宮城県石巻市では、現在7000戸あまりの仮設住宅におよそ1万6000人の被災された方々が暮らしています。
寒さが一番厳しい時期ですが、みなさんどんな日々を送っていらっしゃるのでしょうか。
市内にある曹洞宗洞源院というお寺では、震災直後から大勢の人たちが次々と駆け込んできて避難所として使われていました。
去年8月、このお寺の避難所は閉鎖されましたが、ここで生活してきた人たちがグループを作って互いに支え励ましあう活動を続けています。
グループの顧問役の洞源院の住職、小野崎秀通(おのざき しゅうつう)さんに伺いました。
ラジオ第1![]()
1月17日の放送より
──洞源院はどんなお寺ですか
石巻市の渡波という牡鹿半島の入り口のところにあります。
お寺は去年950年を迎えまして、9月17日、18日に何とか記念事業をさせていただきました。
──何人くらいの被災された方々を受け入れてこられましたか
3月11日には250人くらいでしたが、2日、3日とたつにしたがって増えまして、多いときには400人くらい避難されたでしょうか。
8月に解散するまで、5か月間避難所となりました。
──そんな中で家族を亡くした方もいらっしゃるでしょうし、家を流されたという方もいらっしゃるでしょうね。
ほかの避難所とは違ってお寺ですから、そうした人たちの心を癒す場所にもなったのではないでしょうか
大勢なのでお寺として何もしてあげることができないのですが、みなさんが不安の中で、できるだけ気持ちが落ち着くように、1週間くらいたってから朝のお勤めを始めました。
「お勤めをしますから」
と言いますと、みんなもお経本を持って、ほとんど全員、3歳の子どもから80歳を過ぎたお年よりまで一緒にお唱えをするというのが続いてまいりました。
お勤めしたあとは何となく爽やかな気持ちになってくれたようです。
──みなさん自発的にお経を唱え始めたのですか
お寺は本来、朝お勤めしています。いつもどおり朝のお勤めと、亡くなった方々のご供養を、最初は私1人でするつもりでしたが、
「一緒に参列して供養してください」とお願いしましたら、自然とそれぞれお経本を持って一緒に参加するようになりました。
3歳、5歳の子どもたちが1週間もたたないうちに参加するようになったので、大人の人たちもそれに奮起された感じでずっと続けておりました。
――去年8月、避難所が閉鎖されるときにみなさんがグループを作ったということですが
ここで5か月間生活したみなさんが、バラバラに仮設住宅で生活をするということで、本当に孤立して生活しなければならない人もいます。
ですから、できるだけつながりを持ちたい、仲間どうしサポートしあうような会を作ろうということで結成したのが「叢林(そうりん)舎」というグループです。
叢林というのは、われわれ禅宗の修行寺のことを指します。
太い木、細い木、いろいろな木が林を作るように、いろいろな人たちが集まってお互いに協力し、励ましあいながら修行が進んでいくのが私たちの叢林でした。
ですから、ここで一緒に同じ釜の飯を食べた人たちが、これからもお互いに励ましあいながら声掛けしていければいいなということで発足したわけです。
洞源院叢林舎の事務局を担当されている須田祥蔵さんにも伺いました。
須田さんご自身も被災されて、避難生活を続けてこられたそうです。
──ご自宅や職場はどんな被災をされましたか
自宅も海沿い、会社も海沿いなので全部解体し、会社もまだまだ見通しが立たない状態です。
──どんな思いで活動を続けてこられていますか?
支援をしていただいた全国・海外の方々の恩に報いるために、自分たちも自立しながら助け合い、支援を送ろうかなということですね。
──具体的にはどんな活動をされているんですか
高齢者の方々が孤立化しないように、仮設住宅の集会所などを借りてお茶会などをやっております。
1か月でスケジュールを組んでいまして、集会所のアポイントを取りながらボランティアグループのコーディネーターをサポートして、ほかから来る炊き出し、支援とか、マジックショー、音楽の慰問などの活動のお手伝いをしています。
──花壇作りもなさっているそうですね
津波でさら地になったので、それをなんとかカラフルな色に仕上げたいという思いで、これもまた支援団体などの協力で球根や花をいただいて、花と緑の力で3.11プロジェクトみやぎ委員会という会と協力しながら、今まで4か所くらいやりましたね。
──一番寒い季節になりましたが、仮設住宅で暮らすみなさん、一番心配されることはどんなことですか
仮設住宅というのはどうして仮の家なので、すきま風が結構多いのと、行政の対応も遅れがちなので、寒くてみんな苦労しています。
今は二重サッシや二重ドア、そしてフローリングから畳に変わって、だいぶ暖かさは戻ってきた感じだとは思いますけどね。
──最後に一言お願いします
私たちも微力ながら、細く長く、こういった支援活動をしながらがんばっていきたいと思います。
それが全国、海外から支援してくださった方々への一番のお礼かなと思います。
また、高齢者が結構多いので、暖かくなったら会員みんなで温泉旅行にでもと考えていますが、先立つものも考慮しながら過ごしていきたいと思います。