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2011年10月9日放送 再放送:10月16日

天才画家・岸田劉生
二つの傑作と苦悩

出演

諏訪敦さん(画家)
篠雅廣さん(大阪市立美術館館長)

日本の近代洋画を代表する肖像画「麗子像」。大正期の天才画家、岸田劉生が娘、麗子を描いた画家の最高傑作だ。劉生にはもう一つ、「麗子像」と並ぶ知られざる傑作がある。東京代々木の坂道を描いた「道路と土手と塀(切通之写生)」だ。なんの変哲もない坂道を描いた写実的な風景画だが、よく見るといくつもの不思議が浮かび上がってくる。坂道は切り立つ山のように、先へ行くほど急になっている。道に沿って伸びる白い塀は、奥へ奥へと続いているが、全体を見渡すと、坂道と切り離されたように独立した存在感を感じさせる。写実絵画でありながら、どこかいびつな絵に見えてくるのだ。
「麗子像」と「道路と土手と塀(切通之写生)」、ともに国の重要文化財に指定されている二つの作品には、劉生が古今東西の美を徹底的に研究した上で生み出した、まさに「劉生ワールド」ともいえるさまざまな仕掛けが施されている。
番組では「自分でしか描けない美とは何か」、劉生の画業の軌跡と、彼が残した多くの文章をもとに、二つの傑作の謎を読み解くとともに、 その後、劉生が美を探求するあまりに直面した苦悩へと迫る。

関連展覧会

生誕120周年記念 岸田劉生展

大阪市立美術館 9月17日~11月23日

写真

『麗子像』
1921年 重要文化財 東京国立博物館


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