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2010年5月9日放送 再放送:5月16日

梅のように生きたい
小倉遊亀 105年の画道

出演

武田 厚さん(美術評論家)
森 寛子さん(小倉遊亀の孫)

VTR出演

堀 文子さん(日本画家)

日本画壇の重鎮小倉遊亀が105歳で天寿を全うしてから10年がたつ。1938年、43歳で「浴女その一」を発表し画壇に新風を吹き込んだ遊亀は、戦後も次々と意欲作を発表し日本画の新たな表現に果敢に挑戦していった。その画家が、70歳を過ぎてから盛んに取り組んでいったのが梅の作品だった。
禅の世界では、梅は寒さに耐えて春一番に花開くことから、厳しい修行に耐えて悟りに至る境地にたとえられている。「絵を描くことは坐禅(ざぜん)と同じ、対象に宿る美しさを発見するためには無心に物を見る態度を養わなければならない」と考えていた遊亀。己の画業を「求道精進」と位置づけていた画家の庭には大好きな梅があった。
70歳を過ぎてから遊亀は「人間は年老いて老醜のみじめさを味あわねばならないが、梅は年老いて美にますます深みを増す」という言葉を残している。老いていく自分を鼓舞し、生きる勇気を与えてくれるのが梅の花だった。88歳の「つかのま」96歳の「咲きそろう」など年とともに遊亀の梅の作品は艶(つや)やかさを増していく。それは梅と同化し、自然と一体になっていく過程とも受け取れる。
梅に寄せた遊亀の思いを、亡くなるまで介護を続けた孫の証言も交えて探っていく。

関連展覧会

「没後10年 小倉遊亀」展

宇都宮美術館 5月30日まで

スタジオを彩ったお花はこちら

写真

『浴女その一』東京国立近代美術館蔵


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