2009年10月11日放送
横尾忠則さん(画家)
目的もなくただただ泳ぎ続けるメダカ・・・
その姿を飽きずに眺めている画家がいる。
横尾忠則。
絵画、デザイン、映画、演劇、文学、ジャンルの枠を超えて、半世紀に渡り時代をリードしてきた。「主題を持たない」「様式を持たない」。その自由な創作スタイルは、一人の人間が描いたとは思えないほど多様な表現を生み出してきた。
「自分の作品はすべて未完である」と語る横尾さんは絵を完成させることにさえこだわらない。日常にあふれる街角の風景を描いた連作「Y字路」。同様のモチーフを繰り返し描きながら、絵を描く行為そのものに没頭していく。自我をなくしていくことが、自由な表現につながると、横尾さんは考えている。
今年73歳を迎え、横尾さんは少しずつ「こども」のころの感覚に戻りつつあるといいる。「こどもの五感でモノを見たい」今、横尾さんのまなざしは日々の暮らしに向けられている。近所の川に住む生き物や飼っているメダカ。自由気ままに泳ぐメダカの姿は横尾さんの理想の姿なのかもしれない。
横尾さんには今、夢中になって描いているモチーフがある。“水”。横尾さんは子どもが遊ぶように、無我夢中に筆を走らせる。キャンバスに赤く渦巻く“水”の波紋からは生命の鼓動のような力強さが感じられる。
自我をなくし、子どもの目を持った画家はどこへ向かうのか?
自由自在に生きようとする画家・横尾忠則の現在を見つめる。
未完の横尾忠則−君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの
| 会場 | 会期 |
|---|---|
| 金沢21世紀美術館 | 11月3日まで |

『アストラルタウン』 2008年

『君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの』
2009年
