2009年4月26日放送
篠山紀信さん(写真家)

『グランドオダリスク』
ルーヴル美術館蔵
「芸術は今革新を必要としている。私は革命家になりたい」
19世紀フランス絵画の巨匠ジャン=オーギュスト=ドミニック・アングル(1780-1867)は、生涯にわたって裸婦を描き続け、革新的な表現で自らが理想とする女性の美を創り上げようとした。
ルーヴル美術館蔵の「グランド・オダリスク」は、優雅な体の曲線と白く輝く肌が際だつ裸婦の名作だが、身体は長く引きのばされ、腕も異様に長くデフォルメされている。サロンに出品したとき、批評家たちは不正確なデッサンをこぞって非難した。デッサンの天才といわれたアングルが、なぜいびつな体の裸婦を描いたのか。それは、ラファエロから学んだ円によるフォルムを応用して、理想の美を実現しようとしたアングルの試みだった。
オルセー美術館蔵の「泉」はアングルの描いた裸婦の最高傑作。一糸まとわないヴィーナスだが、人間的ななまめかしいリアリティが加味され、女性の内面的な美まで描こうとした。
さらに、アングルは、20世紀美術にも大きな影響を与えるような革命的ともいえる表現を取り入れていた。晩年の「パフォスのヴィーナス」は、一見自然にみえるポーズだが、よく見ると背中と胸が異なる視点から描かれている。
スタジオゲストに写真家の篠山紀信さんを招き、アングルの裸婦の魅力に迫る。
「フランス絵画の19世紀〜美をめぐる100年のドラマ〜」
| 会場 | 会期 |
|---|---|
| 島根県立美術館 | 5月31日まで |
| 横浜美術館 | 6月12日から8月31日 |

『泉』
オルセー美術館蔵

『パフォスのヴィーナス』
オルセー美術館蔵