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2007年9月16日放送
【アンコール】2007年12月9日放送

日々、いのち新たに
~日本画家・堀文子 89歳の鮮烈~

出演

堀文子さん(日本画家)

日本画家・堀文子さん、89歳。70年にわたり、自然の中の命の姿を描き続けてきた。 堀さんは「花の画家」と呼ばれる。透明感あふれる色彩と丹念な筆致で描かれた作品は、自ら花を植え育て、咲いてから散りゆくまでを見守ることで生み出される。一瞬もとどまることなく移ろいゆく命の姿をとらえようと、細部まで観察するそのまなざしは、科学者のように静謐だ。
堀さんはこれまで、住まいを変え、旅を重ねながら新しい作風を切り開いてきた。夫を亡くした後の海外放浪。70歳を超えてからのイタリア移住。82歳のときには、幻の花ブルーポピーを訪ねて、ヒマラヤの5000メートルの高地を踏破した。しかし6年前、重い病に倒れ、自由に旅をすることが難しくなる。
そんなとき出会ったのが、顕微鏡の中の世界だ。レンズの下の一滴の水を泳ぎ回るミジンコに、堀さんは、シンプルだけれど完璧な生命装置を発見する。原始の生物は、その姿で、何億年も命をつないできたのだ。以来、堀さんは、蜘蛛の巣の造形にも神の芸術を見出し、どうにかそれを絵にしようと、新たな技法にも取り組んだ。
病の後、堀さんの命を見つめるまなざしは、自分自身へと向けられ、いっそう研ぎ澄まされている。今は、物事の終わり、死に臨むということに、興味は向かっている。
「私、5ミリでもいいから、昇りながら死にたいです。描いたことのないものをふるえるように描きたいと思います」と語る堀文子さん。その日々は、新たな発見と驚きに満ちて、みずみずしい。

関連展覧会

「画業70年 自然と共に生きて 堀文子展」

大阪・なんば髙島屋グランドホール 2007年9月12日~9月24日
巡回 横浜髙島屋ギャラリー 2007年10月11日~10月22日

「年月の記録 スケッチ帳より 堀文子展」

ニューオータニ美術館 2007年9月29日~11月18日

写真


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