2009年12月13日放送 平山郁夫さん追悼
(初回放送:2007年9月30日)
平山郁夫さん(日本画家)

『中亜熱閙図』 (1971年)
現代日本画壇を代表する画家・平山郁夫(77)。およそ40年間にわたってシルクロードを描き続けてきた。それはもはや平山のライフワークであることを超えて、壮大な人類悠久の文明絵巻となっている。シルクロードへの旅は130回を超え、その間に2万点にものぼるスケッチが描かれた。その精髄が平山ならではの美しい画面に昇華するのだ。そこには、確かな命の存在感を描きたいという激しい情熱が秘められている。昭和22年に東京美術学校、現在の東京藝術大学に入学した平山は、戦後の混迷とともに日本画滅亡論が叫ばれるなか、自分だけの表現を模索し続けた。そして原爆症で命の危険にさらされ追いつめられたとき、「仏教伝来」という作品で自分の表現を掴み取る。以後釈迦の伝記である仏伝に題材をとりながら、常に自らの実感を絵に昇華させることで、独自の画風を確立した。そして仏教が伝えられた路を自分の足で踏みしめたいと訪ねたシルクロードで、平山は数千年におよぶたしかな人間の営みを実感する。広島での被爆体験を原点に、幾多の興亡を繰り返してきた歴史の中に人が生きた場をみつめ描き続ける平山の、初期から最新作まで紹介しながら、アトリエを訪ね創作の源を探る。

『絲綢之路天空』 (1982年)

『広島生変図』 (1979年)