2009年5月3日放送
山本容子さん(銅版画家)

『富士に献花』
1990年 個人蔵
去年、103歳で世を去った日本画家、片岡球子。片岡は80年に渡って、描きたいという情熱に身をゆだね、思いのままに描き続けた。代表作、富士山のシリーズは、野太い線と激しい原色が強烈な印象を与える。
片岡の絵を愛する作家・瀬戸内寂聴さんらのインタビューを交え、エネルギーに満ちた表現がどのように生み出されていったのかを探る。
富士山を描く前、片岡は小学校の教員を務めながら、絵を展覧会に出品し続けた。しかしアクの強い個性は“ゲテモノ”と呼ばれ落選を繰り返す。自殺まで考えた片岡を救ったのは画壇の重鎮、小林古径の言葉だった。「あなたの絵は確かにゲテモノだが、ゲテモノと本物は紙一重。あなたの絵を絶対に変えてはいけない」。片岡は古径の言葉を支えに、生涯「描きたいものを描きたいように」という信念を貫いた。
小学校の教え子で、神奈川県立近代美術館の山梨館長は、子供たちとの学校生活が、片岡の創作を支えていたという。さらに片岡は、子供たちとのふれあいの中で、子供の奔放な感性を絵に取り入れていた。番組では、60歳を過ぎてから始まった「面構(つらがまえ)」シリーズや、100歳まで続けた裸婦の連作も紹介、画面が動き出すようなエネルギーに満ちた片岡の絵の魅力に迫る。
「追悼103歳 片岡球子展~天に献げる地上の花~」
| 会場 | 会期 |
|---|---|
| 岡山県立美術館 | 4月29日~5月17日 |
| 東京・日本橋髙島屋 | 5月20日~6月1日 |

『面構 葛飾北斎』
1971年 神奈川県立近代美術館蔵

『ポーズ1』
1983年 札幌芸術の森美術館蔵