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2010年1月17日放送

夢の若冲・傑作10選

出演

辻惟雄さん(東京大学名誉教授・美術評論家)
斉藤環さん(精神科医)
池上高志さん(東京大学教授・複雑系科学)
奥谷喬司さん(東京海洋大学名誉教授・日本貝類学会会長)
伊藤信博さん(名古屋大学 江戸文化研究)
布施英利さん(東京芸術大学准教授・解剖学)

鶏や昆虫、花や魚・貝など日常にあふれる何の変哲もない身の回りの生き物たちが、この絵師が描くと生々しく奇妙で、空前絶後の作品へと変化する。江戸時代中期に活躍した絵師、伊藤若冲(1716-1800)。人間や風景には目もくれず、ひたすら生き物を描き続けた若冲は、京都は錦小路の青物問屋の長男として生まれた。商才もなければ嫁を迎えるでもなくぱっとしない旦那だった若冲。しかし、40歳で隠居したのち、いったん好きな絵を描き始めると、瞬く間に誰にもまねのできない天才性を発揮。子犬や虎の毛一本一本が執ように描きこまれ、方眼紙のような升目に描かれた点描的な作品は、「デジタル時代を先取りしたアート」と近年話題となった。

明治以降美術史の上でも忘れられていた若冲は、70年代に再評価され、90年代以降に超絶技巧や奇抜な構成が話題となり飛躍的に知名度が上がった「新しいアーティスト」。「若冲ブーム」とまで呼ばれ、近年の日本美術界の大きな事件として受け止められるまでになった。今年、若冲畢生の「動植綵絵」30幅が戦後初めて東京で一堂に会し、滋賀県のMIHOミュージアムでは新しく発見された「象と鯨図屏風」が評判を呼ぶなど若冲への関心がさらに高まりつつある。

今回の日曜美術館では、その伊藤若冲の名作を一挙公開。名作たるゆえんである「徹底した細密描写」や「徹底したデフォルメ」を描かれた生き物たちを分類し、その魅力の秘密を存分に楽しむ。80で世を去るまでの40年間の「若冲の傑作10選」を紹介。また、各界著名人にインタビュー、若冲の魅力を楽しく鑑賞する。

関連展覧会

「花丸図」(伊藤若冲筆 奥書院上段の間障壁画)

金刀比羅宮奥書院 3月19日~5月9日 一般公開予定

写真

『象と鯨図屏風』(MIHOミュージアム)


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