高井 正智

2019年01月22日 (火)

涙、そして笑顔 高井正智

レスリング女子の吉田沙保里さんに、

第72代横綱・稀勢の里関。

 

日本のスポーツ界を代表する二人が、相次いで引退を表明しました。

 

取材すると、引退する人の背中を、あたたかく、前向きに支えようとする人たちに出会います。

 

稀勢の里関の取材では、

漫画家で、元力士の琴剣(ことつるぎ)さんの制作現場にお邪魔しました。

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新入幕のころから10年以上、

本人の表情を描き続けてきたという琴剣さん。

 

写真などを見なくても、スラスラと描きあげていきます。

 

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「稀勢の里関は、出世するたびに、まゆげがきりっとしていきました。

 特に横綱になってからは、太く、凛々しいまゆげが印象的でしたね。

 そして、年輪が刻み込まれて、良い顔になっていきましたよ」

 

その顔を、長い間、じっくり、深く観察している人だからこそ分かる変化。

 

力士として、良い時も、悪い時も経て、

その経験が顔に刻み込まれたから、今の稀勢の里関の顔があると教わりました。

 

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取材中、会見の映像が放送されました。

 

会見では、琴剣さんがずっと描き続けてきた稀勢の里関の顔の表情がみるみる変わり、

目からは大粒の涙が。

 

見ている琴剣さんの瞳からも、涙がこぼれ落ちます。

 

琴剣さんご自身も、元力士。

ケガの大変さや、人知れぬ苦労が、痛いほど分かるようでした。

 

琴剣さん、最後にこう話してくれました。

 

「今まで大変だったと思うんですよね。

これで肩の荷がおりたから、笑顔が出る人になるんじゃないですかね。

 これからは笑顔の稀勢の里関を、描くようになるかもしれないですね」

 

涙、涙の引退会見を受けて語られた、「人生の次のステージでは、笑顔」というメッセージ。

取材しているこちらも、あたたかい気持ちにさせられるインタビューでした。

 

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この記事を書いた人

高井 正智アナウンサー

2002年入局。盛岡局・広島局を経て東京アナウンス室勤務。「ニュースウオッチ9」リポーターや「週刊 ニュース深読み」「正午ニュース(土日祝)」キャスターを担当し、現場取材や緊急報道に携わってきた。好きな食べ物は、盛岡で奥深さを教わったそば、広島では週の半分くらいお世話になったお好み焼き、自分でもよく作るスパゲティ・カルボナーラなど。趣味は読書。蔵書で徐々に部屋が侵食されている。東京都出身。

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