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2007年12月16日放送
【アンコール】2008年3月30日放送

「こんぴらさん」の美をさぐる

出演

池内紀さん(ドイツ文学者)
田窪恭治さん(美術家・金刀比羅宮文化顧問)

“こんぴらさん”の名で知られる四国の金刀比羅宮(ことひらぐう)は、信仰の社であるだけでなく、日本有数の美の宝庫でもある。 伊藤若冲、円山応挙が思いのままに筆をふるった華麗な障壁画がふすまを埋め尽くし、普段は非公開の傑作の数々が今、一挙に公開されている。全部で201の草花が空間を埋め尽くすように描かれた若冲の「花丸図」。大地から切り離された花々は、命ある生き物とは違った新たな装飾性を帯びて、若冲独特の感性が狭い部屋中に花の香りを充満させている。一方、円山応挙は、若冲とは逆に、部屋の中だけにとどまらず、外の空間をも取り込んだ壮大な絵を描いている。ふすま絵の滝から流れ落ちた水が、部屋を飛び出し、実際の庭園へと流れていく。絵と現実を組み合わせたバーチャルな作品は、応挙晩年の代表作である。また、虎の間では、どの角度から見ても自分を見ているような不思議な目をした「八方にらみの虎」を描くなど、ユニークなふすま絵もある。常にユニークで新しい文化や芸術を取り入れる“こんぴらさん”の気風は、21世紀の今も続いている。江戸時代から現在まで、書院の空間性を最大限に活かした“こんぴらさん”の知られざる美の全ぼうを紹介する。