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2009年7月12日放送

与謝蕪村 響き合う絵と詩

出演

小林忠さん(学習院大学教授・千葉市美術館館長)

江戸時代中期、画壇と俳壇の両方で名を成した与謝蕪村(1716-83年)。そんな彼だからこそ作り上げることができた芸術がある。こっけい味のある絵に句が添えられた「俳画」と呼ばれるジャンルだ。
江戸や奥州、丹後などを旅して句を作り続けた蕪村は、やがて京都に落ち着き本格的に絵の世界へ。独自の画風を模索する中、50歳半ばで転機が訪れる。当時、天才の名をほしいままにしていた池大雅との競作「十便十宜帖」の制作だ。そして、60歳を過ぎて更なる才能を開花させた蕪村は、数々の傑作を生み出していく。厳しい寒さの中にたたずむ鳶(とび)と鴉(からす)の姿を人間のように表現した「鳶鴉図」。どこか切なさの漂う俳画「『己が身の』自画賛」。
都の雪景色を描いた晩年の最高傑作「夜色楼台図」は、今年、国宝に指定された。
それら見る者の心象世界を映し出す作品は、老境の蕪村が到達した独自の表現だった。
切なさと郷愁がにじむ蕪村の世界は、どのように生まれたのか。番組では再現ドラマも交えながら、その人生と作品をたどっていく。そこから浮かび上がる、蕪村芸術の本質を感じてほしい。

写真

「鳶鴉図」


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