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2012年6月17日放送 再放送:6月24日

モダンを極める ~福田平八郎 新しい日本画への挑戦~

出演

中島千波さん(日本画家)

大正から昭和にかけて活躍した日本画家の福田平八郎。斬新でありながら、どこか懐かしい不思議な作風で独自の地位を築いた。生誕120年の今年、改めて注目を集めている。
福田は、日常の暮らしや趣味の釣りを通して出会ったモチーフを、繰り返し写生した末に作品を描いた。その特徴のひとつは、狭い視界で見た部分だけを切り取るトリミング。代表作「漣(さざなみ)」では、魚が釣れないときに気づいたという水面の美しさを表現するため、湖面の狭い一角だけを描いた。あたかも、湖面の前に立っているような錯覚さえ起こさせる傑作だが、昭和初期に発表された当時はあまりにも斬新で、浴衣の柄のようだと酷評された。今回、福田の故郷である大分県の大分県立芸術会館が所蔵する「漣」のスケッチなどから、この作品が緻密な観察の末に生み出された傑作であることを読み解いていく。
福田がこうした表現方法を身につけるまでには、多くの挫折や葛藤があった。若き日々、対象と真剣に向き合えば向き合うほど、自然は「極小な美の無限の連続」のように思えてくる。心を病むほどの窮地に陥った時、福田は、改めて自分ならではの表現を模索し始めたのだった。
福田の傑作の数々を堪能しながら、日本画の新境地を切り拓(ひら)いた格闘の軌跡を追う。

関連展覧会

「福田平八郎と日本画モダン」

山種美術館(東京都渋谷区) 5月26日~7月22日

スタジオを彩ったお花はこちら

写真

福田平八郎《漣》1932(昭和7)年 絹本・彩色
(大阪市立近代美術館建設準備室蔵)


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