2008年8月3日放送
石山修武さん(建築家)
坂田明さん(ミュージシャン)
「“前衛”って言われると建築の注文が減るから困る」と、石山は苦笑した。“前衛”を模倣した“前衛もどき”ばかりが取りざたされる中で、石山の建築はまぎれもなく本物の“前衛”である。実は、石山は建築の注文なんて関係なく、やりたいことをやっている。石山の根っからの“前衛”である。
地下の排水溝などに使う工業用コルゲート・パイプで作った茶室『幻庵』。31歳の時のこのデビュー作で、石山は“前衛”として注目される。幽玄の世界にチープな工業用製品を使う大胆さ。その誰にも発想できないむちゃくちゃさが石山の世界を形成してきた。カンボジアの首都プノンペンに広島市民の依頼で建てた「ひろしまハウス」。原爆投下、ポルポトの大虐殺、20世紀の悲劇の記憶を未来に伝えるこの建物は世界から集まった延べ1000名のボランティアがレンガ一個一個を積み、10年がかりで完成した。素朴なレンガ積みという建築方法を提案した設計者の石山は「レンガを積む行為が、ひとりひとりの心に、ひいては社会に悲劇の記憶を刻む」と語る。
番組は、現在開催中の石山の本格的な展覧会「建築がみる夢」の準備に奔走する石山、会場を動き回る石山の姿を30時間以上記録した映像を編集し、建築家という枠をはみ出した前衛的表現者・石山修武を映し出す。展覧会場を訪れたミュージシャン坂田明との対話がおもしろい。最後に石山の作品に感動した坂田が会場で吹く即興演奏は圧巻である。
「建築がみる夢 石山修武と12の物語」
| 会場 | 会期 |
|---|---|
| 世田谷美術館 | 6月28日(土)〜8月17日(日) |