院内で生演奏のコンサートを開いているのです。その病院に勤める友人から「ボランティアで、歌と朗読のコンサートをしない?」という電話があったのが数ヶ月前。彼女は10年来の友人で、医師として働きながら、趣味である音楽も極めている声楽家です。彼女の歌と、友人の若手ピアニスト、そして私の詩の朗読で、病院の待合室を使わせて頂けるとの事。是非!と即答し、その間、それぞれ仕事の合間を縫ってアイデアを出し合い、8月27日に敢行しました。「ふるさと」「浜辺の歌」に始まって、プッチーニやサティの作品、ショパンのノクターンの合間に、私は、谷川俊太郎さんの詩「生きる」を朗読。直接音楽に触れられない患者さんや、お見舞いに通う家族の皆さんが120人近く集まって下さり、昼休みのひとときを皆さんと一緒に過ごす事ができました。その時の写真が、先日届きました。昼下がり、病院内に生演奏が流れ、開放的な窓からこぼれる光は、今もまぶしく思い出されます。

(第43回写真)
「 天窓からの 日射し 生命(いのち)のシャワーの如く 病院 待合室に降る  」
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第42回 :2007.8.1

先日、久しぶりに広島へ。
東京に来る前に3年間勤務した場所、毎年今の時期は、ヒロシマの日の企画制作に向けて奔走していたのを思い出します。7年ぶりに、広島で最初に取材した場所を訪ねてみました。広島市立袋町小学校です。
昭和20年8月6日に被爆したこの学校は、やけどをした人達が助けを求める場所、家族を失った人達が避難する場所にもなり、教室の壁とチョークが、安否を尋ねるのに使われました。戦後、校内に残ったその伝言や爆風で壊れた窓などは、子供達に、市民に、原爆の悲惨さを伝え続けました。
7年ぶりに見た学校は……老朽化が進み平成14年に取り壊され、斬新なデザインの校舎に一変。しかし、被爆した建物は資料館として生まれ変わっていました!(写真;入口にパネル写真、その向こうには折り鶴も)
学校の敷地内にあって道路にも面しているため自由に入る事ができます。こうした環境に育つ世代が、これからの未来を支えてくれるに違いありません。
平和の尊さを常に自然に感じている広島の子供達、今朝も通勤途中に出会った既に日焼けした元気な子供達、そして、被災した地域で片づけを手伝いながら夏休みを過ごす新潟の子供達……ささやかな願いは、全ての子供達が“子供らしく”過ごせる夏であります様。

(第42回写真)
「 子どもらの幸せは 波の如くあれ ひく時あれど 必ずまた寄す  」
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第41回 :2007.6.29

先週末、山形県寒河江市に行ってきました。この時期の山形といえば…そうです。さくらんぼです。山口に生まれ、岡山、広島での勤務を経験した私にとって、冷涼な東北は殊のほか新鮮です。数年前にご縁があった寒河江のさくらんぼ農家Wさんにお会いしました。美しいサクランボに敬意を表して、毎回行くたびに行っている儀式がこの写真です。今年も美味しく頂きました。
今年は、花が咲く時期に冷え込んだために、受粉を助けてくれるミツバチの数が少なく、収穫量は例年よりやや少なめとのことでした。それでも、甘みは十分。口の中でつやつやの皮がはじけ、ジューシーな果汁が広がりました。

さまざまな農産物の生産者にとって、1年を左右するのが、作物の生育期のあたたかさ、日射し、そして雨などの気象条件です。ことしは四国などから水不足のニュースが届いています。被害をもたらさない程度の恵みの雨がいつ降るのか。気象情報のコーナーで、平井さんとしっかりお伝えしていきたいと思います。

(第41回写真)
「 初夏(はつなつ)の 紅きダイヤの葉陰から 覗き見られし 午後の幸せ  」
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