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2016年2月7日放送 再放送:2月14日よる

にじむ心 ゆらめく命
版画家・恩地孝四郎の色とかたち

出演

池内紀さん(ドイツ文学者)
松尾たいこさん(イラストレーター)

VTR出演

桑原規子さん(美術史家・聖徳大学教授)
山田武彦さん(ピアニスト・洗足学園音楽大学教授)
三井田盛一郎さん(版画家・東京藝術大学准教授)

薄い灰色や茶色の層がいくつも重なり、その上をモヤモヤと不思議な形がただよう。所在なげな渦巻きに帯。何を表しているのか?版画家・恩地孝四郎(おんちこうしろう・1891~1955)の傑作である。恩地は、厚紙やヒモ、布などを使う型破りな手法で全く新しい版画を生んだ。描き出そうとしたのは、みずからの心の風景。この《リリックNo.6 孤独》では、老いに揺れる心情を色と形だけで表そうとした。海外からも注目を集める恩地のミステリアスな魅力をひも解く。

大正時代、恩地は東京の美術学校の仲間とともに、版画を発表する同人誌「月映(つくはえ)」を刊行した。当時は不治の病とされた結核が広まり、恩地の家族も亡くなる。死の影におびえた青春の中で、恩地は、不安を払いのけるような力強い形と明るい色の作品を発表した。自分の心を見つめる版画-「抒情(じょじょう)」(あるいはリリック)と名づけられた-は、そんな時代に生まれる。そして、死が身近にあった時代に育んだ生命をたたえる思い。昭和に入って「抒情」はどのように進化していったのか?そして生命を見つめる思いはどう映し出されていくのか?
最晩年の謎めいた二作品、《イマージュNo.6 母性》《イマージュNo.9 自分の死貌》に託した心情は?色と形だけで心を描くという、大胆な試みに挑み続けた恩地孝四郎の思いを見つめる。

関連展覧会

恩地孝四郎展

会場 東京国立近代美術館 1月13日〜2月28日
巡回 和歌山県立近代美術館 4月29日〜6月12日

※会期中、一部展示替えあり


スタジオを彩ったお花はこちら

写真

リリックNo.6 孤独(東京国立近代美術館)