2009年10月18日放送

最期の葛藤 天才画家・速水御舟

出演

さこ正明さん(東京藝術大学教授)

限りなく本物に近づく描写力。豊かな色彩表現、ダイナミックな画面構成。ありとあらゆる絵画技術を極め、天才の名をほしいままにした画家がいた。大正・昭和を駆け抜け、40歳という若さで急逝した日本画家・速水御舟だ。その卓越した才能に、日本画壇の重鎮・横山大観や洋画家・岸田劉生らも一目を置いた。昨年12月、御舟が最晩年に手掛けたとされる作品の所在が明らかになった。彩色もほとんどなく描きかけのまま何十年もの歳月を旧家の蔵の中で眠っていたという未完の大作。カビやシミが全面を覆う、傷みの激しい大作を修復していくと、そこには6人の女たちの群像が描かれていた。花鳥画や静物画を得意としてきた御舟が、40年の生涯残した作品は700点余り。人物を描いたものは数えるほどしかない。当時の日記には人物画に挑んだ御舟の苦悩がつづられている。晩年の御舟はどんな芸術を目指そうとしていたのか?未完の 大作に御舟芸術の行方をたどりながら、天才画家の知られざる最期の葛藤に迫る。

スタジオには、未完の大作の修復監修を務めた東京藝術大学の宮さこ正明教授を招き、御舟の人物画の魅力、未完の大作に秘められた驚きの仕掛けなど、徹底的に見ていく。

関連展覧会

「速水御舟 日本画への挑戦」展

会場 会期
山種美術館(東京都渋谷区) 11月29日まで


速水御舟『婦女群像』(未完)
絹本墨画彩色 1934(昭和9)年 個人蔵


速水御舟『炎舞』(重要文化財)
1925(大正14)年 第1回個展
絹本・彩色 山種美術館蔵