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2020年6月14日

2020年6月14日放送 アートシーン/#アートシェア

5月31日放送「日曜美術館」の特集、「#アートシェア 今こそ、見て欲しいこの一作」を引き継ぎ、6/7、6/14のアートシーンでも美術を愛するさまざまな方が選ぶ、とっておきの一枚を紹介しています。日美ブログでは番組で紹介した作品に加え、選出者によるコメントも全文掲載してお届けします。

●真鍋大度(アーティスト・DJ)

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Photographer: Akinori Ito

選んだ作品:リアム・ヤング 「City Everywhere」

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画像:リアム・ヤング 「City Everywhere」 Live cinema performance by Liam Young At MUTEK_IMG Edition 4 / Montréal 2018

コメント:オーストラリア生まれの建築家・映画監督、リアム・ヤングの『City Everywhere』というレクチャー・パフォーマンスを紹介します。『City Everywhere』はレクチャーか、ポエトリーリーディングか、そして映画なのか、わからなくなるような展開と構造を持っていて、非常に感銘を受けました。 今回紹介しようと考えたのは、ロックダウンの状態の都市が、まるで映画のワンシーンのように見えて、リアムの作品を思い出したことがきっかけです。

 

●目「mé」(現代アートチーム)

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「目」は、 南川憲二(左)、荒神明香(中央)、増井宏文(右)の3人を中心に結成された現代アートチーム。 photo:Takahiro Tsushima

選んだ作品:バルテュス 「美しい日々」

コメント:
南川「たとえば部屋で本を読んでいると、最初は机に向かって椅子に座ってきちんと読んでいるんですが、1~2時間たつと足が机の上に乗っかっちゃったりしますよね(笑)。そういう不思議な格好の人の姿が、バルテュスの絵では自然の景色のように描かれているんです。 また少女は鏡を持って自分を見ているんですが、鏡を見ている自分が周りからどう見えているかは、本人には見えていません。そういうところに、人が何かにとらわれていくときの、怖さとか狂気みたいなものが潜んでいると思うんです」
荒神「この絵が描かれた背景は、第2次大戦中の激動のさなかだったと言われています。すると絵の中に描かれている少女は、恐らく自由に外出できないときもあったはず。それは今の私たちの状況とも重なります。絵の中の時代が、自分たちにとって身近なものになった感覚がありました」

 

●蔵屋美香(横浜美術館館長)

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撮影:田中功起

選んだ作品:マーク・ロスコ 「ロスコ・チャペル」

コメント:最初にチャペルの中に入った瞬間は、マーク・ロスコの絵画がブルーグレーの板みたいに見えたんです。硬くて不透明な感じで。ところがこのチャペルには天井に窓があって、太陽の光が降り注いだ瞬間、チャペルの中がパッと明るくなり、ロスコの絵のブルーグレーの色の下から、赤や黄色や青など様々な色が浮かび上がってきたんです! 更に道があったり山があったりという、風景が見えるような気すらしてきました。 1度みなさんに見てほしい『ロスコ・チャペル』ですが、ヒューストンまですぐには行けません。でもいつかあそこでボーッと時を過ごしたいと思うことで、今を生きる私たちの希望が育まれるのではないでしょうか。

展覧会情報

ヨコハマトリエンナーレ2020 「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」
7/17-10/11
横浜美術館・プロット48(神奈川)
※事前予約制

 

●古田亮(東京藝術大学大学美術館准教授)

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選んだ作品:池大雅 「柳下童子図屏風」

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画像:池大雅 「柳下童子図屏風」 重要文化財 江戸時代 京都府蔵(京都文化博物館管理)池大雅美術館コレクション

コメント:童子が2人、橋の真ん中で、メダカやエビを無心に取ろうとしています。池大雅自身が心を遊ばせて描かないと、こういう絵は描けないと思います。同時にそれを見る私たちも心を遊ばせるような、心を解放させて見ることができる作品を、大雅は描くことができたわけです。 そんな芸術の力というものを、この作品は与えてくれるのではないかと思います。

展覧会情報

御即位記念特別展 雅楽の美
開催中止
東京藝術大学大学美術館(東京)