東京都の警戒レベル
最も深刻な表現に
「感染が拡大していると思われる」

2020年7月15日

東京都は、7月15日、新型コロナウイルスの都内の感染状況などについて専門家の分析をもとに評価する会議を開き、現在の感染状況について「感染が拡大していると思われる」として、4段階ある警戒のレベルのうち最も深刻な表現に引き上げました。

東京都発表の「総括コメント」
感染状況 医療提供体制
7月2日 感染が拡大しつつ
あると思われる
体制強化の準備が必要
であると思われる
7月9日 感染が拡大しつつ
あると思われる
体制強化が必要で
あると思われる
7月15日 感染が拡大して
いると思われる
体制強化が必要で
あると思われる
感染状況【総括コメント(4段階)】

感染が拡大していると思われる

感染が拡大しつつあると思われる

感染拡大の兆候があると思われる

感染者数の増加が一定程度にとどまっていると思われる

医療提供体制【総括コメント(4段階)】

体制がひっ迫していると思われる

体制強化が必要であると思われる

体制強化の準備が必要であると思われる

通常の体制で対応可能であると思われる

東京都 警戒レベル引き上げ 都が都民や事業者に求めることは

小池知事は、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて、都民と事業者に対し、それぞれ次のような協力を要請しています。

  • いわゆる夜の繁華街の接待を伴う飲食店などでは、十分な感染防止対策がとられていない店の利用を避けること。会食の場合も同様に、感染防止対策がとられていない飲食店の利用を避けること
  • 不要不急の都外への外出はできるだけ控えること
  • イベントに参加する際などは、名簿に記入したり都の見守りサービスや国の接触確認アプリを活用すること
  • スタッフの体温測定や店の消毒など、ガイドラインに基づく感染防止対策の徹底
  • その上で、「感染防止徹底宣言ステッカー」を店頭に表示すること
  • 接待を伴う飲食店の経営者には、スタッフにPCR検査を受けるよう勧めること

東京都 新たなモニタリング項目 警戒呼びかけ基準の数値設けず

2020年6月30日

東京都は新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、見直しを進めてきた新たなモニタリング項目を取りまとめました。感染状況や医療体制を専門家に分析してもらい、都が評価して注意喚起するかどうかを判断するということです。一方、新たなモニタリング項目には、都民に警戒を呼びかける基準となる数値は設けられませんでした。

東京都は6月30日、午後7時半から小池知事や幹部職員が出席して、新型コロナウイルスの対策本部会議を開きました。

このなかで感染拡大の第2波に備えて見直しを進めてきた新たなモニタリング項目を取りまとめました。

感染状況と医療体制を示す合わせて7つの項目で、具体的には新たな感染者数や感染経路がわからない人の数や増加比率、入院患者の数などです。

都は週1回をベースに医師や感染症の専門家に、これら7項目の数値を前の週や緊急事態宣言が出されていた期間中の最大値と比較しながら分析してもらいます。

その結果をもとにモニタリング会議を開いて現状を評価し、状況が悪化したと判断した場合は、都民に不要不急の外出自粛の協力など注意喚起を行うとしています。

一方、新たなモニタリング項目には、都民に警戒を呼びかける基準となる数値は設けられませんでした。

都は7月1日から試験的に運用し、早期に本格的に実施するということです。

新たなモニタリング項目 詳細は

東京都は、感染拡大の第2波に備えて見直しを進めてきた新たなモニタリング項目は合わせて7つあります。

これまでもモニタリングを行っていた都内の「感染状況」と「医療体制」を分析するという大きな2つの柱は見直し後も継続されますが、モニタリングする中身の一部が変更されました。

このうち、「感染状況」のモニタリング項目は3つあります。
▽新たな感染者数、
▽東京消防庁の電話相談窓口「#7119」に寄せられた発熱などの相談件数、
▽新たな感染者のうち、感染経路が分からない人の数と増加比率です。
いずれも1週間の平均で算出します。

消防に寄せられた相談件数と、感染経路が分からない人の数と増加比率は、潜在的な感染の広がりや市中での感染を分析するため今回、新たに設けられました。

一方、「医療体制」のモニタリング項目は、
▽PCR検査と抗原検査の陽性率、
▽救急医療の「東京ルール」の適用件数、
▽入院患者の数、
▽重症患者の数の4つです。

陽性率と、「東京ルール」の適用件数は1週間の平均で算出します。

このうち「東京ルール」の適用件数は、複数の医療機関に救急患者の受け入れを要請したものの搬送先が見つからなかったり、搬送先を決めるのに時間がかかったりした件数です。

医療機関の受け入れ体制のひっ迫の度合いを推し量る数値として今回、新たに盛り込まれました。このほか、新たな感染者の年齢別の発生状況なども参考にするということです。

都は、医師や感染症の専門家に、これら7項目の数値を、前の週や、緊急事態宣言が出されていた期間中の最大値と比較しながら分析してもらうということです。

救急搬送時の「東京ルール」とは

東京都は、救急患者が病院に受け入れを断られるケースを減らすため、消防の救急隊の代わりに地域の中核病院などが搬送先を探す「東京ルール」と呼ばれる仕組みを運用しています。

具体的には、救急隊が5か所以上の医療機関に受け入れを断られたり、20分以上搬送先が決まらなかったりした場合、都内の12の地域ごとに指定された中核病院や東京消防庁に常駐するコーディネーターが搬送先を探す仕組みで、11年前から導入されています。

都によりますと、この東京ルールに当てはまるケースは、新型コロナウイルスの感染の確認が急増したことし4月は2365件で、去年の同じ時期のおよそ4倍に増えました。さらに5月も1626件と去年の2.5倍でした。6月は19日までのデータで579件と、去年よりも1.6倍でした。

都によりますと、発熱や呼吸困難などで新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者の搬送で、医療機関側が個室を確保できず、院内感染を防ぐための対応が難しいなどの理由で受け入れができないケースが多くあったということです。

新たなモニタリング項目 これまでの推移

従来のモニタリング指標

東京都がこれまでモニタリング(監視)してきた、感染状況や医療体制を示す次の7つの指標です。

(表に示している目安は、東京都が、東京アラートを出していた6月上旬の時点で示していたものです。「東京アラート」は、6月2日に、感染状況の悪化の兆候が見られるとして、都民に警戒を呼びかけるため初めて出され、9日後の6月11日に解除されました)